名前
odrestoresys - CORBAサービス資源ファイルのリストア・移入
形式
(1) CORBAサービス資源ファイルのリストア
odrestoresys -r [-od] [-ns] [-ir] backupdir [-M system]
(2) CORBAサービス資源ファイルの移入
odrestoresys [-u] [-h hostname -p portnum] [-irpath path] backupdir [-M system]
(3) Interstage V3環境のCORBAサービス資源ファイルのリストア
odrestoresys -r -v3 backupdir [-M system]
機能説明
odrestoresysコマンドは、odbackupsysコマンドでバックアップ・移出を行ったCORBAサービス資源ファイルのリストア・移入を行います。CORBAサービス資源ファイルには、以下の資源が含まれます。
CORBAサービス(ORB)資源
ネーミングサービス資源
ロードバランス資源
インタフェースリポジトリ資源
ロードバランス資源
“(1) CORBAサービス資源ファイルのリストア”は、同一マシン上にリストアを行う場合に使用します。CORBA資源ファイル内のホスト名およびポート番号は、変更しません。
“(2) CORBAサービス資源ファイルの移入”は、異なるマシンなどに移入を行う場合に使用します。CORBAサービス資源ファイル内のホスト名・ポート番号を変更します。
“(3) Interstage V3環境のCORBAサービス資源ファイルのリストア”は、V3以前の環境からV4以降の環境へレベルアップを行う際に、V3以前の資源をV4以降の環境へリストアを行う場合に使用します。
以下に、odrestoresysコマンドの引数を説明します。
旧バージョン互換用オプションです。本バージョンで指定すると、無効となります。
以下のCORBAサービス資源ファイルに設定されているホスト名を、hostnameで指定したホスト名に変更して、移入を行います。
configのIIOP_hostnameパラメタ
initial_hosts/inithost
initial_services/init_svc
impl.db
CosNamingディレクトリ配下のファイル
移出元のconfigのIIOP_hostnameパラメタが設定されていない場合は、configのIIOP_hostnameパラメタを設定しません。なお、configファイルのIIOP_hostnameパラメタに誤ったホスト名が設定されている場合は、他ホストから接続を受け付けることができなくなる可能性があるため、hostnameは注意して指定してください。IIOP_hostnameパラメタの詳細については“チューニングガイド”の“config”を参照してください。
以下のCORBAサービス資源ファイルに設定されているポート番号を、portnumで指定したポート番号に変更して、移入を行います。
configのIIOP_portパラメタ
initial_hosts/inithost
initial_services/init_svc
impl.db
CosNamingディレクトリ配下のファイル
インタフェースリポジトリサービス資源のデータベースをpathで指定したパスに移入を行います。
ドライブ名を含む絶対パスで指定します。制御文字(ShiftJISコードの 0x00~0x1F,0x7F)を除く文字列です。ただし、半角英文字の大文字と小文字、全角英文字の大文字と小文字は区別されません。なお、最大長は255文字です。
“/”で始まる空白文字と半角カナを除く文字列で設定します。最大長は、/usr/include/sys/param.hのMAXPATHLENの値で、終端のNULL文字を含みます。
本オプションを省略した場合は、以下のように動作します。
移入先サーバにおいて、インタフェースリポジトリサービスをローカルホスト上で運用している場合は、移入先サーバのインタフェースリポジトリサービス資源のデータベース格納位置に対して移入を行います。
移入先サーバにおいて、インタフェースリポジトリサービスをリモートホスト上で運用している場合は、移入元サーバのインタフェースリポジトリサービス資源のデータベース格納位置と同じディレクトリに対して移入を行います。この場合、移入先サーバに、移行元サーバと同じディレクトリが存在している必要があります。同じディレクトリが存在しない場合は、エラーとなります。
CORBAサービス資源の情報を変更せずに、リストアを行います。資源を復旧する場合は、通常、本オプションを指定します。
CORBAサービス(ORB)資源のリストアを行います。
ネーミングサービス資源のリストアを行います。なお、-odオプションと同時に指定されない場合は、ネーミングサービスのデータベースだけリストアを行います。
インタフェースリポジトリ資源のリストアを行います。なお、-odオプションと同時に指定されない場合は、インタフェースリポジトリのデータベースだけリストアを行います。
odbkup, irbkup, obkbkupコマンド(Interstage V3環境で提供)でバックアップを行ったInterstage V3環境のCORBAサービス資源のリストアを行います。
CORBAサービス資源の格納ディレクトリを指定します。odbackupsysコマンドで指定したディレクトリ名を指定してください。なお、-v3オプションと同時に指定された場合は、odbkup, irbkup, obfbkupコマンド(Interstage V3環境で提供)で指定したディレクトリを指定してください。
拡張システムを生成した場合に、運用の対象となるシステム名systemを指定します。本オプションを省略すると、デフォルトシステムでの運用が対象となります。
本オプションは、以下の製品で指定可能です。
Interstage Application Server Enterprise Edition
注意事項
本コマンドは、管理者権限で実行してください。
本コマンドを実行する前に、必ずInterstageを停止してください。
本コマンド実行時は、CORBAサービス資源をアクセスしないでください。
以下のコマンドは、複数を同時に実行できません。以下のいずれかのコマンドが実行中である場合は、実行中のコマンド処理が完了してから、コマンドを実行してください。
odrestoresys(本コマンド)
Interstage動作環境定義ファイルに"Corba Host Name"パラメタおよび"Corba Port Number"パラメタが設定されている場合は、資源ファイル移入の際に-h/-pオプション省略時のデフォルト値として設定値が使用されます。Interstage動作環境定義ファイルの詳細については、“運用ガイド(基本編)”の“Interstage動作環境定義ファイル”を参照してください。
SSL連携機能が設定された環境資源を移入する場合、移入処理中にメッセージod40301が出力されることがありますが、動作上問題はありません。
資源の移入を行うと、OD_set_envコマンドで設定したホスト情報がクリアされます。移入元においてOD_set_envコマンドでオブジェクトリファレンスに埋め込むホスト情報を設定していた場合、移入操作後、OD_set_envコマンドで移入先の環境用のホスト情報を設定してください。
資源移入時の以下の場合に、configファイルのIP-version値が変更されることがあります。
移入元の設定値が“v6”で、移入先がIPv6未対応システムの場合
移入元の設定値が“v6”で、ホスト名としてIPv4のIPアドレスが指定された場合
移入元の設定値が“v4”で、ホスト名としてIPv6のIPアドレスが指定された場合
移入元の設定値が“v4”で、IPv6において名前解決可能なホスト名が指定された場合
IP-version値が変更される場合は、メッセージod16272が出力されます。
資源の移入を行った場合、本コマンド実行後にissetsecuritymodeコマンドでセキュリティ権限設定を行ってください。