ISIは、以下のサービス連携のための接続方式に対応しています。
RMI (*1)
JMS (*1)
JMS-R (*1)
*1:サービス利用側アプリケーションとして、カスタムアダプタを作成する必要があります。
ISIではSOAPやCORBAなどの標準技術を使用したサービス連携の他に、ファイル・FTP(ファイル転送)を使用したサービス連携が可能です。
次の図は標準技術を利用したサービス連携のイメージです。
図2.1 標準技術を利用したサービス連携
次の図はファイル・FTP(ファイル転送)を利用したサービス連携のイメージです。
図2.2 ファイル・FTP(ファイル転送)を利用したサービス連携
SOAP
SOAPのメッセージング機能は、SOAPアダプタを使用してSOAPメッセージの送受信を行う機能です。
サービス利用側アプリケーションからのメッセージをISIが受信する場合と、ISIからサービス提供側(Webサービス)を呼び出す場合に利用します。
SOAPのメッセージング機能(SOAPアダプタ)の主な特長は、以下のとおりです。
同期通信・非同期通信が可能
ISIがWebサービスとして、サービス利用側アプリケーションからのSOAPメッセージを受信
SOAPメッセージの受信にはSOAPアダプタを使用
サービス利用側アプリケーションは、一般的なWebサービスクライアントでSOAPメッセージを作成してISIに送信することで、ISIが接続しているサービスを利用可能
サービス利用側アプリケーションから受信したSOAPメッセージの要素内容をもとに、ISIでの処理内容、およびサービスのあて先を動的に変更可能
Basic認証、SSL認証(サーバ認証、クライアント認証)を利用可能(Interstage Application Serverの認証機能を使用)
プロトコルにはHTTP/Sを使用
添付ファイルの送受信が可能
SOAPメッセージの文字コードは“UTF-8”を利用可能
同期通信・非同期通信が可能
ISIは、サービス提供側(Webサービス)を呼出し、SOAPメッセージを送信(SOAPクライアントとして動作)
SOAPメッセージはISIで加工せず、サービス利用側アプリケーションから受信したメッセージをそのままサービス提供側へ送信することが可能(SOAP中継)
送信知るSOAPメッセージの要素内容をもとに、ISIから呼び出すWebサービスのあて先を動的に変更可能
Proxyを利用可能
Basic認証、SSL認証(サーバ認証、クライアント認証)を利用可能(Interstage Application Serverの認証機能を使用)
プロトコルにはHTTP/Sを使用
添付ファイルの送受信が可能
SOAPメッセージの文字コードは“UTF-8”を利用可能
注意
以下は未サポートです。
SMIME形式(SOAP電子署名とは異なるMIME形式の電子署名)のSOAPメッセージ
Interstage Application Server以外のSOAPエンジン
送達保証
文字コードが“UTF-8”以外のSOAPメッセージ
ポイント
SOAPのメッセージング機能を利用した場合、SOAPメッセージ(ルート要素 soap:Envelope)全体が共通メッセージのペイロードに格納されます。
共通メッセージのペイロードに格納されたXMLデータを操作したい場合、SOAPメッセージを意識したXPathの指定が必要です。
例:/soap:Envelope/soap:Body/ResponseData/name/text()
また、SOAP Operation機能を使用して共通メッセージのペイロードに格納されているSOAPメッセージからSOAPボディ(soap:Body)の子要素(例:ResponseData)を取得することで、SOAPメッセージを意識せずにXMLデータの操作が可能になります。
CORBA
CORBAのメッセージング機能は、CORBAアダプタを使用してCORBAアプリケーションとの同期通信を行う機能です。
サービス利用側アプリケーション(CORBAクライアントアプリケーション)からのメッセージをISIが受信する場合と、ISIからCORBAで作成されたサービス提供側アプリケーション(CORBAサーバアプリケーション)を呼び出す場合に利用します。
CORBAのメッセージング機能(CORBAアダプタ)の主な特長は、以下のとおりです。
同期通信(RequestResponse方式)が可能
ISIがCORBAサーバとして、サービス利用側アプリケーションからのメッセージの受信が可能
メッセージの受信にはCORBAアダプタを使用
サービス利用側アプリケーションからのメッセージの内容をもとに、ルーティング機能を利用して、ISIでの処理内容、およびサービスのあて先を動的に変更可能
サービス利用側アプリケーションからCORBAのサービスエンドポイント名を指定して、あて先を指定することも可能
受信したメッセージをそのまま共通メッセージのペイロードに格納
言語に依存しないアプリケーションの作成が可能
同期通信(RequestResponse方式、Oneway方式)が可能
ISIからサービス提供側アプリケーションとしてCORBAサーバの呼出しが可能
共通メッセージのペイロードをバイナリデータ(sequence<octet>)として、CORBAサーバへ送信
RequestResponse方式の場合は、CORBAサーバからの処理結果を共通メッセージのペイロードに格納
言語に依存しないアプリケーションの呼出しが可能
ファイル・FTP(ファイル転送)
ファイル転送は、ファイルアダプタとして提供しているファイル監視アダプタを利用してファイルを受信する機能と、FTP送信コマンドによるファイルを送信する機能を指します。
サービス利用側アプリケーションからISIを使用する場合、およびISIからサービス提供側を呼び出す場合に利用します。
ファイル転送の主な特長は、以下のとおりです。
非同期通信が可能
ファイルを受信するにはOSのFTP機能を使用
ファイルを受信すると自動でISIのシーケンスを実行
