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Interstage Information Storage 運用ガイド
Interstage

2.4.3 Linux 標準コマンドによるリストア

ここでは、前述の方法で作成したバックアップテープをリストアする手順を説明します。

リストア方法としては、以下の 2種類があります。

2.4.3.1 ファイル単位のリストア

cpio(1L) または tar(1) を使用して、バックアップテープに保存されたファイルをディスクへ戻します。


以下にテープからリストアする例を説明します。

バックアップテープは、バックアップ時に使用したコマンドを使用してリストアする必要があります。


2.4.3.2 ファイルシステム単位のリストア

dd(1) を使用して、バックアップテープに保存された各パーティションの情報をディスクへ戻します。


注意

リストア先のパーティションのサイズは、バックアップ元のパーティションのサイズと同じでなければいけません。異なる場合、dd(1) の実行は成功しますが、リストア先のパーティションを DSS ファイルシステムとして使用することはできません。


リストアを実施する前には、対象となる DSS ファイルシステムを使用するすべてのノードでファイルシステムをアンマウントしてください。


シングルパーティション構成の場合

例) シングルパーティションの場合のリストア

dd if=/dev/st0 of=/dev/disk/by-id/scsi-1FUJITSU_300000370106 bs=1024k <Enter>

マルチパーティション構成の場合

例) パーティション2つ (ファイルデータ領域追加) の場合のリストア

dd if=/dev/st0 of=/dev/disk/by-id/scsi-1FUJITSU_300000370106 bs=1024k <Enter>
dd if=/dev/st0 of=/dev/disk/by-id/scsi-1FUJITSU_300000370107 bs=1024k <Enter>

dd(1) はマルチテープボリュームをサポートしていません。分割バックアップしたテープからリストアする際には、dd(1) の bs および count パラメタは必ずバックアップ時と同じ値を指定してください。また、seek はバックアップ時の skip と同じ値を指定してください。

例) 1ギガバイト単位に分割バックアップされたパーティションのリストア

dd if=/dev/st0 of=/dev/disk/by-id/scsi-1FUJITSU_300000370106 bs=1024k count=1024 <Enter>
  (テープを交換します)
dd if=/dev/st0 of=/dev/disk/by-id/scsi-1FUJITSU_300000370106 bs=1024k count=1024 seek=1024 <Enter>
  (テープを交換します)
dd if=/dev/st0 of=/dev/disk/by-id/scsi-1FUJITSU_300000370106 bs=1024k count=1024 seek=2048 <Enter>
  (テープを交換します)
dd if=/dev/st0 of=/dev/disk/by-id/scsi-1FUJITSU_300000370106 bs=1024k count=1024 seek=3072 <Enter>
   ...

2.4.3.3 リストア後の設定方法

リストア後の設定方法について説明します。

パーティション情報の再設定

dd(1) コマンドを使用して、バックアップ元とは異なるパーティションへ DSS ファイルシステムをリストアした場合、媒体の内部にあるパーティション情報が実際のパーティション構成と一致しません。このため、パーティション情報を再設定する必要があります。


参考

バックアップ元とまったく同じパーティションに DSS ファイルシステムをリストアする場合は、媒体の内部にあるパーティション情報に変更はないので、この作業は必要ありません。


パーティション情報の変更は、sfcadm(8)コマンドで行います。

バックアップ元とは異なったパーティションへリストアを行う場合は、リストア先のパーティションが DSS ファイルシステムで使用可能な状態かどうかによって方法が異なります。以下にそれぞれの場合の方法を示します。

なお、リストア先のファイルシステムの作成状況は、sfcinfo(8)で確認できます。


参照

sfcinfo(8)およびsfcadm(8)の詳細については、“コマンドリファレンス”を参照してください。


注意

バックアップ時とリストア後とでファイルシステムの共用ノード範囲が変わる場合は、共用ノード範囲の変更も必要です。


ファイルシステム構成情報ファイルの作成

パーティション情報の再設定後、ファイルシステムの構成情報ファイルを作成し、生成されたファイルをすべての DSS クライアントに配付する必要があります。その後、DSS サーバに接続を許可する DSS クライアントのホスト名を登録します。


参照

ファイルシステムの構成情報ファイルの作成と配付については、“導入ガイド”の“ファイルシステム構成情報の配付”を参照してください。

DSSクライアントのホスト名の登録については、“導入ガイド”の“DSSクライアント情報の登録”を参照してください。


ファイルシステムの修復

マウント状態のファイルシステムをファイルシステム単位でバックアップを行った場合、バックアップの途中でファイルアクセスが発生し、バックアップ内容に不整合が発生する可能性があります。


この状態を修復するには、システム管理者が sfcfsck(8)でファイルシステムの整合性チェック、および修復を実施する必要があります。


ファイルシステム修復の例を以下に示します。代表パーティションは /dev/disk/by-id/scsi-1FUJITSU_300000370106 です。すべてのノードからマウントされていないことを確認した後に行ってください。

sfcfsck -y /dev/disk/by-id/scsi-1FUJITSU_300000370106 <Enter>

参照

sfcfsck(8)の詳細については、“コマンドリファレンス”を参照してください。