ページの先頭行へ戻る
Systemwalker Desktop Patrol V14g 導入ガイド
Systemwalker

6.1.1 CSをインストールする

環境構築手順の流れとしては、以下のとおりです。

本作業は、サービス提供者の作業となります。

サービス提供者の作業

6.1.1.1 マルチテナント版 CSをインストールする

  1. マルチテナント版 CSをインストールします。

    下記の手順に従い、インストールを実施してください。

    • 2.2.1 IISのインストールと設定

    • 2.2.3 CSをインストールする

      注意

      “CSをインストールする”の注意事項

      • DVD-ROMをPCにセットしても、インストーラ画面は自動で起動されません。DVD-ROMドライブの以下のパスを起動してください。

        \utilities\multitenant\setup.exe

      • 「サーバ環境設定」画面の「ホスト名」で入力したホスト名またはIPアドレスは、「Systemwalker Desktop Patrol CT」の「環境設定」に表示されます。
        サービス利用者側で表示可能なホスト名またはIPアドレスを設定してください。

      • マルチテナント版では、“2.2.3 CSをインストールする”の手順10の「環境設定」画面は表示されません。

  2. OSを再起動してください。


6.1.1.2 Systemwalker Desktop Patrol MSをインストールする

下記の手順で、Systemwalker Desktop Patrol MS(Multitenant Server)をインストールします。Systemwalker Desktop Patrol MSは、CSのサブコンポーネントです。

  1. DVD-ROMドライブの以下のパスを起動してください。

    \utilities\multitenant\ms\setup.exe

  2. インストール先を指定してインストールしてください。

    インストール先のディレクトリ名は、英数字、「-」(ハイフン)、「_」(アンダースコア)のみ指定可能です。

  3. OSを再起動してください。


6.1.1.3 Application Request Routingをインストールする

下記の手順で「Application Request Routing」をインストールします。

  1. Microsoft社の公開サイトから、「Web Platform Installer」をダウンロードします。

    URLは、以下のとおりです。(2012年9月現在)

    http://www.microsoft.com/web/downloads/platform.aspx

    「Web Platform Installer 4.0」をダウンロードして実行すると、以下のメッセージが出力される場合があります。

    このメッセージが出力された場合は、[OK]ボタンをクリックし、立ち上がったブラウザから「Web Platform Installer 4.0」をダウンロードして実行してください。

    「Web Platform Installer 4.0」をダウンロードまたは実行できない場合は、「Web Platform Installer 3.0」をダウンロードしてください。

    URLは、以下のとおりです。(2012年9月現在)

    http://www.microsoft.com/ja-jp/download/details.aspx?id=6164

    ダウンロードするファイルは、「WebPlatformInstaller_3_10_amd64_ja-JP.msi」です。

  2. ダウンロードしたファイルをCS上で実行してインストールします。

    →「使用許諾誓約書」が表示されますので、内容を確認し「同意します」をクリックすると、インストールが開始されます。

  3. 「スタートメニュー」から「Microsoft Web Platform Installer」を起動します。

    手順1で「Web Platform Installer 3.0」をダウンロードした場合は、「新バージョンのお知らせ」画面が表示されますが、「Web Platform Installer 3.0」を利用するために「同意しない」をクリックしてください。

  4. 「製品」-「サーバー」をクリックし、一覧から「Application Request Routing 2.5(英語)」の[追加]ボタンをクリックします。

  5. [インストール]ボタンをクリックしてインストールします。

    →「ライセンス条項」が表示されますので、内容を確認し一覧にあるチェックボックスはそのままで[同意する]ボタンをクリックしてください。

  6. [終了]ボタンをクリックして「Microsoft Web Platform Installer」を終了します。


6.1.1.4 データベースの環境構築利用者を設定する

マルチテナントのデータベースの環境構築利用者を設定します。

以下のテナント管理コマンドを使用して設定します。

本コマンドは、「管理者として実行」したコマンドプロンプト上で実行してください。

<DTPインストール先>\Bnserv\bin\dtpdbadm.exe /s /uuser /ppass

user

Administrator権限を持つWindowsローカルユーザー名を指定します。
運用環境保守ウィザードを実行して環境構築を行うためのWindowsローカルユーザー名です。

pass

userに対応するWindowsローカルユーザーのログオンパスワードを指定します。

本コマンドの詳細については、Systemwalker Desktop Patrol V14g リファレンスマニュアルの“dtpdbadm.exe(テナントの管理)”を参照してください。


