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Symfoware Server V11.0.1 クラスタ導入運用ガイド
Symfoware

3.4.16 リソースの作成とクラスタアプリケーションの作成

クラスタアプリケーションの作成を行う前に、クラスタアプリケーションに登録するリソースの作成を行う必要があります。

クラスタアプリケーションの作成やリソースの作成は、“userApplication Configuration Wizard”を利用して行います。

ここでは、“GDSリソース”と“RDBシステムリソース”で構成されるクラスタアプリケーションを作成する場合の手順を説明します。なお、その他のリソースを登録する場合も同様に、リソースの作成を行う必要があります。

注1) 1つのスタンバイ型クラスタアプリケーションに、RDBシステムのリソースを複数登録することはできません。

注2) ホットスタンバイ機能を利用する場合は、スケーラブル型のクラスタアプリケーションを作成します。フェイルオーバ運用でスタンバイ機能を利用する場合は、スケーラブル型のクラスタアプリケーションを作成する必要はありません。

3.4.16.1 GDSリソースの作成手順

GDSリソースの作成は、以下の手順で行います。

  1. Resource作成を起動します。

    [userApplication Configuration Wizard]画面を起動し、[Resourceの作成]を選択します。


  2. Resourceタイプを選択します。

    Resourceタイプに“GDS”を選択し、Resource名に作成するリソース名を指定します。


  3. SysNode(ノード)を選択します。

    リソースを設定するSysNode(ノード)を選択します。


  4. ディスククラスを選択します。

    Symfoware/RDBの資源を配置する共用ディスクのディスククラスを選択します。


  5. ディスククラスのMONITORONLY属性を設定します。

    MONITORONLY属性は、ディスククラスが故障した際のフェイルオーバの有無を決定します。

    ディスククラスの故障とは、ディスクアレイ装置の故障やファイバチャネルなどのパス故障が該当します。例えば、パス故障の場合は、フェイルオーバを行うことで切替え先のサーバからアクセスが可能となり、業務の継続が可能です。このため、システム要件に応じて、MONITORONLY属性を設定してください。

    • フェイルオーバを実施し、切替えにより業務を再開する運用

      すべてのディスククラスのMONITORONLY属性を“no”に設定します。

    • フォールバック運用を実施し、業務を縮小して継続する運用

      ディスククラスのMONITORONLY属性を“yes”に設定します。なお、ディスククラスの属性は使用しているSymfowareのパッケージによって異なります。使用している製品に応じて以下のように設定してください。

      • Symfoware Server Enterprise Extended Editionを使用している場合

        アーカイブログ運用を行っている場合は、アーカイブログファイルを配置するディスククラスのMONITORONLY属性を“no”に設定します。アーカイブログ運用を行っていない場合は、テンポラリログファイル(インデックス域、BIログ域およびAIログ域)を配置しているディスククラスのMONITORONLY属性を“no”に設定します。

        以下にアーカイブログ運用時のMONITORONLY属性の設定例を示します。

        ディスククラス

        用途

        MONITORONLY属性

        class0001

        RDBディクショナリ

        yes

        class0002

        RDBディレクトリファイル

        yes

        class0003

        データベーススペース、監査ログデータベース(フェールオーバ運用の場合)

        yes

        class0004

        アーカイブログファイル

        no

        class0005

        ログ管理ファイル、
        ログインデックス域、
        BIログ域、AIログ域、
        ロググループ管理ファイル、
        インダウトログ域

        yes

        MONITORONLY属性のデフォルトは、“no”となっています。

        注意

        運用中の資源復旧機能はSymfoware Server Enterprise Extended Editionで利用できる機能です。

        運用中の資源復旧機能の利用時には、復旧対象の資源を配置しているディスククラスのMONITORONLY属性を“yes”に設定する必要があります。

      • Symfoware Server Enterprise Extended Editionを使用していない場合

        データベーススペースを配置しているディスククラスのMONITORONLY属性を“yes”に設定します。その他の資源についてはMONITORONLY属性を“no”に設定します。

        以下にMONITORONLY属性の設定例を示します。

        ディスククラス

        用途

        MONITORONLY属性

        class0001

        RDBディクショナリ

        no

        class0002

        RDBディレクトリファイル

        no

        class0003

        データベーススペース、監査ログデータベース(フェールオーバ運用の場合)