受信ファイルの監視にはファイル監視アダプタを使用
受信ファイルのデータはキューに格納し、ほかの非同期通信と同様に動作
受信ファイルを分割可能(サイズ指定、改行コード)
受信ファイルの監視方法を“時間監視”、“完了ファイル監視”から選択可能
監視する受信ファイル名をワイルドカードで指定可能
メモリに展開できないサイズのファイルについて、ファイルベースでISIのシーケンスを実行可能
非同期通信が可能
送信時は、FTP送信用のキューから送信ファイルのデータを取り出して送信
送信時には、キュー内のファイルを集約(ファイル連結)可能
完了ファイルの送信による完了通知が可能
送信時に、送信ファイル名に可変値を埋込むことが可能
ファイルベースで処理されたメッセージをFTP送信可能
DB(データベース連携)
データベース連携は、ISIのシーケンスからDBアダプタを利用して業務で利用するデータベースからデータの抽出や登録を行う機能です。
データベース連携の主な特長は、以下のとおりです。
同期通信・非同期通信が可能
JDBCを利用したデータベース管理システム(DBMS)への接続
SQL文の実行によるレコードの更新や検索
ストアドプロシージャの実行による高度なデータベース処理が可能
データベース連携では以下のDBMSとの接続をサポートしています。
Oracle 11g
SQL Server 2005, 2008
Symfoware Server V9, V10
MQ(MQ連携)
MQ連携は、MQアダプタを利用してIBMのWebSphere MQ のMQシステムと連携するための機能です。
MQアダプタは、ISIサーバの運用環境に設置されたWebSphere MQのキューに対してメッセージを送受信します。その際、Oneway方式でのメッセージ送受信だけではなく、RequestResponse方式の双方向での通信が可能です。
図2.3 MQ連携構成(Oneway方式)
図2.4 MQ連携構成(RequestResponse方式)
MQ連携の主な特長は、以下のとおりです。
WebSphere MQのキューから受信したメッセージを、ISIのシーケンスで同期処理
受信したメッセージの内容をもとに、ルーティング機能を利用して、ISIでの処理内容、およびサービスのあて先を動的に変更可能
インバウンドのMQアダプタは、プロセス多重度1、スレッド多重度1での動作による順番保証
MQメッセージのMQMDのフィールドをISIの共通メッセージのヘッダにマッピング可能
ISIのシーケンスから同期サービス呼出しを使用し、WebSphere MQのキューへメッセージ送信(Oneway方式、RequestResponse方式)
ルーティング機能により送信先を動的に変更可能
ISIの共通メッセージのヘッダをMQメッセージのMQMDのフィールドにマッピング可能
ポイント
WebSphere MQと連携する場合、同一マシン内にWebSphere MQをインストールしてください。
MQ連携が可能なWebSphere MQのバージョンについては、“ISI導入ガイド”の“ソフトウェア環境”を参照してください。
ISIがインストール済みのサーバマシンにWebSphere MQをインストールする場合、WebSphere MQのインストール後にISIを再起動してください。
ISIの起動・停止は、“ISI 運用ガイド”の“起動”および“停止”を参照してください。
III連携
IIIと連携し、IIIのデータ収集、データ配付機能を利用する機能です。IIIが持つ多彩なデータ収集、配付機能を利用することで、大量データを一括処理する業務(バッチ業務)と連携したシステムを容易に実現できます。
III連携の主な特長は、以下のとおりです。IIIの機能の詳細についてはIIIのマニュアルを参照してください。
同期通信が可能
IIIの持つデータ収集機能(ファイル転送機能・DB抽出機能など)を利用して収集した大量データの一括受信
同期通信が可能
ISIが処理したデータをIIIのデータボックスに蓄積し、IIIの持つデータ配付機能(ファイル転送機能・DB格納機能など)によって一括して配付
ポイント
III連携を利用したシステムを運用する場合、ISIサーバとIIIサーバを同一マシンにインストールし、セットアップする必要があります。
III連携を利用する定義を作成するには、ISIクライアントとIIIクライアントを同一マシンにインストールする必要があります。
III連携が可能なIIIのバージョンについては、“ISI導入ガイド”の“ソフトウェア環境”を参照してください。
MQD
MQDは、主としてサーバ間(ドメイン間)や既存システム間との非同期通信を行うメッセージング機能です。
サービス利用側アプリケーションからISIを利用する場合、およびISIからサービス提供側を呼び出す場合に利用します。
ISIがMQDと連携してできることは、以下のとおりです。
非同期通信が可能
サービス利用側アプリケーションからMQDのAPIを使用してMQDキューへメッセージを送信
ISIはMQDキューからメッセージ受信
ISI側のメッセージ受信にはMQD受信アダプタを使用
メッセージ蓄積機能の利用が可能
メッセージの内容をもとに、ルーティング機能を利用して、ISIでの処理内容、およびサービスのあて先を動的に変更可能
順番保証機能の利用が可能
サービスエンドポイント単位にメッセージの順番を保証
キュー単位にメッセージの順番を保証(推奨)
非同期通信が可能
ISIからMQDキューへメッセージ送信
ISIからのメッセージ送信にはMQD送信アダプタを使用
サービス提供側アプリケーションからはMQDのAPIを使用してMQDキューからメッセージを受信
順番保証機能の利用が可能
サービスエンドポイント単位にメッセージの順番を保証
キュー単位にメッセージの順番を保証(推奨)
処理結果のペイロードを指定したサイズに分割して、MQDキューに格納することが可能
ポイント
MQDの接続方式は互換機能です。ISIでサーバ間(ドメイン間)や既存システム間の非同期通信を行う場合はキュー間転送機能を使用してください。