ここでは、syslogに出力されるメッセージについて説明します。
syslogに出力されるメッセージは、主に以下のようなメッセージ形式で出力されています。
日付時刻 送信元 プロセス名[プロセスID]: [ID facility.priority] メッセージテキスト |
[出力例]
Apr 10 21:25:21 systemwalker OD_start[1198]: [ID 855564 daemon.error] UX:OD: ERROR: od10921:ObjectDirector initialization time out. |
Systemwalker Centric Managerは、syslogに出力されるメッセージを以下のような形式で表示します。本書では、Systemwalker Centric Managerのメッセージ形式と呼びます。日付、時刻、および送信元は表示しません。
プロセス名[プロセスID]: [ID facility.priority] ラベル: エラー種別: メッセージテキスト |
メッセージを出力したプロセスの名前が表示されます。メッセージによって表示されない場合があります。
送信元のUNIXが付加するメッセージID(番号)です。UNIXの種別、バージョンによって、付加されない場合があります。
syslogに出力されるメッセージに割り当てられている機能(facility)と優先度(priority)です。
インストール直後(初期設定)では、syslogに出力されるメッセージのpriorityが“warning”以上の場合、Systemwalker Centric Managerのログに格納されます。
ただし、SystemWalker/CentricMGR 5.1以前では、以下の条件でSystemWalker/CentricMGRのログに格納されます。
facilityが“kern”の場合は、すべてのメッセージ
facilityが“auth”の場合は、priorityが“notice”以上のメッセージ
facilityが上記以外の場合は、priorityが“err”以上のメッセージ
注意
イベント監視の条件定義を行う場合の注意
以下の文字列は、イベント監視の条件定義と比較する場合にメッセージから削除して比較します。そのため、これらの文字列を設定すると、正しく監視できません。削除したメッセージで条件を設定してください。
“タグ名[プロセスID]:”より前の文字列
“[ID facility.priority]”
製品を特定する文字列を、Systemwalker Centric Managerでは、ラベルと呼びます。ラベルは、エラー種別より前の文字列です。
syslogに出力されるメッセージは、以下の文字列(エラー種別)からノード、アプリケーション、またはミドルウェアの状態が表示されています。エラーのレベルを判断する文字列を、Systemwalker Centric Managerでは、エラー種別と呼びます。
Systemwalker Centric Managerでは、syslogに出力されるメッセージの以下の文字列(エラー種別)から重要度が決定されます。
重要度が“一般”の場合、Systemwalker Centric Managerの監視イベント一覧に表示されません。
syslogに出力されるメッセージの文字列(エラー種別) | 重要度 |
---|---|
HALT、Stop、停止 | 最重要 |
ERROR、Error、エラー | 重要 |
WARNING、Warning、警告 | 警告 |
INFO、Information、情報 | 一般 |
Systemwalker Centric Managerが監視対象としているノード、アプリケーション、またはミドルウェアがsyslogに出力したメッセージの本文が表示されます。
メッセージをラベル/エラー種別/メッセージテキストに分割する
イベント監視の条件定義とメッセージを比較する場合、Systemwalker Centric Managerでは、メッセージをラベル、エラー種別、メッセージテキストに分割して比較します。通常は、以下の“:”+エラー種別文字列+“:”を判定し、この文字列より前をラベル、後ろをメッセージテキストとして扱います。
ここでは、メッセージの形式により、どのように分割されるかを説明します。
メッセージが“ラベル: エラー種別: メッセージテキスト”の形式の場合
UX:Label: ERROR: system error occurred. |
“UX:Label”
エラー
“system error occurred.”
メッセージが“エラー種別: メッセージテキスト”の形式の場合
メッセージの先頭にエラー種別文字列がある場合、ラベルなしのメッセージとして扱います。
ERROR: system error occurred. |
なし
エラー
“system error occurred.”
メッセージの先頭に“:”がある場合
メッセージの先頭に“:”がある場合、ラベル/エラー種別なしとし、“:”より後ろをメッセージテキストとして扱います。
: UX:Label: ERROR: system error occurred. |
なし
なし
“UX:Label: ERROR: system error occurred.”
メッセージに“: :”が含まれる場合
メッセージに“: :”が含まれ、この文字列より前にエラー種別文字列がない場合、エラー種別をなしとし、“: :”より前をラベル、後ろをメッセージテキストとして扱います。
UX:Label: : ERROR: system error occurred. |
“UX:Label”
なし
“ERROR: system error occurred.”
