ページの先頭行へ戻る
ETERNUS SF AdvancedCopy Manager 15.1 運用ガイド テープサーバオプション編
ETERNUS

18.8.3 スライス単位/LU単位でバックアップされたデータの復旧

スライス単位/LU単位でバックアップされたデータの復旧について説明します。

18.8.3.1 復旧データの表示と選択

19.5.1 tbodrhistdisp(テープバックアップ履歴一括表示コマンド)」をテープサーバ上で実行し、表示された情報を元にETERNUS ディスクアレイ上へデータを復旧するデバイスを選択します。
なお、災対サイトに用意したETERNUS ディスクアレイのディスク容量を考慮に入れ、データを復旧するデバイスを選択してください。

「tbodrhistdisp(テープバックアップ履歴一括表示コマンド)」の詳細は、「19.5.1 tbodrhistdisp(テープバックアップ履歴一括表示コマンド)」を参照してください。

18.8.3.2 復旧先デバイスの準備

18.8.3.1 復旧データの表示と選択」で選択した復旧したいデータの復旧先デバイスをデータ復旧処理前にETERNUS ディスクアレイ上に対しパーティション(スライス)、またはLUを定義しておく必要があります。

18.8.3.2.1 処理概要

19.5.1 tbodrhistdisp(テープバックアップ履歴一括表示コマンド)」実行結果の復旧したいデータに対する「Platform」情報と同一のプラットフォームの管理対象サーバ(Storageサーバ)を用意し、パーティション(スライス)、またはLUを定義します。

図18.4 「復旧先デバイス定義の概要」と「tbodrhistdispコマンド実行例」

18.8.3.2.2 管理対象サーバの準備

復旧先デバイスを定義するために用意した管理対象サーバ(Storageサーバ)を準備します。

次に、以下の手順で管理対象サーバを構築します。

  1. AdvancedCopy Managerエージェントのインストール

    AdvancedCopy Managerエージェントをインストールします。

    詳細は、『ETERNUS SF 導入ガイド』の「AdvancedCopy Managerエージェントのインストール」を参照してください。

  2. AdvancedCopy Managerエージェントのセットアップ

    AdvancedCopy Managerエージェントをセットアップします。

    詳細は、『ETERNUS SF 導入ガイド』の「AdvancedCopy Managerエージェントのセットアップ」を参照してください。

18.8.3.2.3 復旧先デバイス定義手順

以下に復旧先デバイスの定義手順を説明します。

本処理を、「18.8.3.1 復旧データの表示と選択」で選択したデバイス数分実施してください。

Symfowareデータベースデータを復旧する場合、「19.5.1 tbodrhistdisp(テープバックアップ履歴一括表示コマンド)」の実行結果を参照し該当するロググループに属したすべてのデバイスに対し、本処理をデータ復旧前に実施してください。

  1. 復旧するデバイスを定義するために必要な情報を入手します。

    復旧するデバイスとして選択したデバイスの「19.5.1 tbodrhistdisp(テープバックアップ履歴一括表示コマンド)」実行結果から「Platform」情報、「Capacity(MB)」情報を取得します。

  2. 管理対象サーバ(Storageサーバ)でデバイスを定義します。

    用意した管理対象サーバにて、上記、1.の情報を元に復旧先デバイスとしてパーティション(スライス)、またはLUを定義します。

  3. 復旧先デバイスの構成情報を記載した定義ファイルを作成します。

    上記、2.の処理で定義したデバイスの構成情報を定義ファイルに記録します。

    [ファイル名]

    servername.cnf

    • servername

      リストア先の災対サイトの管理対象サーバ名を指定します。

    [ファイル配置場所]

    テープサーバ上

    [ファイルの説明]

    本ファイルは管理対象サーバごとに作成します。

    ファイルの書式は以下です。

    <Blockdevice name> <BoxID> <LU number> <Start extent> <Size>

    以下に定義情報の詳細を説明します。

    表18.5 定義情報の詳細

    項目

    説明

    Blockdevice name

    Blockデバイス名

    BoxID

    Box ID 16進表記
    (acgetvolinfoの出力どおりに記述※作成方法で説明)

