名前
isinit - Interstageの初期化
形式
isinit [-M システム名] [-f] [-w] TYPE1 | TYPE2 | TYPE3 | type1 | type2 | type3 [ EJB | ejb ]
isinit [-M システム名] -l
機能説明
isinitコマンドは、引数に指定された運用形態とInterstage動作環境定義で指定したサービスを初期化します。
isinitコマンドで初期化できるサービスを以下に示します。
CORBAサービス
ネーミングサービス
インタフェースリポジトリ(標準インタフェース)
インタフェースリポジトリ(valueインタフェース)
イベントサービス
コンポーネントトランザクションサービス
データベース連携サービス
ロードバランスオプション
Interstage HTTP Server (Interstage Application Server Enterprise Editionのみ)
Interstage統合コマンドによるInterstage起動およびマシンブート時のInterstage自動起動を行う場合は、本コマンドによりあらかじめInterstageを構成するサービスの初期化を行う必要があります。
各サービスの初期化時のパラメタは、Interstage動作環境定義から読み込みます。このとき、初期化するサービスで必要となる定義項目が正しく設定されている必要があります。
Interstage動作環境定義をカストマイズすることにより以下が設定できます。
インタフェースリポジトリで使用するデータベースの種類、および格納先のパス、サイズの設定。
インタフェースリポジトリで使用するデータベースの種類、および格納先のパス、サイズ、ユーザ名、グループ名の設定。
ネーミングサービス/インタフェースリポジトリの登録ホスト名、およびポート番号。
コンポーネントトランザクションサービスの動作環境を作成するディレクトリの設定。
データベース連携サービスの多重度、およびシステムログファイルのパス、トランザクション最大数の設定。
Interstage動作環境定義の記述形式については、“運用ガイド(基本編)”を参照してください。
また、初期導入を除く契機でisinitコマンドを実行する場合、以下の条件と一致するサービスの登録資源が削除されることがあります。事前に、Interstageの全資源のバックアップを行うことを推奨します。バックアップの詳細については、“運用ガイド(基本編)”を参照してください。下記以外の資源については、-fオプションを指定した場合を除き、引き継がれます。
セットアップの対象より外したサービスの資源
Interstage動作環境定義の定義項目を変更したサービス
ただし、CORBAサービス、ネーミングサービス、インタフェースリポジトリ、イベントサービス、ロードバランスオプションのいずれかの定義項目を変更した場合は、これら5つのサービスの登録済み情報とワークユニット定義が削除されます。
Interstage動作環境定義の定義項目を変更したサービス
ただし、CORBAサービス、ネーミングサービス、インタフェースリポジトリ、イベントサービスのいずれかの定義項目を変更した場合は、これら4つのサービスの登録済み情報とワークユニット定義が削除されます。
CORBAサービスを運用するホスト名
Interstageの全資源が初期化されます。
下記の資源については、-fオプション指定の有無にかかわらず、初期化は行われません。
インプリメンテーションリポジトリ(impl.db)
ポイント
インプリメンテーションリポジトリ(impl.db)を初期化する場合は、以下の手順でisinitコマンドを実行してください。
Interstageを全強制停止します。
以下のファイルを上書きコピーします(インストールディレクトリはデフォルト)。
コピー元ファイル:C:\Interstage\ODWIN\impl.db.default
コピー先ファイル:C:\Interstage\ODWIN\impl.db
コピー元ファイル:/etc/opt/FSUNod/impl.db.default
コピー先ファイル:/etc/opt/FSUNod/impl.db
コピー元ファイル:/etc/opt/FJSVod/impl.db.default
コピー先ファイル:/etc/opt/FJSVod/impl.db
-fオプションを指定して、isinitコマンドを実行します。
このとき、エラーメッセージod15005、エラーメッセージod15009が出力される場合がありますが、問題ありません。
isinitコマンドのオプションおよび引数を以下に説明します。
対象のシステム名を指定します。
本オプションを省略すると、デフォルトシステムが対象となります。
現在の運用形態を表示します。
以前にisinitコマンドによりInterstageの初期化処理が完了している場合にだけ有効なオプションです。本オプションが指定された場合、Interstageの初期化処理は行いません。
強制初期化モードです。
運用形態とInterstage動作環境定義で指定されたすべてのサービスについて、登録済み情報を初期化します。これにより、初期化前に登録されていたデータ(登録済みのワークユニット定義情報、オブジェクトリファレンスなど)は、すべて削除されます。
Interstageのクラスタサービス機能を使用する場合にだけ有効なオプションです。
待機系ノードの初期化を行う場合に指定します。
運用形態に“type2”を指定する場合は、データベース連携サービスのシステムログファイルがInterstage動作環境定義の“OTS path for system log”で指定するディレクトリ配下に、存在する必要があります。
CORBAサービス、ネーミングサービス、インタフェースリポジトリ、コンポーネントトランザクションサービスから構成される運用形態です。
CORBAサービス、ネーミングサービス、インタフェースリポジトリ、コンポーネントトランザクションサービス、データベース連携サービスから構成される運用形態です。
CORBAサービス、コンポーネントトランザクションサービスから構成される運用形態です。
EJBサービスを使用する場合に指定します。
運用形態が“TYPE3(type3)”の場合は、ローカルホストのインタフェースリポジトリを使用する場合に指定できます。Interstage動作環境定義に、インタフェースリポジトリをローカルホストで使用するように登録してください。
注意事項
本コマンドは、管理者権限だけが実行可能です。