6.1.1.5 運用環境保守ウィザードを実行する

CSを動作させるためのデータベースの環境構築が必要です。

  1. 6.1.1.4 データベースの環境構築利用者を設定する”のデータベースの環境構築利用者が、運用環境保守ウィザードを実行して環境を構築します。

    下記の手順に従い、運用環境保守ウィザードを実行してください。

    データベース構築時は、以下の値を指定してください。

    • システムアカウントの登録

      ユーザーID

      任意(注:セキュリティの観点から、推測されにくい文字列を推奨します)

      パスワード

      任意(注:セキュリティの観点から、推測されにくい文字列を推奨します)

    • データベース情報の入力

      データベース格納先

      任意

      PC台数

      500台

      PC以外の管理台数

      0台

      詳細設定

      全チェックボックスをOFF


6.1.1.6 IISを設定する

CSとCT間のデータ通信をSSLで暗号化するために、IISに以下の設定を行う必要があります。

注意

前提条件

本機能で提供するSSL通信の前提条件は、以下のとおりです。

  • セキュリティ証明書はCSに登録し、CTには登録しない。

  • ルート証明書は、CTに登録済みであること。

  • ルート証明書の更新等は、ユーザーが任意に実行する。

  1. 6.1.1.1 マルチテナント版 CSをインストールする”の下記の設定を完了させます。

  2. [スタート]メニューから[管理ツール]-[インターネット インフォメーション サービス(IIS) マネージャー]を起動します。

  3. 「接続」-コンピュータ名を選択し、「ホーム」にある「Application Request Routing Cache」を開きます。

  4. Application Request Routing Cache画面が表示されますので、「操作」-「Server Proxy Settings...」リンクをクリックします。

  5. Application Request Routing画面が表示されますので、以下の値を設定し、「操作」-「適用」リンクをクリックします。

    項目

    設定内容

    Enable Proxy

    チェックON

    上記以外の値については、変更する必要はありません。

  6. 「接続」-「サイト」-「Default Web Site」を選択し、「Default Web Site ホーム」にある「URL 書き換え」を開きます。

  7. URL 書き換え画面が表示されますので、「操作」-「規則の追加...」リンクをクリックします。

  8. 「規則の追加」ダイアログが表示されますので、「空の規則」を選択しOKボタンをクリックします。

  9. 受信規則の編集画面が表示されますので、以下の値を設定し、「操作」-「適用」リンクをクリックします。

    カテゴリ

    項目

    設定内容

    名前

    DTPData

    URLの一致

    要求されたURL

    パターンに一致する

    使用

    ワイルドカード

    パターン

    DTPData/*

    文字列と小文字を区別しない

    チェックOFF

    アクション

    アクションの種類

    書き換え

    アクションのプロパティ

    URLの書き換え

    http://localhost:38080/DTPData/{R:1}

    クエリ文字列の追加

    チェックON

    書き換えられたURLを記録する

    チェックON

    後続の規則の処理を停止する

    チェックON

    「条件」と「サーバー変数」については、変更する必要はありません。

  10. 「インターネット インフォメーション サービス (IIS) マネージャー」を終了します。


6.1.1.7 CSの動作環境を設定する

下記の手順に従い、CSの動作環境を設定してください。

6.1.1.8 CTからリバースプロキシサーバに接続するための設定を行う

CTからリバースプロキシサーバに接続するために、以下の設定が必要です。

この設定方法について、以下に詳細を説明します。

ライアントポリシー変更iniファイルでの設定

クライアントポリシー変更iniファイル(PolicySet20-tenant.ini)は、以下に格納されています。

クライアントポリシー変更iniファイル(PolicySet20-tenant.ini)のキーの説明を以下に記述します。

表6.1 クライアントポリシー変更iniファイルのキーの説明

キー名

キー内容の説明

tenant=

処理対象のCSのホスト名のキーになります。
本キーの値として、CSのホスト名を設定します。

key1=

設定項目のキーになります。
本キーの値は変更しないでください。

valtype1=

設定項目のタイプのキーになります。
本キーの値は変更しないでください。

val1=

設定項目の値のキーになります。
本キーの値として各項目の範囲内で設定してください。

クライアントポリシーの設定項目キーの説明を以下に示します。

  • cesdt.ConnectServer.Enabledキー

機能

CTの接続サーバー(リバースプロキシサーバー)を設定します。

設定値

true

有効化します。

false

無効化します。

  • cesdt.ConnectServer.Nameキー

機能

接続サーバー(リバースプロキシサーバー)のホスト名やIPアドレスを設定します。

