Interstage Business Application Serverは、以下の特徴を持っています。
安全なシステムを短期に開発
アプリケーションは、制御ロジックと業務ロジックに大別できます。制御ロジックとは、アプリケーションの実行制御、トランザクションの管理、データベースのアクセス制御など処理形態に依存しない共通制御、およびオンライン通信におけるクライアントとサーバのプログラムで異なる言語を利用している場合のデータ変換処理や非同期通信におけるキュー制御など処理形態ごとの固有制御に分類され、アプリケーション間の連携や資源管理を行うためのプログラムを意味します。また、業務ロジックとは、顧客情報や注文内容をデータベースに反映するなど業務に特化した制御を行うプログラムを意味します。
アプリケーション連携実行基盤では、業務アプリケーションを効率よく開発するために業務ロジックの開発作法を規定しています。また、制御ロジックと業務ロジックを分離して開発し、複数アプリケーションを連携するための機能やメッセージの整合性を保証するための制御ロジックを実行環境として提供することで、アプリケーションの生産性を向上し、信頼性のあるシステムを短期に開発することができます。
柔軟性、拡張性を持ったシステムの開発
企業を取り巻く市場や需要の急激な変化や多様な顧客ニーズに即応するためには、柔軟性および拡張性の高いシステムを構築する必要があります。本製品では、制御ロジックと分離した業務ロジックの構造を規定し、プラットフォーム、ミドルウェアおよびオンライン形態(同期処理/ディレイド処理)に依存しない業務部品として汎用性および再利用性を高め、また、異なる開発言語(COBOL、C言語またはJava)でも、同じ設計方法で業務ロジックの開発を可能としています。
また、オンラインの同期処理に対しては、クライアントとサーバのアプリケーション間の文字コード変換やデータ型変換機能を提供し、異なる言語でのクライアントとサーバのアプリケーションの開発を容易にしています。
ディレイド処理に対しては、業務アプリケーションの呼び出し順序、受け渡すメッセージ、および異常が発生した場合のシーケンスを定義するフロー定義ツールを提供し、業務ロジックの柔軟な組み合わせにより新サービスを簡単に構築することを可能としています。
システム運用のコスト低減
オープンシステムは、Webサーバ、アプリケーションサーバおよびデータベースサーバの機能分担が進み、また、これらの機能をサーバに分散してシステムの構築が行われています。これにより、業務量拡大への柔軟な対応や信頼性向上のメリットがある一方で、複数サーバや業務管理の煩雑さから管理者の運用コストが増大しています。
本製品では、アプリケーションの呼び出しから応答までの時間、パラメタおよびエラー内容などの稼働状況を利用者の識別情報を自動的に付加して各サーバ単位に出力する標準ログ機能を提供することにより、出力したログを、Systemwalker Service Quality Coordinatorを含めた各種のツールを使って容易に分析が可能になりました。また、課金や監査のために、アプリケーションの処理状況(ユーザログ)を記録するためのAPIを提供し、ユーザログを簡単、かつ確実に取得することが可能としています。これらの機能により、業務の可視化や性能のボトルネックの早期検出が可能となり、性能チューニングやキャパシティプランニングなどの運用コストを削減できます。