    LU number

    LU番号 16進表記
    (acgetvolinfoの出力どおりに記述※作成方法で説明)

    Start extent

    開始位置 16進表記
    (acgetvolinfoの出力どおりに記述※作成方法で説明)

    Size

    サイズ 16進表記
    (acgetvolinfoの出力どおりに記述※作成方法で説明)

    • 先頭カラムが‘#'の行はコメント行を意味します。

    • 各カラムの区切りは、空白またはタブです。

    • 入力できる文字は英数字と特殊文字だけです。また、言語依存の文字は入力できません。

    • 改行コードはUNIXです。

    以下に例を示します。

    # Volume BOXID LUN EXTENT SIZE
    /dev/rdsk/c9t0d5s2 00E4000M3#####E450S20A####KD4030639004## 0x041 0x0 0x800000

    注意

    このファイルに記述誤りがあった場合、「19.5.2 tbodrrestore(テープを利用した災対用リストアコマンド)」がエラーとなります。

    [作成方法]

    以下の手順で、管理対象サーバにてservername.cnfファイルを作成します。

    1. 管理対象サーバの任意の場所に、ユーティリティファイルをコピーします。

      ユーティリティファイルはテープサーバにありますが、プラットフォームごとに格納場所が異なります。
      各プラットフォームに対応するユーティリティファイルのパスは、以下のとおりです。

      管理対象サーバのプラットフォーム

      テープサーバにあるユーティリティファイルのパス

      Windows Server 2003, Standard Edition SP2
      Windows Server 2003, Standard x64 Edition SP2
      Windows Server 2003, Enterprise Edition SP2
      Windows Server 2003, Enterprise x64 Edition SP2
      Windows Server 2003 R2, Standard Edition SP2
      Windows Server 2003 R2, Standard x64 Edition SP2
      Windows Server 2003 R2, Enterprise Edition SP2
      Windows Server 2003 R2, Enterprise x64 Edition SP2

      /opt/FJSVswstu/tools/server_utility_windows.zip

      Solaris 9
      Solaris 10
      Solaris 11

      /opt/FJSVswstu/tools/server_utility_solaris.tar

      Red Hat Enterprise Linux 5 (for x86)

      /opt/FJSVswstu/tools/server_utility_rhel5x86.tar

      Red Hat Enterprise Linux 5 (for Intel64)

      /opt/FJSVswstu/tools/server_utility_rhel5x64.tar

      Red Hat Enterprise Linux 6 (for x86)

      /opt/FJSVswstu/tools/server_utility_rhel6x86.tar

      Red Hat Enterprise Linux 6 (for Intel64)

      /opt/FJSVswstu/tools/server_utility_rhel6x64.tar

      HP-UX 11i v3(Itanium)

      /opt/FJSVswstu/tools/server_utility_hp-ux.tar

      AIX 5L V5.3

      /opt/FJSVswstu/tools/server_utility_aix.tar

    2. コピーしたユーティリティファイルを解凍した後、解凍したディレクトリに移動します。

      • [Windowsの場合]

        zipファイルを解凍し、コマンドプロンプトを使用して解凍したディレクトリに移動してください。

      • [Solaris/Linux/HP-UX/AIXの場合]

        # cd <ファイルをコピーしたディレクトリ>
        # tar xvf <ユーティリティファイル>
        # cd ./server_utility/bin
    3. acgetvolinfoコマンドを実行して、ETERNUS ディスクアレイの論理ボリュームの情報を表示します。

      acgetvolinfoコマンドのオペランドに業務ボリューム(rawデバイス)を指定して実行し、ETERNUS ディスクアレイの論理ボリュームの情報を表示します。
      acgetvolinfoコマンドの詳細は、『ETERNUS SF 運用ガイド Copy Control Module編』の「acgetvolinfo (論理ボリューム情報の表示コマンド)」を参照してください。

      以下は、Solarisの場合の実行例です。

      [例]

      # ./acgetvolinfo /dev/rdsk/c2t42d0s3
       BOX-ID,LV No,Address,Size
       00ETERNUSDXMS2ET442SA#####LG4531101209##,0x006,0x80000,0x40000
    4. servername.cnfファイルをテキストエディタで開きます。