isinitコマンドを使用してInterstageの初期化を行う場合、Interstageの初期化完了後、Interstageが停止状態のまま下記のサービスを再起動してください。再起動操作を行わなかった場合、以降のInterstage管理コンソールによる操作でエラーが発生することがあります。
Interstage Operation Toolサービス
Interstage JServlet(OperationManagement)サービス
Interstage管理コンソール用Servletサービス
本コマンドは、多重に実行できません。
以下の場合、本コマンドは実行できません。
Interstageの各サービスが動作中の場合
isgendef、isregistdef、isstart、isstop、またはisstatコマンドが実行中の場合
本コマンドを実行する場合、inithostファイルに指定されているインタフェースリポジトリサービスおよびネーミングサービスのホスト名をコメントまたは削除してください。なお、inithostファイルで他のホストを設定する場合は、本コマンドの実行後に設定してください。
すでに作成済みのIJServerでSSLを使用している場合は、本コマンドの発行前に、SSLを使用しているJServerに対し、以下のいずれかの対処を行ってください。なお、isj2eeadminコマンドを使用して、操作することもできます。
Interstage管理コンソールの[システム] > [ワークユニット] > [IJServer名]の[環境設定]タブで、SSLを使用しないように設定する。
Interstage管理コンソールの[システム] > [ワークユニット]の[状態]タブで、IJServerを削除する。
トランザクションサービス(OTS)を使用する場合、基本的に、Interstage管理コンソールとInterstage統合コマンドを併用しないでください。
これらの機能を併用する場合は、以下の点に注意してください。
Interstage管理コンソールでOTSを使用する設定を行った環境に対し、Interstage統合コマンドで初期化操作を行う場合は、事前に、Interstage管理コンソールでOTSを使用しない設定に変更してから実行してください。
Interstage統合コマンドで運用形態TYPE2で初期化を行った環境に対し、Interstage管理コンソールでチューニングを行う場合は、事前に、Interstage統合コマンドで運用形態TYPE1でセットアップしてから実行してください。
本コマンドによりネーミングサービスの初期化を行った場合、ネーミングサービスは、ネーミングサービスの拡張機能を使用する設定となります。V2.1以前のInterstageで作成したアプリケーションを運用する場合、ネーミングサービスの拡張機能を使用しない設定とする必要があるため、その場合、nsconfigファイルをカストマイズし、ネーミングサービスの拡張機能を使用しない設定としてください。nsconfigファイルの詳細については、“チューニングガイド”を参照してください。
本コマンドによりネーミングサービスの初期化を行った場合、ネーミングサービスは、ネーミングサービスの拡張機能を使用する設定となります。
本コマンドを使用する場合、Interstage統合コマンドにより初期化済みのサービスに対して、以下のコマンドを実行しないでください。
otssetup
otsmklog
otsstart
otsstop
essetup
esunsetup
esstart
esstop
odsetlbo
odstartlbo
odstoplbo
tdsetup
tdunsetup
tdstart
tdstop
odadmin
S99startod
CosNaming_s
InterfaceRep_Cache_s
InterfaceRep_Cache_e
OD_stop
apachectl
本コマンドを使用する場合は、コントロールパネルのサービス、またはnet start/net stopコマンドを使用して、以下のサービスの起動・停止を実行しないでください。ただし、下記(*)のコマンドについては、Interstage動作環境定義の稼働状態監視モードに“mode2”(IS Monitor Mode= mode2)を指定して初期化している場合、実行できます。
CORBAサービス(OD_start)
ネーミングサービス(Naming Service)
インタフェースリポジトリ(InterfaceRep_Cache Service)
インタフェースリポジトリ(InterfaceRep_Cache_e Service)
イベントサービス(EventService)
コンポーネントトランザクションサービス(TransactionDirector)
データベース連携サービス(ObjectTransactionService)
Interstage APIサービス(INTERSTAGE API)
Interstage HTTP Server (*)
ロードバランスオプション(NS LoadBalancingOption)
イベントサービスを使用する場合に、esmkchnlコマンドによりイベントチャネルを作成後、Interstageの初期化を行う際は、初期化前にesrmchnlコマンドにより、作成済みのイベントチャネルを削除してください。esrmchnlコマンドの詳細については、“10.7 esrmchnl”を参照してください。
本コマンド実行時、インタフェースリポジトリのユーザ名、インタフェースリポジトリのグループ名は以下のように設定しています。
ユーザ名:root
グループ名:sys
本コマンドによりインタフェースリポジトリの環境設定を行う場合は、ユーザ“root”がグループ“sys”に登録されている必要があります。この登録がない場合、以下のメッセージを出力してInterstageの初期化が失敗します。ユーザ“root”がグループ“sys”に登録されていることを確認してください。
ユーザ“root”が存在しない場合
Invalid settings in the environment setting file.
Invalid user-name is specified.
環境設定ファイルの内容に誤りがあります。
間違ったユーザ名が設定されました。
ユーザ“root”がグループ“sys”に登録されていない場合
Invalid settings in the environment setting file.
Invalid group-name is specified.
環境設定ファイルの内容に誤りがあります。
間違ったグループ名が設定されました。
マルチシステム機能を使用する場合、拡張システムではEJBサービスが使用できないため、オプションEJB/ejbを指定する必要がありません。