イベント監視の条件とは、システムで発生したイベントに対して、どのような処理を施すかを特定するための条件のことです。例えば、深夜に重要度の高いイベントが発生した場合は、音声通知によりオペレータに通報したり、対処方法が判明しているイベントが発生した場合は、自動対処を行うアプリケーションを起動するよう定義します。
イベント監視の条件を設定する手順について説明します。
1) 監視対象とするイベントを決定します。
Systemwalkerでは、次のイベントを監視することができます。
監視対象システムがWindows(R)の場合、イベントログ(注)(システム、アプリケーション、セキュリティ、DNS Server、Directory Service、ファイル複製サービス、ハードウェア、DFSレプリケーション、Internet Explorer、Key Management Service、Media Center、Virtual Server、Microsoft-Windows-Hyper-V-Config-Admin、Microsoft-Windows-Hyper-V-Config-Operational、Microsoft-Windows-Hyper-V-High-Availability-Admin、Microsoft-Windows-Hyper-V-Hypervisor-Admin、Microsoft-Windows-Hyper-V-Hypervisor-Operational、Microsoft-Windows-Hyper-V-Image-Management-Service-Admin、Microsoft-Windows-Hyper-V-Image-Management-Service-Operational、Microsoft-Windows-Hyper-V-Integration-Admin、Microsoft-Windows-Hyper-V-Network-Admin、Microsoft-Windows-Hyper-V-Network-Operational、Microsoft-Windows-Hyper-V-SynthNic-Admin、Microsoft-Windows-Hyper-V-SynthStor-Admin、Microsoft-Windows-Hyper-V-SynthStor-Operational、Microsoft-Windows-Hyper-V-VMMS-Admin、Microsoft-Windows-Hyper-V-Worker-Admin)に出力されるメッセージ
注)“転送されたイベントログ”に出力されたイベントは監視対象外です。
上記以外のカスタムイベントログも監視することができます。詳細は“カスタムイベントログを監視する”を参照してください。
セキュリティイベントログを監視する場合には、イベントログ監視設定ファイルでの設定が必要です。イベントログ監視設定ファイルの詳細は、“Systemwalker Centric Manager リファレンスマニュアル”を参照してください。
監視対象システムがUNIXの場合、シスログに出力されるメッセージ
アプリケーション(しきい値ポリシー、稼働ポリシー)に関するメッセージ
ネットワーク(稼働状態の監視、MIB監視、その他のSNMPトラップ)に関するメッセージ
ログファイルに出力されるメッセージ
下位システムからのメッセージ
これらのイベントを監視対象とするために、以下の3種類のイベントとして監視の条件を設定します。
イベントの種類 | 説明 | 監視対象イベント |
---|---|---|
イベントログ | イベントログに出力されるメッセージを監視します。形式は、Windowsのイベントビューアで確認できます。 |
|
ログファイル監視 | ログファイルの増分を監視します。増分がメッセージとして監視されます。形式は、“ラベル名+エラー種別+メッセージ(1行単位)”です。ログファイルを監視する場合は、監視対象とするログファイルを登録します。詳細については、“監視するログファイルを登録する”を参照してください。 |
|
監視メッセージ | システム監視で扱うメッセージを監視します。定義先システムより論理的階層が下位に位置する、システム監視エージェントより送られてくる中継メッセージです。形式は、システム監視機能のイベント監視の画面で確認できます。 |
|
2) 各イベントに対する処理方法を設定します。
監視するメッセージを特定し、各イベントに対する処理方法(アクション)を検討します。
次の項目からメッセージを特定します。
ホスト名
監視イベント種別
エラー種別
通報番号
重要度
ラベル
メッセージタイプ
メッセージテキスト
詳細については、“監視するメッセージを定義する”を参照してください。
特定したメッセージに対して実行する処理(アクション)を定義します。
メッセージ監視
ショートメール通報
メール通報
ポップアップメッセージ通報
音声通知
イベントログ出力
アプリケーション起動
リモートコマンド発行
SNMPトラップ発行
詳細については、“アクションを定義する”を参照してください。
必要に応じて、アクションを実行する条件(時間帯など)を定義します。
詳細については、“アクションの実行条件を定義する”を参照してください。
ポイント