        yes

        class0004

        アーカイブログファイル

        no

        class0005

        ログ管理ファイル、
        ログインデックス域、
        BIログ域、AIログ域、
        ロググループ管理ファイル

        no

        MONITORONLY属性のデフォルトは、“no”となっています。


  6. ディスククラスの用途を設定します。

    配置するSymfoware/RDBの資源によって、ディスククラスの用途が異なります。

    各資源の配置については、“1.8 システム構成”を参照して、ディスククラスの用途を設定してください。

    用途

    排他使用

    ホットスタンバイ運用

    切替えディスク

    する

    しない

    同時アクセス用共用ディスク

    する

    する


  7. GDSリソースを登録します。

    [登録情報の確認]画面で、設定した内容の確認を行います。設定した内容が正しければ、[登録]ボタンをクリックし、設定内容を登録します。

    リソース属性については通常変更する必要はありませんが、変更が必要な場合は、“PRIMECLUSTER導入運用手引書”を参照して設定してください。


3.4.16.2 RDBシステムリソースの作成

RDBシステムリソースの作成は、以下の手順で行います。

  1. Resource作成を起動します。

    [userApplication Configuration Wizard]画面を起動し、[Resourceの作成]を選択します。


  2. Resourceタイプを選択します。

    Resourceタイプに“Symfoware”を選択します。


  3. SysNode(ノード)を選択します。

    リソースを設定するSysNode(ノード)を選択します。


  4. RDBシステムを選択します。

    3.4.9 RDBシステムのリソース情報の登録”で登録したRDBシステムが選択できます。ただし、RDBシステム名をつけない運用の場合は“RDBII”のみ選択できます。


  5. RDBシステムリソースを登録します。

    [登録情報の確認]画面で、設定した内容の確認を行います。設定した内容が正しければ、[登録]ボタンをクリックし、設定内容を登録します。

3.4.16.3 スタンバイ型のクラスタアプリケーションの作成

スタンバイ型のクラスタアプリケーションの作成は、以下の手順で行います。

  1. userApplicationの作成を起動します。

    [userApplication Configuration Wizard]画面を起動し、[userApplicationの作成]を選択します。


  2. userApplication名と運用形態を設定します。

    userApplication名には作成するクラスタアプリケーション名を指定し、運用形態には、Standbyを選択します。


  3. SysNode(ノード)を選択します。

    クラスタアプリケーションを作成するノードを選択します。
    1:1運用待機の場合、選択されたノードの順番によって、上から運用ノード、待機ノードとして設定されます。

    カスケードの場合、選択されたノードの順番によって、上から運用ノード、待機ノード1、待機ノード2として設定されます。


  4. クラスタアプリケーションの属性を選択します。

    クラスタアプリケーションの属性の詳細は、“PRIMECLUSTER導入運用手引書”を参照してください。

    なお、属性については、以下のように設定してください。

    属性

    AutoStartUp

    (RMS起動時にクラスタアプリケーションを自動起動します。) (注1)

    ホットスタンバイ機能の場合:No
    スタンバイ機能の場合:Yes

    AutoSwitchOver

    (クラスタアプリケーションで障害が発生したときに自動的に切替えを発生させます。)

    • HostFailure

    • ResourceFailure

    • ShutDown

    PersistentFault

    (RMS再起動後にクラスタアプリケーションのFaulted状態を継続するかどうか選択します。) (注2)

    カスケード構成の場合:0

    カスケード構成以外の場合:1推奨

    OnlinePriority

    (全クラスタを再起動したときにOnlineのノードを再起動前のノードにするかノードの設定順序に従うか選択します。) (注3)

    0または1

    HaltFlag

    (Fault処理中にさらに故障が発生した場合、ノードを強制停止するかどうか選択します。)

    Yes

    注1) フェイルオーバ運用でスタンバイ機能のときのみ設定が必要です。

    注2) 0を選択した場合は、RMS起動時にFaulted状態を自動的に解消します。1を選択した場合は、Faulted状態は継続します。

    注3) 0を選択した場合は、切替えなどにより初期構成の配置と異なっている場合に初期の配置状態で起動されます。1を選択した場合は、再起動前の配置状態のまま起動されます。


  5. リソースを選択します。

    クラスタアプリケーションで使用するリソース(GDSリソースおよびRDBシステムリソース)を選択します。


  6. クラスタアプリケーションを登録します。

    [登録情報の確認]画面で、設定した内容の確認を行います。設定した内容が正しければ、[登録]ボタンをクリックし、設定内容を登録します。


ポイント

パトロール診断を設定することを推奨します。パトロール診断は、待機ノードに接続された共用ディスク装置およびネットワークインタフェースカードを定期的に診断する機能です。パトロール診断については“PRIMECLUSTER導入運用手引書”を参照してください。

3.4.16.4 スケーラブル型のクラスタアプリケーションの作成

ホットスタンバイ機能を利用する場合は、スケーラブル型のクラスタアプリケーションを作成します。

フェイルオーバ運用でスタンバイ機能を利用する場合は、スケーラブル型のクラスタアプリケーションを作成する必要はありません。

スケーラブル型のクラスタアプリケーションの作成は、以下の手順で行います。

  1. userApplicationの作成を起動します。

    [userApplication Configuration Wizard]画面を起動し、[userApplicationの作成]を選択します。


  2. クラスタアプリケーション名と運用形態を設定します。

    [userApplication名]には作成するクラスタアプリケーション名を指定し、[運用形態]には、Scalableを選択します。


  3. クラスタアプリケーションの属性を選択します。

    AutoStartUp属性が“Yes”であることを確認します。


  4. クラスタアプリケーションを選択する

    利用するクラスタアプリケーションを選択します。


  5. クラスタアプリケーションの起動順番を設定する

    クラスタアプリケーションの起動順番に“1”を指定します。


  6. クラスタアプリケーションを登録します。

    [登録情報の確認]画面で、設定した内容の確認を行います。設定した内容が正しければ、[登録]ボタンをクリックし、設定内容を登録します。