    5. 上記、c)で指定した業務ボリュームのBlockデバイスを行の先頭に記述し、その後に空白またはタブを追加します。その後、acgetvolinfoコマンドの出力結果の2行目に記述されている内容をすべてのコンマ(,)を空白またはタブに置換した情報をservername.cnfファイルに記述し、改行を入れます。

      以下に例を示します。

      # Volume BOXID LUN EXTENT SIZE
      /dev/dsk/c2t42d0s3 00ETERNUSDXMS2ET442SA#####LG4531101209## 0x006 0x80000 0x40000
    6. 上記、b)~e)をリストア先ボリューム数分繰り返し、情報を追加します。

      以下に4つの業務ボリュームを記載した例を示します。

      # Volume BOXID LUN EXTENT SIZE
      /dev/dsk/c2t42d0s3 00ETERNUSDXMS2ET442SA#####LG4531101209## 0x006 0x80000 0x40000
      /dev/dsk/c2t41d0s3 00ETERNUSDXMS2ET442SA#####LG4531101209## 0x003 0x80000 0x40000
      /dev/dsk/c2t41d5s5 00E4000M3#####E450S20A####KD4030639004## 0x142 0x4000 0x7f4000
      /dev/dsk/c2t20d20s6 00E4000M3#####E450S20A####KD4030639004## 0x143 0x4000 0x7f4000
    7. 作成したservername.cnfファイルをテープサーバ上の/var/tmp/tsm_data配下に転送します。

    注意

    デバイスを指定する場合は、以下の違いがありますので注意してください。

    • コマンドに指定するデバイス:特殊デバイス名(例:/dev/rdsk/c1t1d1s3)

    • ファイルに指定するデバイス:ブロックデバイス名(例:/dev/dsk/c1t1d1s3)

  4. 定義したデバイスを管理対象サーバからアンマウントしてください。

注意

本処理で定義したデバイスはテープサーバに接続しないでください。

18.8.3.3 ユーザーデータの復旧

バックアップテープからのデータ復旧方法について以下に説明します。

19.5.2 tbodrrestore(テープを利用した災対用リストアコマンド)」を使用するためには、TSMサーバが起動されている必要があります。

TSMサーバが起動されているかは、「19.6.6 TSMサーバデーモンの起動と停止」を参照して、確認してください。

TSMサーバが起動されていない場合には、「18.7.3.3 TSMデータベースのリストア後のTSMの設定」の「TSMサーバデーモンの起動」を参照して、起動してください。

18.8.3.3.1 業務ボリュームデータの復旧

18.8.3.1 復旧データの表示と選択」で選択したデバイスのデータを「18.8.3.2 復旧先デバイスの準備」で定義したETERNUS ディスクアレイ上のデバイスへバックアップテープから「19.5.2 tbodrrestore(テープを利用した災対用リストアコマンド)」を使用し復旧します。

以下に、ユーザーデータの復旧例を示します。

18.8.3.3.2 Symfowareデータベーススペース復旧時の考慮

Symfowareデータベーススペースを復旧する場合、「19.5.1 tbodrhistdisp(テープバックアップ履歴一括表示コマンド)」実行結果を参照し復旧したいロググループに属したすべてのデバイスに対し、「18.8.3.3.1 業務ボリュームデータの復旧」の処理を実施してください。

注意

Symfowareデータベーススペースを復旧する場合、事前に管理対象サーバ(Storageサーバ)にSymfowareの環境を作成する必要があります。その際、DBの構成(ホスト名、デバイス名含む)は、復元対象のデータを採取した構成とすべて同一である必要があります。

18.8.3.4 復旧データの確認

18.8.3.3 ユーザーデータの復旧」で復旧したデータの確認方法は、当該データに対応する「19.5.1 tbodrhistdisp(テープバックアップ履歴一括表示コマンド)」の表示結果のプラットフォームの管理対象サーバ(Storageサーバ)に、復旧先デバイスをマウントしてデータを確認してください。