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Systemwalker Centric Manager 使用手引書 監視機能編(互換用)
Systemwalker

11.3.2 性能監視の動作環境を設定する

性能監視は、Systemwalker Centric Managerをインストールしただけでは動作しません。動作させるためには、ポリシー情報を設定し、設定したポリシーを運用管理サーバ、部門管理サーバ、業務サーバに配付する必要があります。

ここでは、次の性能監視ポリシーの設定方法について説明します。

11.3.2.1 ネットワーク性能監視機能の設定

次の操作により、ネットワーク性能監視の環境を設定します。なお、性能監視の監視項目および各監視項目のMIB計算式については、“Systemwalker Centric Manager リファレンスマニュアル”を参照してください。

ネットワーク性能の初期値は以下のとおりです。

  1. [Systemwalkerコンソール]の[ポリシー]メニューから[ポリシーの定義]-[ネットワークの性能]-[全体]を選択します。

    →[性能監視-全体設定(ネットワーク性能)]ダイアログボックスが表示されます。

  2. [性能監視機能]コンボボックスから[On]を選択します。

  3. ノードの種別を設定後、[更新]ボタンをクリックします。

  4. [性能監視(ネットワーク性能ポリシー)]のダイアログボックスが表示されますので、[監視対象一覧]ボタンをクリックして監視対象のノードを確認してください。

[性能監視-全体設定(ネットワーク性能)]ダイアログボックスでは、種別が運用管理サーバ、部門管理サーバ、業務サーバ、ルータであるノードだけを監視対象に設定できます。それ以外のノードをノード単位で監視対象にする場合は、以下の方法で設定してください。

  1. [Systemwalker コンソール]の[監視マップ]または[監視リスト]で、監視設定を行うノードを選択します。

  2. [Systemwalkerコンソール]の[ポリシー]メニューから[ポリシーの定義]-[ネットワークの性能]-[ノード]を選択します。

    →[性能監視-ノード設定(ネットワーク性能)]ダイアログボックスが表示されます。

  3. [監視対象]コンボボックスから[On]を選択します。

  4. ノード属性を設定後、[OK]ボタンをクリックします。

  5. [性能監視(ネットワーク性能ポリシー)]のダイアログボックスが表示されますので、[監視対象一覧]ボタンをクリックして監視対象のノードを確認してください。

注意

[監視対象]は、[性能監視-全体設定(ネットワーク性能)]ダイアログボックスを表示した時点で[性能監視機能]コンボボックスで[Off]が選択されている場合に、[On]を選択する場合にだけ設定が可能です。再設定を行う場合には、次の操作を行います。

  1. [性能監視機能]コンボボックスから[Off]を選択します。

  2. [更新]ボタンをクリックします。

  3. 再度、[性能監視-全体設定]ダイアログボックスを起動します。

  4. [性能監視機能]コンボボックスから[On]を選択します。

  5. [監視対象]を変更します。

ネットワーク性能監視の監視設定時の注意点

ネットワーク性能監視の監視対象とするには、SNMPエージェントを実装し、SNMPのインタフェース情報が採取できる必要があります。該当ノードのSNMPエージェントを実装した上でノード検出を実施後、[性能監視 - ノード設定]ウィンドウにおいて監視対象の設定を行います。SNMPの情報が設定されていないインタフェース情報は、[性能監視 - インタフェース設定]ウィンドウで監視対象から外します。

[回線使用率]、[セグメント使用率]を収集するためには、[ノードプロパティ]-[ネットワーク]タブの[ifSpeed]に適切な値が設定されている必要があります。

WANインタフェースの場合は、回線が接続されている状態により回線速度が変化するため、ノード検出時の回線速度と現在の回線速度が異なる場合があります。適切な値を設定するためには、ノード検出を行うか、または、[性能監視 - インタフェース設定]ウィンドウで適切な値を設定します。

ポイント

ネットワーク性能の動作環境は以下のように設定されています。

項目

入力値

初期値

[構成情報とポリシーの同期・配付]

なし/同期のみ/同期・配付

なし

[ヒストリ表示時間範囲]

1~24時間

1時間

[性能情報ファイル最大保持数]

1~200

31

[性能情報収集間隔]

5/10/30/60/120分

60分

[性能情報採取ポーリング間隔]

1/2/5/10/20分
性能情報収集間隔を割り切れる値

2分

[ログ蓄積ファイル最大保持数]

[ログ蓄積ファイル切替え単位が「日」の場合]
2~365
[ログ蓄積ファイル切替え単位が「月」の場合]
2~31

31

[ログ蓄積ファイル切替え単位]

月/日

[ログ蓄積ファイル切替え日]

1~31日

1日

[イベント通知]

ON/OFF

OFF

[イベント自動対処]

ON/OFF

OFF

[CPU使用率(0.01%)]

0~10000

9500

[ページフォルト数]

0~10000

1000

[DISKビジー率(0.01%)]

0~10000

9500

項目
(
サービスレベル基準値)

入力値

初期値

回線種別

Ethernet

FDDI

WAN

その他

[回線使用率]

1~100

30

70

84

84

[破棄パケット率]

1

1

1

1

[エラーパケット率]

