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Symfoware Server V11.0.1 クラスタ導入運用ガイド
Symfoware

7.4.23 リソースの作成とクラスタアプリケーションの作成

クラスタアプリケーションの作成を行う前に、クラスタアプリケーションに登録するリソースの作成を行う必要があります。

クラスタアプリケーションの作成やリソースの作成は、“userApplication Configuration Wizard”を利用して行います。

注1) GDSリソースの作成は、CapitalシステムでアクセスするGDSクラスと、SatelliteシステムでアクセスするGDSクラスが該当します。CapitalシステムとSatelliteシステムの両方からアクセスするGDSクラスは、GDSリソースを作成する必要はありません。

各GDSクラスについては、“7.3.3 ローデバイスの作成”を参照してください。

注2) 1つのスタンバイ型クラスタアプリケーションに、RDBシステムのリソースを複数登録することはできません。

注3) Capitalシステム、およびすべてのSatelliteシステムの個数分繰り返します。

RDBシステムリソースの作成は“3.4.16.2 RDBシステムリソースの作成”を参照してください。

7.4.23.1 GDSリソースの作成手順

GDSリソースの作成は、以下の手順で行います。

Capitalシステム用のGDSリソースとSatelliteシステム用のGDSリソースを作成する必要があります。なお、Satelliteシステム用のGDSリソースは、ノードごとに異なるリソース名で作成してください。

  1. Resource作成を起動します。

    [userApplication Configuration Wizard]画面を起動し、[Resourceの作成]を選択します。


  2. Resourceタイプを選択します。

    Resourceタイプに“GDS”を選択し、Resource名に作成するリソース名を指定します。

    Satelliteシステム用のGDSリソースを作成する場合は、ノードごとに異なるリソース名で作成してください。


  3. SysNode(ノード)を選択します。

    リソースを設定するSysNode(ノード)を選択します。

    • Capitalシステム用のGDSリソース

      Capitalシステムが稼動する全てのSysNode(ノード)を指定してください。

    • Satelliteシステム用のGDSリソース

      Satelliteシステムが稼動するSysNode(ノード)を指定してください。なお、SysNode(ノード)ごとにリソースを作成する必要があります。

      例えば、3つのSysNode(ノード)でSatelliteシステムが動作する場合は、GDSリソースを3つ作成する必要があります。


  4. ディスククラスを選択します。

    Symfoware/RDBの資源を配置する共用ディスクのディスククラスを選択します。

    • Capitalシステム用のGDSリソース

      Capitalシステムでアクセスするディスククラスを指定してください。

    • Satelliteシステム用のGDSリソース

      Satelliteシステムでアクセスするディスククラスを指定してください。

    注意

    CapitalシステムとSatelliteシステムの両方からアクセスするディスククラスは指定しないでください。


  5. ディスククラスのMONITORONLY属性を設定します。

    MONITORONLY属性は、ディスククラスが故障した際のフェイルオーバの有無を決定します。

    ディスククラスの故障とは、ディスクアレイ装置の故障やファイバチャネルなどのパス故障が該当します。例えば、パス故障の場合は、フェイルオーバを行うことで切替え先のサーバからアクセスが可能となり、業務の継続が可能です。このため、システム要件に応じて、MONITORONLY属性を設定してください。

    • フェイルオーバを実施し、切替えにより業務を再開する運用

      すべてのディスククラスのMONITORONLY属性を“no”に設定します。

    • フォールバック運用を実施し、業務を縮小して継続する運用

      ディスククラスのMONITORONLY属性を“yes”に設定します。

      アーカイブログ運用を行っている場合は、アーカイブログファイルを配置するディスククラスのMONITORONLY属性を“no”に設定します。アーカイブログ運用を行っていない場合は、テンポラリログファイル(インデックス域、BIログ域およびAIログ域)を配置しているディスククラスのMONITORONLY属性を“no”に設定します。

      以下にアーカイブログ運用時のMONITORONLY属性の設定例を示します。

      ディスククラス

      用途

      MONITORONLY属性

      class0001

      RDBディクショナリ

      yes

      class0002

      RDBディレクトリファイル

      yes

      class0003

      データベーススペース、監査ログデータベース(フェールオーバ運用の場合)

