RDBディレクトリファイルの領域が不足した場合、RDBディレクトリファイルの容量拡張を行います。
RDBディレクトリファイルは、データベースの運用を行っていく過程で自動的に追加割当てを行います。しかし、ローデバイスの容量の限界に達すると、追加割当てを行うことができないため、RDBディレクトリファイルの領域不足が発生する可能性があります。このような状況が発生すると運用が停止してしまうため、未然に状況を把握し対処する必要があります。
そこで、RDBディレクトリファイルの使用率を取得し、拡張契機を見積ります。
RDBディレクトリファイルの領域の使用率は、rdbprdicコマンドのrオプションで出力します。rdbprdicコマンドの指定方法の詳細については、“コマンドリファレンス”を参照してください。
rdbprdicコマンドの出力形式について説明します。
rdbprdicコマンドが出力する情報をもとに、RDBディレクトリファイルの容量拡張を行うかどうか判断します。
rdbprdicコマンドの出力形式を以下に示します。
$ rdbprdic -r Directory file space Device : /dev/sfdsk/class0001/rdsk/volume0002 (1) Size : 102400K (2) Allocate size total : 2048 K (3) Free size total :100352K (4) Used rate total : 1 % ( 16K) (5)((6))
(1) RDBディレクトリファイルを作成したローデバイス名
(2) ローデバイスの全体サイズ(単位はキロバイト)
(3) RDBディレクトリとしてローデバイスに割り付けたサイズ(単位はキロバイト)
(4) ローデバイスの未使用サイズ(単位はキロバイト)
(5) RDBディレクトリファイルの使用率(単位は%)
(6) RDBディレクトリファイルの使用サイズ(単位はキロバイト)
RDBディレクトリファイルの拡張契機の見積りにより、RDBディレクトリファイル全体の領域が不足すると判断した場合に、容量拡張を行います。RDBディレクトリファイルの容量拡張は、新規に確保した容量の大きなローデバイスに現在のRDBディレクトリファイルの内容を複写し、そのローデバイス名を、運用および待機のRDBシステムのRDB構成パラメタファイル内のRDBDIRSPACEに設定して行います。そのため、RDBディレクトリファイルの容量拡張を行う前に、新規にローデバイスを確保してください。
運用系のRDBシステムに対して、以下の手順で作業します。ただし、RDB構成パラメタファイル内のRDBDIRSPACEの設定は、運用と待機のRDBシステムで行います。
(1)クラスタアプリケーション配下の業務を完全に停止します。 (2)運用系および待機系のクラスタアプリケーションを保守停止 します。 クラスタアプリケーションの保守停止手順は、 “5.6 クラスタアプリケーションの保守のための停止” を参照してください。 (3)Symfoware/RDBが正常に停止されたか確認します。 Symfoware/RDBを配置している各ノードのメッセージログ ファイルに、Symfoware/RDBの停止メッセージが出力されるので、 正常に停止していることを確認します。 (4)GDSリソースを活性状態にします。 GDSリソースの活性手順は、“3.4.1 GDSリソースの活性” を参照してください。 (5)RDBディレクトリファイルの退避データを取得します。 ―――― ddコマンド (容量拡張前のRDBディレクトリファイルのローデバイスを ddコマンドでバックアップします。) (6)RDBディレクトリファイルを容量拡張先に復元します。 ―――― ddコマンド ((5)でバックアップした退避データより容量拡張先のRDBディレクト リファイルのローデバイスにddコマンドで復元します。) 正常終了 ⇒(8) 異常終了 ⇒(7) (7)異常原因を取り除きます。 ⇒(6) (8)RDB構成パラメタファイル内のRDBDIRSPACEを設定します。 ―――― viなどのエディタで編集 (運用と待機のRDBシステムの、RDB構成パラメタファイル内の RDBDIRSPACEの絶対パス名を、容量拡張先のローデバイスに 変更します。) (9)Symfoware/RDBを起動します。(動作確認) ―――― rdbstartコマンド (10)Symfoware/RDBを停止します。(動作確認) ―――― rdbstopコマンド (11)GDSリソースを非活性状態にします。 GDSリソースの非活性手順は、“3.4.15 GDSリソースの非活性” を参照してください。 (12)運用系および待機系のクラスタアプリケーションの保守停止 を解除します。 クラスタアプリケーションの保守停止解除の手順は、 “5.7 クラスタアプリケーションの保守停止のための解除” を参照してください。 (13)業務を再開します。
ユーザロググループ用のRDBディレクトリファイルの拡張契機の見積り
ユーザロググループ用のRDBディレクトリファイルは、データベースの運用を行っていく過程で自動的に追加割当てを行います。しかし、ローデバイスの容量の限界に達すると追加割当てを行うことができないため、ユーザロググループ用RDBディレクトリファイルの領域不足が発生する場合があります。このような状況が発生すると、該当するユーザロググループの運用が停止してしまうため、未然に状況を把握し、対処する必要があります。