1

1

1

1

[セグメント使用率]

30

70

84

84

[コリジョン発生率]

25

25

25

25

詳細は“Systemwalker Centric Manager オンラインヘルプ”の“性能監視 - 全体詳細設定(ネットワーク性能)[サーバ性能]”および“性能監視 - 全体詳細設定(ネットワーク性能)[トラフィック]”を参照してください。

しきい値超え検出時の動作について

取得した性能情報が設定したしきい値を超えている場合、しきい値超えのアラームが通知されます。

ただし、しきい値超え状態が継続している場合、しきい値超えのアラームが通知されるのは、最初にしきい値を超えたときだけです。いったんしきい値超えの状態が復旧するまで、次のアラームは通知されません。

しきい値超え発生時のエラーメッセージについては、“Systemwalker Centric Manager メッセージ説明書”を参照してください。

ネットワーク性能監視の監視対象ノードの構成情報を更新する

ネットワーク性能監視の監視対象ノードの構成情報を更新した場合、Systemwalker Centric Managerが保持しているノード構成情報を最新の状態に更新し、ポリシーを再作成し、配付する必要があります。

ノード構成情報を最新の状態に更新するには、以下のどちらかを実施してください。

ノードの構成情報が変更される作業として、以下が考えられます。

性能監視で保持している情報と[監視マップ/リスト]の整合性を合わせる

以下の場合は、性能監視で保持している情報と[監視マップ/リスト]の整合性を合わせるために、再度、ネットワーク性能監視のポリシー作成・配付を行う必要があります。

なお、[構成情報とポリシーの同期・配付]の設定で[同期・配付]を設定している場合は、ノードの削除や構成情報の変更を検知した後、ポリシーの再作成と配付は自動で行います。

11.3.2.2 サーバ性能監視機能の設定

サーバ性能監視の設定方法を説明します。また、性能情報を収集するために使用しているOSコマンド、計算式、およびCPU使用率の監視方法のカスタマイズについては、“Systemwalker Centric Manager リファレンスマニュアル”を参照してください。

以下の項目について説明します。

サーバ性能監視機能のポリシーを設定する

  1. [Systemwalkerコンソール]の[ポリシー]メニューから[ポリシーの定義]-[サーバの性能]-[設定]を選択します。

    →[性能監視-ポリシー設定(サーバ性能)]ダイアログボックスが表示されます。

  2. [新規]ボタンをクリックます。

    →[性能監視-ポリシー編集(サーバ性能)]ダイアログボックスが表示されます。

  3. 任意の[ポリシー名]を設定し、[テンプレート種別]から被監視サーバのOSを選択します。

  4. [しきい値一覧]から、MIB取得するサーバ性能項目を選択し、[設定]ボタンをクリックします。

    →[性能監視-しきい値設定(サーバ性能)]ダイアログボックスが表示されます。

  5. しきい値を設定します。

    →サーバ性能情報は、ここで設定する項目の“サンプリング回数”と“サンプリング間隔”の積のタイミングで更新されます。

    例えば、MIBしきい値条件を以下のように設定する

    • サンプリング回数:3回

    • サンプリング間隔:60秒

    サーバ性能情報更新間隔:3*60=180秒

  6. [OK]ボタンをクリック(2回)します。

  7. [性能監視-ポリシー設定(サーバ性能)]ダイアログボックスで、[配付先]ボタンをクリックします。

    →[性能監視-配付先ノード選択(サーバ性能)]ダイアログボックスが表示されます。

  8. [配付するノード]に、被監視サーバを追加します。

  9. [OK]ボタンをクリック(2回)します。

    →ポリシーが作成されました。

  10. 被監視サーバにポリシーを配付、適用します。

監視を停止したサーバ性能の項目は、以下の操作では表示されません。

論理ディスク単位にしきい値監視を行う場合

ディスク使用率およびディスク空き容量を、論理ディスク単位にしきい値を変更し監視する場合、mptrfbypartコマンドを使用します。mptrfbypart(論理ディスク単位の監視定義登録コマンド)コマンドの詳細については、“Systemwalker Centric Manager リファレンスマニュアル”を参照してください。

SVMの論理パーティションを監視する場合

Solaris ZFSのディスク使用率とディスク空き容量を監視する場合

監視できるディスク空き容量の上限は、2097151MBです。ディスク空き容量が2.0TB以上の場合は、一律2097151MBとみなします。

また、Solaris ZFSは、ストレージプールに割り当てられた領域の範囲で自動的に拡張するため、ディスク空き容量の収集に使用しているdfコマンドの出力結果に大幅な増減が発生する可能性があります。そのため、以下を考慮してしきい値を設定してください。

しきい値超え検出時の動作について

しきい値超えの判定は、設定したサンプリング回数と判定基準値によって判断されます。

(例)以下の設定をします。

サンプリング回数:5回

判定基準値:3回

この場合、5回サンプリングを行い、そのうち3回以上しきい値を超えていた場合しきい値超えのアラームが通知されます。

なお、しきい値超え状態が継続している場合、しきい値超えのアラームが通知されるのは、最初にしきい値を超えたときだけです。いったんしきい値超えの状態が復旧するまで、次のアラームは通知されません。

