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ETERNUS SF AdvancedCopy Manager 15.2 運用ガイド
ETERNUS

C.2.4 複写元ボリュームロック動作指定ファイル

複写元ボリュームのレプリケーション前処理では、他アプリケーションとの一時的なアクセス競合を回避するため、ロックに失敗した場合にロック処理をリトライします。複写元ボリュームとしてLogical Unit(ディスク)が指定された場合は、Logical Unit(ディスク)に含まれるパーティションに対してロック処理を行います。ロックに失敗した場合は、ロック処理をリトライします。標準のリトライ動作は以下のとおりです。

リトライの回数と間隔は、「複写元ボリュームロック動作指定ファイル」で変更できます。
このファイルでは、複写元ボリュームの前処理に対して、以下の動作も指示できます。

AdvancedCopy Manager 13.1以降では、複写元ボリュームロック動作指定ファイルで、レプリケーションの前後処理を実施しない指定も可能です。


ファイル名と格納場所

複写元ボリュームロック動作指定ファイルは、複写元ボリュームが存在するサーバ上に、以下の名前で作成してください。

ファイルの記述例と記述規約

ファイルの記述例は、以下のとおりです。

[g1d1p1]
BufferFlushOnly=off
LockForceMode=on
LockRetryNumber=10
LockRetryInterval=5000
[g1d1p2]
BufferFlushOnly=on
[ANY]
BufferFlushOnly=off
LockForceMode=off
LockRetryNumber=20
LockRetryInterval=2000

ファイルの記述規約は、以下のとおりです。

表C.5 SRCLOCK.INIファイルに指定できるパラメーター

パラメーター

説明

BufferFlushOnly

複写元ボリュームをロックする代わりに、複写元ボリュームのファイルシステムバッファーをフラッシュすることを指定します。

on(デフォルト値): バッファーをフラッシュする(ロックしない)
off: バッファーをフラッシュしない(ロックする)

swsrpmakeコマンドに-Xflushオプションが指定され、かつ、BufferFlushOnly=offの場合は、-Xflushオプションが優先されます。

BufferFlushOnlyがoffに指定されていない場合は、ほかのパラメーター(LockForceMode、LockRetryNumber、LockRetryInterval)は、すべて無効となります。

本パラメーターをonにする場合、複写元ボリュームへのすべての書込み処理を事前に停止する必要があります。書込み処理を停止しない状態で複製を作成した場合、複写元ボリュームのデータ内容は保証されません。

NoPrePostがonの場合、本パラメーターは無効となります。

NoPrePostがonに指定されておらず、かつ、BufferFlushOnlyがoffに指定されていない場合、ほかのパラメーター(LockForceMode、LockRetryNumber、LockRetryInterval)は無効となります。

LockForceMode

ロック処理をリトライする前に、ボリュームのマウントを解除するかを指定します。

off(デフォルト値): マウントを解除しない
on: マウントを解除する

ボリュームのマウントが解除されると、そのボリュームに対して開いているすべてのハンドルが無効となります。

※マウント解除後にすぐにボリュームが使用中になる場合は、ロックできないことがあります。

BufferFlushOnly=onまたはNoPrePost=onの場合、本パラメーターは無効となります。

LockRetryNumber

ロック処理のリトライ回数を指定します。指定できる値は、1~10000です。デフォルト値は20(回)です。

指定回数分リトライしても複写元ボリュームをロックできない場合は、処理を中断してコマンドを異常終了させます。

BufferFlushOnly=onまたはNoPrePost=onの場合、本パラメーターは無効となります。

LockRetryInterval

ロック処理のリトライの間隔(ミリ秒単位)を指定します。指定できる値は、1~600000(10分)です。デフォルト値は1000(1秒)です。

BufferFlushOnly=onまたはNoPrePost=onの場合、本パラメーターは無効となります。

NoPrePost

レプリケーションの前後処理を実施するかを指定します。

off(デフォルト値): 実施する
on: 実施しない

NoPrePost=onの場合、ほかのパラメーター(BufferFlushOnly、LockForceMode、LockRetryNumber、LockRetryInterval)は無効となります。

本パラメーターは、AdvancedCopy Manager 13.1以降の場合に指定できます。