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Interstage Business Application ServerV10.1.0 解説書
Interstage

4.4.3 アプリケーションの負荷分散

業務処理実行アプリケーション処理性能の不足に対しては、以下の方法で負荷分散することで処理性能の向上を図ることができます。

■アプリケーション処理スレッドの多重化

サーバ構成は変更せず、該当のアプリケーションを処理するスレッドの多重度を増加させることにより、アプリケーションの処理性能を高めます。サーバの処理能力に余裕がある場合は、この方法で業務処理のスループットが向上します。以下にスレッド多重を行う場合の設定箇所を説明します。

COBOLでアプリケーションを作成する場合

業務処理開始アプリケーションおよび業務処理実行アプリケーションの多重度の設定は、システム構築シートにおいて、“ワークユニット設定とアプリケーション情報の入力”の“アプリケーション連携実行基盤動作設定”で“動作モード”に“スレッドモード”を指定し、“スレッド最大多重度”にスレッドの多重度を指定して出力されたワークユニット定義を登録または更新することで実施します。なお、多重度は、“ワークユニット定義”の“Application Programセクション”の“Thread Concurrency”でも指定できます。

◆Javaでアプリケーションを作成する場合

業務処理実行アプリケーション、およびMessage-driven Beanとして実装する業務処理開始アプリケーションの多重度の設定は、Interstage管理コンソールの以下の箇所で設定します。

ただし、業務処理実行アプリケーションとWebアプリケーションとして実装する業務処理開始アプリケーションを同一JavaVMで運用する場合の多重度の設定は、Interstage管理コンソールの以下の箇所で設定します。

注意

Servletコンテナ設定の同時処理数には、Interstage管理コンソールの[Interstage Application Server] > [システム] > [サービス] > [Webサーバ] > [環境設定]タブ > [詳細設定] > [クライアントの同時接続数]で指定した値以上の数値を設定する必要があります。

また、業務処理開始アプリケーションをMessage-driven Bean以外のEJBとして実装する場合の多重度の設定は、Interstage管理コンソールの以下の箇所で設定します。

スレッドの多重化は、必要に応じて値を設定してください。

アプリケーション処理プロセスの多重化

COBOLのアプリケーションなどの理由によりスレッド多重が利用できない場合や特定のスレッドが異常になった場合に他の処理スレッドへ影響を与えたくない場合、COBOLの業務処理実行アプリケーションの場合または業務処理開始アプリケーションでは、該当のアプリケーションを処理するプロセスの多重度を増加させることにより、アプリケーションの処理性能を高めます。なお、プロセス内のスレッドは、スレッドの多重化と併用することができます。

注意

Javaの業務処理開始アプリケーションをプロセス多重で使用する場合、ログ機能を利用することはできません。

業務処理開始アプリケーションおよび業務処理実行アプリケーションの多重度の設定は、システム構築シートにおいて、“ワークユニット設定とアプリケーション情報の入力”の“アプリケーション連携実行基盤動作設定”で“プロセス最大多重度”に多重度を指定し、出力されたワークユニット定義を登録または更新することで実施します。なお、業務処理実行アプリケーションのプロセスの多重度は、“ワークユニット定義”の“Application Programセクション”の“Concurrency”でも指定できます。
なお、業務処理開始アプリケーションの多重度の設定は、Interstage管理コンソールの以下の箇所でも設定できます。

アプリケーションごとのサーバ独立

単一のアプリケーションサーバ内で複数のアプリケーションを運用している場合、あるアプリケーションの処理コストの影響で、他のアプリケーションの処理能力が低下する可能性があります。そのような場合には、アプリケーションごとにサーバを独立させることにより、それぞれのアプリケーションの処理能力を高めることができます。

注意

アプリケーション連携実行基盤におけるアプリケーション間の連携は、キューへのメッセージ送信を利用して行われます。したがって、アプリケーションが動作するサーバが変わっても、キューが変わらなければ、ルーティング定義などを変更する必要はありません。