      yes

      class0004

      アーカイブログファイル

      no

      class0005

      ログ管理ファイル、
      ログインデックス域、
      BIログ域、AIログ域、
      ロググループ管理ファイル、
      インダウトログ域

      yes

      MONITORONLY属性のデフォルトは、“no”となっています。

      注意

      運用中の資源復旧機能はSymfoware Server Enterprise Extended Editionで利用できる機能です。

      運用中の資源復旧機能の利用時には、復旧対象の資源を配置しているディスククラスのMONITORONLY属性を“yes”に設定する必要があります。



  6. ディスククラスの用途を設定します。

    • Capitalシステムの場合

      配置するSymfoware/RDBの資源によって、ディスククラスの用途が異なります。

      各資源の配置については、“1.8 システム構成”を参照して、ディスククラスの用途を設定してください。

      用途

      排他使用

      HotStandby運用

      切替えディスク

      する

      しない

      同時アクセス用共用ディスク

      する

      する

    • Satelliteシステムの場合

      以下を指定してください。

      • 排他使用:しない


  7. GDSリソースを登録します。

    [登録情報の確認]画面で、設定した内容の確認を行います。設定した内容が正しければ、[登録]ボタンをクリックし、設定内容を登録します。

    リソース属性については通常変更する必要はありませんが、変更が必要な場合は、“PRIMECLUSTER導入運用手引書”を参照して設定してください。


7.4.23.2 スタンバイ型のクラスタアプリケーションの作成

  1. userApplicationの作成を起動する

    [userApplication Configuration Wizard]画面を起動し、[userApplicationの作成]を選択します。


  2. クラスタアプリケーション名と運用形態を設定する

    [userApplication名]には作成するクラスタアプリケーション名を指定し、[運用形態]には、Standbyを選択します。


  3. SysNode(ノード)を選択する

    クラスタアプリケーションを作成するノードを選択します。

    選択されたノードの順番によって上から運用ノード、待機ノード1、待機ノード2として設定されます。

    なお、Satelliteシステムの場合は、運用ノードのみ指定します。


  4. クラスタアプリケーションの属性を設定する

    クラスタアプリケーションの属性を選択します。

    クラスタアプリケーションの属性の詳細は“PRIMECLUSTER導入運用手引書”を参照してください。なお、属性については、以下のように設定してください。

    属性

    AutoStartUp
    (RMS起動時にクラスタアプリケーションを自動起動します。)

    No

    AutoSwitchOver
    (クラスタアプリケーションで障害が発生したときに自動的に切り替えます。)

    • HostFailure

    • ResourceFailure

    • ShutDown

    PersistentFault
    (RMS再起動後にクラスタアプリケーションのFaulted状態を継続するかどうか選択します。) (注1)

    1推奨

    StandbyTransitions
    (Standby状態遷移の実行時期) (注2)

    • ClearFaultRequest

    • StartUp

    • SwitchRequest

    OnlinePriority

    (全クラスタを再起動したときにOnlineのノードを再起動前のノードにするかノードの設定順序に従うか選択します。) (注3)

    0推奨

    HaltFlag
    (Fault処理中にさらに故障が発生した場合、ノードを強制停止するかどうか選択します。)

    Yes

    注1) 1を選択した場合は、Faulted状態は継続します。0を選択した場合は、RMS起動時にFaulted状態を自動的に解消します。

    注2) Capitalシステムのクラスタアプリケーションを作成するときのみ設定が必要です。

    注3) 0を選択した場合は、切替えなどにより初期構成の配置と異なっている場合に初期の配置状態で起動されます。1を選択した場合は、再起動前の配置状態のまま起動されます。



  5. リソースを選択する

    クラスタアプリケーションに登録するリソースを選択します。

    ここでは、GDSリソースとRDBリソースを選択します。


  6. クラスタアプリケーションを登録する

    [登録情報の確認]画面で、設定した内容の確認を行います。設定した内容が正しければ、[登録]ボタンをクリックし、設定内容を登録します。


ポイント

パトロール診断を設定することを推奨します。パトロール診断は、クラスタアプリケーションの切替え先ノードに接続されたハードウェアを定期的に診断する機能です。パトロール診断についての詳細は“PRIMECLUSTER導入運用手引書”を参照してください。


手順1から手順6までを繰り返し、すべてのスタンバイ型クラスタアプリケーションを作成します。

7.4.23.3 スケーラブル型のクラスタアプリケーションの作成

  1. [userApplicationの作成]を起動する

    [userApplication Configuration Wizard]画面を起動し、[userApplicationの作成]を選択します。


  2. クラスタアプリケーション名と運用形態を設定する

    [userApplication名]には作成するクラスタアプリケーション名を指定し、[運用形態]には、Scalableを選択します。


  3. クラスタアプリケーションの属性を設定する

    [AutoStartUp属性]が“YES”であることを確認します。


  4. クラスタアプリケーションを選択する

    CapitalシステムおよびSatelliteシステムのクラスタアプリケーションを選択します。


  5. クラスタアプリケーションの起動優先度を設定する

    クラスタアプリケーションの起動優先度を指定します。Capitalシステムには、1を設定します。すべてのSatelliteシステムには、2を設定します。


  6. クラスタアプリケーションを登録する

    [登録情報の確認]画面で、設定した内容の確認を行います。設定した内容が正しければ、[登録]ボタンをクリックし、設定内容を登録します。