イベント監視の条件にアクション定義を行う場合の注意事項
[イベント監視の条件定義]ウィンドウには、定義した内容が“メッセージを特定する条件”単位に一覧表示されます。定義した内容は、一覧の上から下に順番に処理されます。したがって、以下の点を考慮して、定義の順番を検討する必要があります。
[実行方法の指定]で[上位優先]を指定した場合、一覧の上から順に“メッセージを特定する条件”を比較し、初めて一致した場合にアクションを実行します。
[実行方法の指定]で[常時実行]を指定した場合は、上位行に一致した行の有無に関係なく、“メッセージを特定する条件”に一致した場合にアクションを実行します。
また、[常時実行]を指定した場合は、上位行の[メッセージ監視]アクションで設定したイベントの情報(重要度、監視イベント種別、通報番号)に変更した後の情報で、下位行のイベント定義をフィルタリングするか、変更せずに(発生したイベントのまま)フィルタリングするかを“常時実行アクションのフィルタリング方法設定ファイル”で設定することができます。
“常時実行アクションのフィルタリング方法設定ファイル”の初期設定値は、V13.4.0以前からバージョンアップした場合と新規インストールした場合で異なります。
V13.4.0以前からバージョンアップした場合 | 新規インストールした場合 | |
---|---|---|
重要度 | 上位行の[メッセージ監視]アクションで設定した内容に更新してフィルタリングします。 | 上位行の[メッセージ監視]アクションで設定した内容に更新してフィルタリングします。 |
監視イベント種別 | 上位行の[メッセージ監視]アクションで設定した内容に更新せずにフィルタリングします。 | 上位行の[メッセージ監視]アクションで設定した内容に更新してフィルタリングします。 |
通報番号 | 上位行の[メッセージ監視]アクションで設定した内容に更新せずにフィルタリングします。 | 上位行の[メッセージ監視]アクションで設定した内容に更新してフィルタリングします。 |
“常時実行アクションのフィルタリング方法設定ファイル”の詳細については、“Systemwalker Centric Manager リファレンスマニュアル”を参照してください。
なお、[メッセージ監視アクション]の場合は、必ず、[上位優先]となり、上から順に“メッセージを特定する条件”を比較し、初めて一致した場合にアクションが実行されます。以降の定義は実行されません。
3) 実行するアクションによっては、実行環境を定義します。
次のアクションを利用する場合は、アクションの実行環境(アクション環境設定)を定義します。
メール通報(E-Mail)
ショートメール通報
また、次のアクションを別のWindows(R)コンピュータで実行する場合も、実行環境を定義します。
メール通報(MS-Mail)
ショートメール通報
ポップアップメッセージ通報
音声通知
アクション環境設定の詳細については、“アクションを定義する”を参照してください。
イベント監視の条件を設定する
イベント監視の条件定義を、以下のパターンについて説明します。パターンごとに、イベント定義およびアクション定義を、どのサーバで何を定義するのかを表に示します。
業務サーバのメッセージを、運用管理サーバに直接通知して監視する
業務サーバのメッセージを、部門管理サーバを経由して運用管理サーバで監視する
運用管理サーバ自身のメッセージを監視する
運用管理サーバで受けたメッセージのアクションを、運用管理クライアントで実行する(UNIXの場合)
イベント定義のパターン | (a) | (b) | (c) | (d) | 参照先 | |
---|---|---|---|---|---|---|
業務サーバ | ログの定義 | △ | △ | × | - | |
メッセージの定義 | ○ | ○ | × | - | ||
アクション定義 | × | × | × | - | ||
部門管理サーバ | ログの定義 | × | △ | × | - | |
メッセージの定義 | × | ○ | × | - | ||
アクション定義 | × | △ | × | - | ||
運用管理サーバ | ログの定義 | × | × | △ | - | |
メッセージの定義 | ○ | ○ | ○ | ○ | ||
アクション定義 | ○ | ○ | ○ | ○ | ||
運用管理クライアント | ログの定義 | × | × | × | × | |
メッセージの定義 | × | × | × | × | ||
アクション環境 | × | × | × | ○ |
○: 設定する(必須) △: 設定する(選択) ×: 設定しない
-: 関係しない
監視するメッセージが同じであれば、運用管理サーバ、部門管理サーバ、業務サーバでのメッセージ定義は、同じ定義を設定します。
注意
Systemwalker Operation Managerと同時に運用する場合
Systemwalker Centric ManagerをSystemwalker Operation Managerと同時に運用する場合、イベント/アクションの定義やアクション環境の定義は、[システム監視設定]ダイアログボックスから[イベント監視の条件定義]ウィンドウ、または[アクション環境設定]ダイアログボックスを表示して行います。