そこでユーザロググループ用のRDBディレクトリファイルの使用率を取得し、拡張契機を見積ります。
ユーザロググループ用のRDBディレクトリファイルの領域の使用率は、rdbscldirコマンドのVオプションかつgオプションで出力します。rdbscldirコマンドの指定方法の詳細については、“コマンドリファレンス”を参照してください。
rdbscldirコマンドの出力形式について説明します。
rdbscldirコマンドが出力する情報をもとに、ユーザロググループ用のRDBディレクトリファイルの容量拡張を行うかどうか判断します。
rdbscldirコマンドの出力形式を以下に示します。
$ rdbscldir -V -g grp1 RDBII rdbscldir DATE:2008/05/14 TIME: 16/30/31 LogGroup Status DBspace Size(Used rate) Directory file path (1) (2) (3) (4)((5)) (6) grp1 normal Exist 1024K( 23%) /dev/sfdsk/class0002/rdsk/volume0003 DBspace Information 在庫管理DB.DBSP_1 在庫管理DB.DBSP_2
(1) 登録済みロググループ名
(2) ユーザロググループ用のRDBディレクトリファイルの状態 normal : 使用可能状態 inhibit : アクセス禁止状態
(3) 当ロググループを使用しているデータベーススペースの有無 Exist : あり Not Exist : なし
(4) ユーザロググループ用のRDBディレクトリファイルとしてローデバイスに割り付けたサイズ(単位はキロバイト)
(5) ユーザロググループ用のRDBディレクトリファイルの使用率
(6) ユーザロググループ用のRDBディレクトリファイルのパス名
以下の条件の場合、ユーザロググループ用のRDBディレクトリファイルの容量不足が発生する可能性があります。
割り付けたローデバイスの全体サイズとユーザロググループ用のRDBディレクトリファイルのサイズ([4])の差が小さい場合かつ
ユーザロググループ用のRDBディレクトリファイルの使用率([5])が高い場合
ユーザロググループ用のRDBディレクトリファイルの拡張契機の見積りにより、ユーザロググループ用のRDBディレクトリファイル全体の領域が不足すると判断した場合に、容量拡張を行います。ユーザロググループ用のRDBディレクトリファイルの容量拡張は、新規に確保した容量の大きなローデバイスに現在のユーザロググループ用のRDBディレクトリファイルの内容を複写し、そのローデバイス名を運用系のRDBシステムで、rdbscldirコマンドのAオプションかつgオプションを実行して再登録をすることで行います。そのため、ユーザロググループ用のRDBディレクトリファイルの容量拡張を行う前に、新規にローデバイスを確保してください。
運用系のRDBシステムに対して、以下の手順で作業します。
(1)スタンバイ型のクラスタアプリケーション配下の業務を完全に 停止します。 (2)運用系および待機系のクラスタアプリケーションを保守停止します。 クラスタアプリケーションの保守停止手順は、 “5.6 クラスタアプリケーションの保守のための停止” を参照してください。 (3)Symfoware/RDBが正常に停止されたか確認します。 Symfoware/RDBを配置している各ノードのメッセージログファイルに、 Symfoware/RDBの停止メッセージが出力されるので、正常に停止している ことを確認します。 (4)GDSリソースを活性状態にします。 GDSリソースの活性手順は、“3.4.1 GDSリソースの活性” を参照してください。 (5)ユーザロググループ用のRDBディレクトリファイル の退避データを取得します。 ―――― ddコマンド (容量拡張前のユーザロググループ用のRDBディレクトリ ファイルのローデバイスをddコマンドでバックアップします。) (6)ユーザロググループ用のRDBディレクトリファイルを 容量拡張先にリカバリします。 ―――― ddコマンド ((4)でバックアップした退避データより容量拡張先のユーザロググループ用の RDBディレクトリファイルのローデバイスにddコマンドでリカバリします。) 正常終了 ⇒(8) 異常終了 ⇒(7) (7)異常原因を取り除きます。 ⇒(6) (8)ユーザロググループ用のRDBディレクトリファイルの作成先パス名 ―――― rdbscldirコマンド として、容量拡張先のローデバイスを再登録します。 (Aオプションかつ gオプション) (9)正しく再登録されたか確認します。 ―――― rdbscldirコマンド (Vオプションかつ gオプション) (10)Symfoware/RDBを起動します。(動作確認) ―――― rdbstartコマンド (11)Symfoware/RDBを停止します。(動作確認) ―――― rdbstopコマンド (12)GDSリソースを非活性状態にします。 GDSリソースの非活性手順は、“3.4.15 GDSリソースの非活性” を参照してください。 (13)運用系および待機系のクラスタアプリケーションの保守停止を 解除します。クラスタアプリケーションの保守停止解除の手順は、 “5.7 クラスタアプリケーションの保守停止のための解除” を参照してください。 (14)業務を再開します。