上記の形式以外の場合
上記の条件に一致しない場合は、すべてメッセージテキストとして扱います。
UX:Label: Error occurred. |
エラー種別文字列に“Error”がありますが、“Error”の後ろに“:”がないため、エラー種別文字列として扱いません。
UX:Label:ERROR:system error occurred. |
エラー種別文字列に“ERROR”がありますが、“ERROR”の前に空白がないため、エラー種別文字列として扱いません。
Systemwalker Centric Managerのメッセージ形式の詳細については、“Systemwalker Centric Managerのメッセージ形式の場合”を参照してください。
syslogに出力されるメッセージの中には、上記のメッセージ形式のように出力されないメッセージもあります。この場合、すべてのメッセージに対して重要度が“重要”として監視イベント一覧に表示されます。
Systemwalker Centric Managerが認識できないメッセージ形式の詳細については、“Systemwalker Centric Managerのメッセージ形式以外の場合”を参照してください。
Systemwalker Centric Managerのメッセージ形式の場合
syslogに出力されるメッセージの文字列中(エラー種別)に“INFO”、“Information”、または“情報”以外の文字列がある場合、[Systemwalkerコンソール]の監視イベント一覧に図のように表示されます。
ここでは、以下のメッセージを例に説明します。
Apr 10 21:25:21 systemwalker OD_start[1198]: [ID 855564 daemon.error] UX:OD: ERROR: od10921:ObjectDirector initialization time out. |
syslogに出力されるメッセージの表示
メッセージの特定
[イベント定義]ダイアログボックスは、監視イベント一覧に表示されたイベントを特定する画面です。[イベント定義]ダイアログボックスから、イベント監視の条件定義を設定します。
イベントの特定方法については、“syslogに出力されるメッセージの場合”、および“監視するメッセージを定義する”を参照してください。
syslogに出力されるメッセージの特定
監視イベント一覧
Systemwalker Centric Managerが監視対象としているノード、アプリケーション、またはミドルウェアがsyslogに出力したメッセージが一覧で表示されます。
重要度/エラー種別
syslogに出力されるメッセージは、以下の文字列(エラー種別)からノード、アプリケーション、またはミドルウェアの状態が表示されています。エラーのレベルを判断する文字列を、Systemwalker Centric Managerでは、エラー種別と呼びます。
Systemwalker Centric Managerでは、syslogに出力されるメッセージの以下の文字列(エラー種別)から重要度が決定されます。
重要度が“一般”の場合、Systemwalker Centric Managerの監視イベント一覧に表示されません。
この例では、文字列中(エラー種別)に“ERROR”があるため、重要度は“重要”になります。
syslogに出力されるメッセージの文字列(エラー種別) | 重要度 |
---|---|
HALT、Stop、停止 | 最重要 |
ERROR、Error、エラー | 重要 |
WARNING、Warning、警告 | 警告 |
INFO、Information、情報 | 一般 |
注意
上記に該当しないエラー種別について
上記に該当しないエラー種別、およびエラー種別文字列がない場合、Systemwalker Centric Managerのメッセージ形式以外の扱いとなり、すべてメッセージテキストとして処理されます。また、重要度は“重要”となります。
panic、noticeなどの場合
info、error、warning、halt、stopなどすべて小文字の場合
ラベル
製品を特定する文字列を、Systemwalker Centric Managerでは、ラベルと呼びます。ラベルは、エラー種別より前の文字列です。
また、[イベント定義]ダイアログボックスでは、正規表現を使ったラベル名が表示されます。
この例では、“UX:OD”になります。
監視イベント種別
syslogに出力されるメッセージの監視イベント種別は、すべて“その他”になります。
ただし、ラベルに“unix”がある場合、またはメッセージテキストの先頭に“unix”がある場合、Systemwalker Centric Managerでは、“システム”と決定されます。
この例では、“その他”になります。
メッセージテキスト
Systemwalker Centric Managerが監視対象としているノード、アプリケーション、またはミドルウェアが出力したメッセージの本文が表示されます。
また、[イベント定義]ダイアログボックスでは、正規表現を使ったメッセージテキストが表示されます。
この例では、“od10921:ObjectDirector initialization time out.”がメッセージテキストとなります。
Systemwalker Centric Managerのメッセージ形式以外の場合
syslogに出力されるSystemwalker Centric Managerのメッセージ形式以外のメッセージは、すべて[Systemwalkerコンソール]の監視イベント一覧に図のように表示されます。
ここでは、以下のメッセージを例に説明します。
Apr 10 15:06:40 systemwalker sendmail[280]: [ID 702911 mail.alert] unable to qualify my own domain name (systemwalker) -- using short name |
syslogに出力されるメッセージの表示
[イベント定義]ダイアログボックスは、監視イベント一覧に表示されたイベントを特定する画面です。[イベント定義]ダイアログボックスから、イベント監視の条件定義を設定します。
イベントの特定方法については、“syslogに出力されるメッセージの場合”、および“監視するメッセージを定義する”を参照してください。
syslogに出力されるメッセージの特定
監視イベント一覧
Systemwalker Centric Managerが監視対象としているノード、アプリケーション、またはミドルウェアがsyslogに出力したメッセージが一覧で表示されます。
エラー種別
エラーのレベルを判断する文字列を、Systemwalker Centric Managerでは、エラー種別と呼びます。
この例では、“種別なし”になります。
重要度
重要度は、すべて“重要”になります。
ラベル
製品を特定する文字列を、Systemwalker Centric Managerでは、ラベルと呼びます。
また、[イベント定義]ダイアログボックスでは、正規表現を使ったラベル名が表示されます。
この例では、“ラベルなし”になります。
監視イベント種別
syslogに出力されるメッセージの監視イベント種別は、すべて“その他”になります。
ただし、syslogに出力されるメッセージのメッセージテキストの先頭に“unix”がある場合、Systemwalker Centric Managerでは、“システム”になります。
この例では、“その他”になります。
メッセージテキスト
Systemwalker Centric Managerが監視対象としているノード、アプリケーション、またはミドルウェアがsyslogに出力したメッセージの本文が表示されます。
また、[イベント定義]ダイアログボックスでは、正規表現を使ったメッセージテキストが表示されます。
この例では、“unable to qualify my own domain name (systemwalker) -- using short name”がメッセージテキストとなります。