一括設定では、事前に作成した構成定義ファイルを読み込むことで、多数のサーバから構成されるシステムを簡単に構築、変更できる機能です。複数の定義を一度にまとめて行うことができるので、個別の設定操作によるオペレーションミスを防止できます。
一括設定は以下の場面で使用できます。
新規導入
本製品の運用上に必要な値を構成定義ファイルとして、オフィスなどのオフサイト環境で作成します。作成した構成定義ファイルをマシンルームなどの実機環境に搬送し、RORコンソールから読み込むこと(以降、インポート)で、多数のサーバの新規導入設定を一括で行います。
構成定義のバックアップ
RORコンソールから構成定義ファイルに出力(以降、エクスポート)し、現在運用中のシステム定義を保存します。
設定の一括変更
RORコンソールから構成定義ファイルをエクスポートし、変更したい項目を修正したあと、再度インポートすることで設定変更を一括で行います。
構成定義の流用
1つの環境で使用した構成定義ファイルを流用することで、複数のシステムを簡単に設計できます。
図12.1 一括設定の運用例
インポート、エクスポートできる構成定義ファイルはCSV形式です。構成定義ファイル形式については、「付録B 一括設定用の構成定義ファイル(CSV形式)」を参照してください。
本製品はCSV形式のサンプルを提供しています。また、ServerView Resource Orchestrator WebサイトではExcelのテンプレート(以降、構成定義テンプレート)を公開しています。構成定義テンプレートを利用することで、CSV形式の構成定義ファイルを簡単に作成できます。
構成定義テンプレートからCSVファイルを読み込む、またはRORコンソールから構成定義ファイルをインポートする場合
「B.2 ファイル形式」に記載している形式の構成定義ファイルを使用します。
構成定義テンプレートからCSV形式でファイルを保存、またはRORコンソールから構成定義ファイルをエクスポートした場合
「B.2 ファイル形式」に記載している最新のバージョンが記述された形式で出力されます。
一括設定では、以下に記載されているRORコンソールと同じ操作ができます。
登録
「7.7 電力監視デバイスの登録」 (注1)
「7.4.3 HBA address renameの設定」 (注2)
「導入ガイド VE」の「第8章 監視情報の設定」
変更
「8.1 管理IPアドレスの変更」 (注3)
「9.1.3 管理IPアドレスの変更」 (注3)
注1) 電力データを採取するためのオプション設定は、RORコンソールから設定を行ってください。
注2) 一括設定で設定を行う場合、インポートしたあとに該当する管理対象サーバを再起動してください。
注3) RORコンソールの操作部分だけが一括設定で対応できます。
また、「第6章 ブレードビューア」と「6.5.1 ラベルとコメントの一覧・登録・編集」に記載されているブレードビューアと同じ操作ができます。
注意
一括設定では、以下の操作はできないため、RORコンソールで行ってください。
登録されたリソースの削除
登録されたシャーシ名、PRIMERGY BXシリーズ以外の物理サーバ名、電力監視デバイス名の変更
登録された管理LANサブネットの削除
LANスイッチの探索、登録、削除、基本情報の変更
LANスイッチからの結線情報の取得
VIOM連携の削除
SNMPトラップ送信先の登録、削除
ETERNUS SF Storage Cruiser連携によるWWN情報の設定、変更
一括設定では、以下の操作はできないため、コマンドで行ってください。
ETERNUS SF Storage Cruiser連携の登録、削除
インポート時に指定する構成定義ファイルでは、登録または変更するリソース数の合計を200以内にしてください。
200を超える数のリソースを登録または変更する場合、構成定義ファイルを複数に分けてインポート処理を行ってください。
ServerView Deployment Managerとマネージャーが管理LAN上で共存する場合、以下の定義は行えません。ServerView Deployment Managerの共存については、「導入ガイド VE」の「付録B ServerView Deployment Managerとの共存」を参照してください。
予備サーバの設定(バックアップ・リストア方式またはHBA address rename方式)
HBA address renameの設定