設定値

ホスト名またはIPアドレスを64バイト以内で指定します。

  • cesdt.ConnectServer.Portキー

機能

接続サーバー(リバースプロキシサーバー)に接続するポート番号を設定します。

設定値

<ポート番号>

  • cesdt.tenant.ssl.enabledキー

機能

SSL通信の有効/無効を設定します。

設定値

true

有効化します。

false

無効化します。

  • cesdt.tenant.certificate.enabledキー

機能

証明書を使用するかどうかを設定します。

設定値

true

使用します。

false

使用しません。

CSでポリシー設定コマンドを実行します。

  1. CSへAdministratorsグループ権限のユーザーでログオンします。
    以降の操作は、Administratorsグループ権限のユーザーで実施します。

  2. クライアントポリシー変更iniファイルを格納フォルダから任意のフォルダ(例えばc:\work)にコピーして、クライアントポリシー変更iniファイルの「tenant=」キーを編集します。

    「tenant=」キーには処理対象のCSのホスト名を記述します。

    ホスト名の設定値は、メインメニューの「環境設定」-「CSの設定と稼働状況」の「ホスト名」を参照してください。

  3. コマンドプロンプトを起動します。

  4. PolicySet.exeコマンドが格納されているフォルダに移動します。

    [CSのインストールフォルダ]\FJSVsbtrs\bin

    【例】

    > cd "C:\Program Files (x86)\Fujitsu\Systemwalker Desktop Patrol\FJSVsbtrs\bin"

  5. PolicySet.exeコマンドを起動してクライアントポリシーにキーを設定します。

    PolicySet.exeコマンドに、クライアントポリシー変更iniファイルをパラメタに指定して起動してください。

    > PolicySet.exe "c:\work\PolicySet20-tenant.ini"


バースプロキシサーバーのための設定

マルチテナント運用においてリバースプロキシサーバーを設定する場合、以下のレジストリ情報を追加してください。

  1. リバースプロキシサーバーのアドレス指定

    リバースプロキシサーバーのグローバルアドレスを、以下のように設定してください。

    キー名

    HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Wow6432Node\Fujitsu\ITBudgetMGR\CurrentVersion

    名前

    GlobalNetworkInf

    種類

    REG_SZ

    リバースプロキシのネットワークアドレスを指定
    【例】
    IPアドレスの場合:10.20.30.40

    上記の設定をしなかった場合、ACからの接続先サーバは、DTPに設定しているCSアドレスを使用します。

  2. 通信用のポート番号

    ACからCSに接続する場合に使用するポート番号を、以下のように設定してください。

    キー名

    HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Wow6432Node\Fujitsu\ITBudgetMGR\CurrentVersion

    名前

    GlobalNetworkPort

    種類

    REG_DWORD

    通信用のポート番号を10進数で指定

    上記の設定をしなかった場合、通信用のポート番号は、443(HTTPS用)を使用します。


6.1.1.9 テナントを追加する

テナント管理コマンドを使用して、テナントを追加します。

本コマンドは、「管理者として実行」したコマンドプロンプト上で実行する必要があります。

注意

テナントを追加した場合、コマンド実行後に以下のサービスを再起動してください。

  • World Wide Web Publishing Service

サービスの再起動方法は、以下のとおりです。

  1. [コントロールパネル]-[管理ツール]から[サービス]を起動します。

  2. サービスを選択し、[操作]メニューの[再起動]を選択します。

dtpdbadm.exe /a /xテナント識別子 /nテナント名称 /cPC台数 /u初期ユーザーID /p初期ユーザーパスワード [/dパス]

テナント識別子

サービス提供者が、テナントのデータベース名をテナント識別子として設定します。

注意

同一のテナント識別子を持つテナントが存在する場合は、追加できません。

テナント名称

サービス提供者が、テナントの名称(会社名など)を設定します。

PC台数

100~100000が指定可能です。

初期ユーザーID

サービス提供者が、テナントの初期ユーザーIDを設定します。セキュリティの観点から他者に推測されにくい文字列を推奨します。

初期ユーザーパスワード

初期ユーザーIDのパスワードを設定します。セキュリティの観点から他者に推測されにくい文字列を推奨します。

パス

フルパスで指定してください。また、パスは省略可能です(省略時は運用環境保守ウィザードで指定したディレクトリを使用します)。

本コマンドの各オプションの設定の詳細については、“Systemwalker Desktop Patrol V14g リファレンスマニュアル”の“dtpdbadm.exe(テナントの管理)”を参照してください。