以下の手順で、監視したいPRIMECLUSTER Clustering Baseの状態遷移のメッセージを特定し、イベント監視の条件定義を行います。
syslog.confまたはrsyslog.confを変更する
監視したいメッセージを特定する
エラー種別の特定
ラベルの特定
メッセージテキストの特定
表示の形式を設定する
監視イベント種別の登録
監視イベント種別の設定
重要度の設定
ここでは、以下のメッセージを例に説明します。
Apr 11 17:28:11 systemwalker : [ID 748625 daemon.notice] LOG3.010505388971080023 11 5 0 4.1 RMS (ADM, 108): NOTICE: Processing shutdown request for host systemwalkerRMS. (request originator: systemwalkerRMS) |
syslog.confまたはrsyslog.confを変更する
PRIMECLUSTER Clustering Baseの状態遷移のメッセージは、priorityが“notice”のためSystemwalker Centric Managerのログに格納されず、監視イベント一覧に表示されません。“syslog.confまたはrsyslog.confを変更する”の手順を行い、priorityが“notice”のメッセージをSystemwalker Centric Managerのログに格納します。
以下の方法で設定します。
以下のsyslog.confまたはrsyslog.confを編集し、facilityが“daemon”、priorityが“notice”のメッセージをSystemwalker Centric Managerに出力する設定を行います。
syslog.confでは、パラメタの区切りは必ずタブを使用してください。空白を記述すると、メッセージが正しくSystemwalker Centric Managerに出力されません。
[格納場所]
【Red Hat Enterprise Linux 6】
/etc/rsyslog.conf |
【Red Hat Enterprise Linux 6 以外】
/etc/syslog.conf |
[編集内容]
【Solaris】
変更前
*.warning /var/opt/FJSVsagt/fifo/slg |
変更後
*.warning;daemon.notice /var/opt/FJSVsagt/fifo/slg |
【Red Hat Enterprise Linux 6】
変更前
*.warning |/var/opt/FJSVsagt/fifo/slg;FJSVsagtTemplate |
変更後
*.warning;daemon.notice |/var/opt/FJSVsagt/fifo/slg;FJSVsagtTemplate |
【Red Hat Enterprise Linux 6 以外のLinux】
変更前
*.warning |/var/opt/FJSVsagt/fifo/slg |
変更後
*.warning;daemon.notice |/var/opt/FJSVsagt/fifo/slg |
以下のコマンドを実行し、syslogdまたはrsyslogdに対して、HUPシグナルを送り定義変更を行ったことを通知してください。
【Red Hat Enterprise Linux 6】
ps -ef | grep rsyslogd |
【Red Hat Enterprise Linux 6 以外】
ps -ef | grep syslogd |
注意
Solaris 10以降でZoneを作成している場合
Solaris 10以降でZoneを作成している場合は、定義変更を行ったZoneのsyslogdに対して、HUPシグナルを送ります。なお、ログインしているZoneのZone名は“/usr/bin/zonename”コマンドで確認できます。
ps -Zef | grep syslogd | grep `/usr/bin/zonename` |
注意
syslog.confまたはrsyslog.conf変更時の注意
priorityが“notice”のメッセージを出力する設定にした場合、本来監視する必要のないnoticeレベルのメッセージが大量に通知されてしまう可能性があります。
ここでは、PRIMECLUSTER Clustering Baseの状態遷移メッセージ(noticeレベル)以外のnoticeレベルのメッセージは、監視しないよう抑止する必要があります。
監視対象サーバのOSがSolaris 9以降の場合は、Systemwalkerテンプレートに付属しているSystemwalkerスクリプトを適用することにより、本来監視する必要のないnoticeレベルのメッセージを抑止することができます。
監視したいメッセージを特定する
正規表現
以下の項目を特定する場合、正規表現を使いメッセージを特定します。
[ラベルの特定]
[ホスト名の特定]
[監視イベント種別の特定]
[メッセージテキストの特定]
正規表現の詳細については、“正規表現の設定例”を参照してください。
正規表現 | 説明 |
---|---|
文字 | 文字を含む文字列を表します。 |
. | 任意の1文字を表します。 |
* | 直前の文字を反復することを表します。 |
^ | 文字列の先頭であることを表します。 |
$ | 文字列の末尾であることを表します。 |
[文字列] | 文字列中の任意の1文字を表します。 |
[^文字列] | 文字列以外の任意の1文字を表します。 |
[文字a-文字b] | 文字aから文字bまでの任意の1文字を表します。 |
エラー種別の特定
メッセージの[エラー種別]を指定します。
[エラー種別]による特定を行わない場合は、[特定しない]を指定ください。
[エラー種別]を特定する場合、以下の4種類のどれかを指定してください。
[停止]
[エラー]
[警告]
[情報]
被監視システムがUNIXの場合、[エラー種別]がない場合があります。このメッセージを特定する場合、[種別なし]を指定してください。
この例では、[種別なし]を指定します。
ラベルの特定
メッセージのラベルを指定します。ここでは、必ず半角で入力してください。
ラベルによる特定を行わない場合は、[特定しない]を指定してください。
ラベルが設定されていないメッセージの場合、[ラベルなし]を指定してください。
この例では、[ラベルなし]を指定します。
メッセージテキストの特定
メッセージテキストを指定します。
メッセージテキストによる特定を行わない場合は、[特定しない]を指定してください。
メッセージテキストを特定したい場合、メッセージテキストを正規表現で入力します。入力できる文字は、2048バイトまでです。
この例では、“^RMS \(ADM, 108\): NOTICE: Processing shutdown request for host systemwalkerRMS. \(request originator: systemwalkerRMS\)”を指定します。
なお、簡易イベント定義機能を使用した場合、以下のように定義することもできます。
簡易イベント定義機能については、“監視するメッセージを定義する”を参照してください。
表示の形式を設定する
PRIMECLUSTER Clustering Baseから発生したメッセージを分かりやすく表示するため、監視イベント種別を変更します。
ここでは、以下のように設定します。
変更項目 | 変更前 | 変更後 |
---|---|---|
監視イベント種別 | その他 | 制御ミドルウェア |
監視イベント種別の登録
PRIMECLUSTER Clustering Baseのメッセージの監視イベント種別は、“その他”と表示されます。
ここでは、“制御ミドルウェア”と表示させるため、[サーバ環境定義]ダイアログボックスの[詳細設定]ボタンをクリックし、[サーバ環境定義詳細]ダイアログボックスから監視イベント種別を登録する必要があります。
追加ボタンをクリックし、“制御ミドルウェア”と入力します。
監視イベント種別の設定
監視イベント種別を変更したい場合に設定します。初期設定が“その他”となっています。
この例では、PRIMECLUSTER Clustering Baseから発生したメッセージを分かりやすく表示するため、[メッセージ監視(詳細)]ダイアログボックスの[監視イベント種別]の設定で“制御ミドルウェア”を設定してください。