しきい値超え発生時のエラーメッセージについては、“Systemwalker Centric Manager メッセージ説明書”を参照してください。

ポイント

Linuxサーバを被監視サーバとして使用する場合

Linuxサーバを被監視サーバとして使用する場合、LinuxサーバでバンドルされているSNMPエージェント(UCD-snmpまたはNet-snmp)が、サーバ性能監視機能のSNMP要求に対し、応答を通知するように設定しておく必要があります。

SNMPエージェントの設定方法は、“Systemwalker Centric Manager 導入手引書”を参照してください。

インストールレス型エージェントでしきい値超えを検出したときの動作について

インストールレス型エージェントでしきい値超えを検出した場合、エージェント機能をインストールした場合と比べて、以下の差異があります。

サーバ性能監視機能にて収集しているサーバ性能情報を、MIBで取得する方法

サーバ性能監視機能にて収集/監視しているサーバ性能情報は、一定期間分の情報をメモリ上に保持しているため、それらの情報をファイルに出力し、長期的なレポーティングを行うことができません。

ただし、収集したサーバ性能情報は、SNMPの拡張MIBして提供しているため、Systemwalker Centric Manager のMIB取得機能のような、SNMP MIBを取得するアプリケーションソフトを使用することで、外部からサーバ性能情報を取得することができます。

Windows 、Solaris、および V13.1.0以降の運用管理サーバからポリシー配付されたAIX、HP-UX、Linuxサーバが対象となります。

ただし、OSにより取得できない監視項目があります。取得できない監視項目に関しては、“Systemwalker Centric Manager リファレンスマニュアル”の“性能監視の監視項目一覧”を参照してください。

1. 性能監視拡張エージェントで収集する

サーバ性能情報は、Systemwalker Centric Manager 性能監視拡張エージェント(以降、拡張エージェントと呼びます)にて、定期的に収集します。

拡張エージェントは、以下のインストール種別を選択することで、標準でインストールされます。

拡張エージェントがインストールされると、自動的に以下のサーバ性能項目を収集します。

上記以外のサーバ性能項目もMIB取得する場合は、あらかじめ、サーバ性能監視機能のポリシー設定にて、取得したいサーバ性能項目の監視を選択してください。

サーバ性能監視機能のポリシー設定は、“サーバ性能監視機能のポリシーを設定する”を参照してください。

性能情報の更新

拡張エージェントはポリシーの内容に従い、サーバ性能情報を収集します。収集した性能情報は、「サンプリング回数×サンプリング間隔」ごとに更新されます。

初めて情報が取得されるのは、ポリシー適用から「サンプリング回数×サンプリング間隔」が経過してからです。しばらく時間が経過したら、「ノード詳細表示(サーバ性能)」画面にて、すべてのサーバ性能情報が収集されているか確認してください。

[ノード詳細表示(サーバ性能)]画面の起動方法は、“ノード詳表示(サーバ性能)”を参照してください。

2. MIBを取得する

1.により拡張エージェントが収集するサーバ性能情報をMIBで取得することができるようになりました。

次に、実際にサーバ性能情報を取得するための、MIB OIDを説明します。

ポイント

サーバ性能MIBを取得する間隔

サーバ性能監視では、ポリシーの「サンプリング間隔」ごとに情報を収集しています。

しかし、サーバ性能監視のしきい値判定は、「サンプリング回数×サンプリング間隔」を1サイクルとしています。そのため、MIBで取得できるサーバ性能情報は、「サンプリング間隔」ごとに収集した情報を、「サンプリング回数」で平均したものとなります。

つまり、サーバ性能MIBの情報が更新されるのは、「サンプリング回数×サンプリング間隔」ごととなります。

したがって、「サンプリング回数×サンプリング間隔」よりも短い間隔でサーバ性能MIBを取得しても、更新されないため、同じ値が取得されます。

実際にサーバ性能MIBを取得する間隔は、以下とすることが効率的となります。

サーバ性能MIB収集間隔 ≧ (サンプリング間隔×サンプリング回数)

サーバ性能監視機能のしきい値監視の種類と判定基準

しきい値の種類

サーバ性能監視機能が判定するしきい値は、以下の4種類です。

個々のサーバシステムで、それぞれの性能項目について、どのようなしきい値で上記監視を行うかどうかを指定できます。

判定基準

サーバ性能監視機能は、性能データを以下のパラメタに従い、サンプリングとしきい値超えを判定します。

しきい値超えの判定は、サンプリング回数分のデータ取得が完了したときに行われます。サンプリングしたデータ中、しきい値を超えたデータが判定基準以上の場合に、異常および警告のしきい値超えイベントが出力されます。

上記パラメタの指定により、以下のようなしきい値監視を行うことができます。

連続N回しきい値を超えた場合アラームを上げる

M回中N回しきい値を超えた場合アラームを上げる

サーバ性能監視機能は、しきい値超えイベントメッセージを一度発行すると、しきい値超え状態が復旧するまで再び発行しません。

サーバ性能監視機能では、しきい値超えが復旧したときに自動対処を行うことが可能です。