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ETERNUS SF Storage Cruiser 15.0/ AdvancedCopy Manager 15.0 クラスタ適用ガイド

8.6.2 カスタマイズ作業詳細

以下の手順で、管理対象サーバ業務(Storageサーバ業務)をセットアップします。

  1. アプリケーションの状態を示すコードを設定します。

    以下のファイルを開き、MonitorProgramで決められているアプリケーションの状態を示すコードを設定します。状態を示すコードは、お使いのVERITAS Cluster Serverのマニュアルで確認してください。

    ファイル名

    設定するコード

    /opt/FJSVswstf/cluster/smgr_vstart_OK

    ONLINEを示すコード

    /opt/FJSVswstf/cluster/smgr_vstop_OK

    OFFLINEを示すコード

    VERITAS Cluster Server 5.0設定例

    ファイル名

    変更前

    変更後

    /opt/FJSVswstf/cluster/smgr_vstart_OK

    exit 1

    exit 110

    /opt/FJSVswstf/cluster/smgr_vstop_OK

    exit 0

    exit 100

    ポイント

    クラスタセットアップを実施する、プライマリノードおよびセカンダリノードの全ノードに対して実施してください。

  2. プライマリノードとセカンダリノードを再起動します。

  3. 事前準備を確認します。

    設定するサービスグループについて、「7.3 項目の確認」の各項目を確認します。

  4. プライマリノードで共有ディスクをマウントします。

    AdvancedCopy Manager共有データ用の共有ディスクを、プライマリノードでマウントします。

  5. 業務を停止します。

    VERITAS Cluster Serverの機能を利用して、管理対象サーバ業務を既存のサービスグループに追加する場合、該当サービスグループを停止します。

    ユーザーサービスグループの停止方法は、『VERITAS Cluster Server User's Guide』を参照してください。

    # hagrp -offline ユーザーサービスグループ  -sys  システム名

    システム名は、ユーザーサービスグループが起動されているノード名です。

  6. ポート番号を登録します。

    事前に準備した業務用通信デーモンのポート番号を、/etc/servicesに以下のサービス名で登録します。OSのviコマンドなどを使用して/etc/servicesに登録してください。

    • 業務用通信デーモン:stgxfws_論理ノード名

    注意

    プライマリノードとすべてのセカンダリノードで、同じポート番号を登録してください。

  7. プライマリノードでクラスタセットアップコマンドを実行します。

    AdvancedCopy Manager共有データ用の共有ディスクに他のユーザーがアクセスしないようにして、プライマリノードで次のクラスタセットアップコマンドを実行します。

    入力例)

    # /opt/swstorage/bin/stgclset_hpvcs -k Primary -m /STGAGTMNT -n nodeAGT -s agent_service

    コマンドの詳細は、「20.2.6 stgclset_hpvcs(HP-UX版VERITAS Cluster Server 環境設定コマンド)」を参照してください。

  8. セットアップ対象を確認します。

    コマンドで指定した論理ノードに関する情報が表示されます。表示された内容を確認し、Enterキーを押します。

    # /opt/swstorage/bin/stgclset_hpvcs -k Primary -m /STGAGTMNT -n nodeAGT -s agent_service
    AdvancedCopy Manager settings are as follows.
            Cluster system : VERITAS Cluster Server
            Node type      : Primary
            Mount point    : /STGAGTMNT
            Node name      : nodeAGT
            Service        : agent_service
            Function       : Server
    Do you want to continue with setting of AdvancedCopy Manager cluster? [default:y]

    クラスタ環境設定処理を中断する場合は“n”、処理を継続する場合は“y”を入力するかそのままEnterキーを押します。

  9. プライマリノードのクラスタセットアップコマンドを終了します。

    クラスタセットアップコマンドの完了画面が表示されます。

    swstf8100 プライマリノードのクラスタ設定は正常に終了しました。引き続きセカンダリノードのクラスタ環境を作成してください。
    #
  10. プライマリノードで共有ディスクをアンマウントします。

    AdvancedCopy Manager共有データ用の共有ディスクを、プライマリノードでアンマウントします。

  11. セカンダリノードで共有ディスクをマウントします。

    AdvancedCopy Manager共有データ用の共有ディスクを、セカンダリノードでマウントします。

  12. セカンダリノードでクラスタセットアップコマンドを実行します。

    AdvancedCopy Manager共有データ用の共有ディスクに他のユーザーがアクセスしないようにして、セカンダリノードで次のクラスタセットアップコマンドを実行します。

    入力例)

    # /opt/swstorage/bin/stgclset_hpvcs -k Secondary -m /STGAGTMNT

    コマンドの詳細は、「20.2.6 stgclset_hpvcs(HP-UX版VERITAS Cluster Server 環境設定コマンド)」を参照してください。

  13. セットアップ対象を確認します。

    コマンドで指定した論理ノードに関する情報が表示されます。表示された内容を確認し、Enterキーを押します。

    # /opt/swstorage/bin/stgclset_hpvcs -k Secondary -m /STGAGTMNT
    AdvancedCopy Manager settings are as follows.
            Cluster system : VERITAS Cluster Server
            Node type      : Secondary
            Mount point    : /STGAGTMNT
            Node name      : nodeAGT
            Service        : agent_service
            Function       : Server
    Do you want to continue with setting of AdvancedCopy Manager cluster? [default:y]

    クラスタ環境設定処理を中断する場合は“n”、処理を継続する場合は“y”を入力するかそのままEnterキーを押します。

  14. セカンダリノードのクラスタセットアップコマンドを終了します。

    クラスタセットアップコマンドの完了画面が表示されます。

    swstf8101 セカンダリノードのクラスタ設定は正常に終了しました。
    #
  15. セカンダリノードで共有ディスクをアンマウントします。

    AdvancedCopy Manager共有データ用の共有ディスクを、セカンダリノードでアンマウントします。

  16. サービスグループの作成/登録

    VERITAS Cluster Serverの機能を利用して、ユーザーサービスグループを作成し、登録します。

    AdvancedCopy Managerのリソースとして以下のタイプを追加してください。

    • Application

      StartProgramには“/opt/FJSVswstf/cluster/clproc/vcsStart_論理ノード名”を指定してください。

      StopProgramには、“/opt/FJSVswstf/cluster/clproc/vcsStop_論理ノード名”を指定してください。

      MonitorProgramには、“/opt/FJSVswstf/cluster/clproc/vcsMoni_論理ノード名”を指定してください。

    • MountPoint

      AdvancedCopy Manager共有データ用共有ディスクを登録してください。

    • IP

      AdvancedCopy Manager用の論理IPアドレスを登録してください。すでに業務で使用している論理IPアドレスを使用する場合は、登録不要です。

    Applicationは、MountPointとIPの後にオンラインになるよう、依存関係を設定してください。

    ユーザーサービスグループおよびリソースの作成/登録方法は、『VERITAS Cluster Server User's Guide』を参照してください。

    VERITAS Cluster Serverのコマンドによるユーザーサービスグループおよびリソースの作成/登録例は以下のとおりです。本例では、ユーザーサービスグループ名を“STGMGRSRV”、運用系ノード名を“node1”、待機系ノード名を“node2”、リソース(アプリケーション)名を“AdvancedCopy_Manager_appl”とします。

    VCS定義ファイルを別名で保存します。(すべてのノードで実行してください)

    # mv  /etc/VRTSvcs/conf/config/main.cf /etc/VRTSvcs/conf/config/main.cf.bk

    VCSの設定を読込み/書込み可能な状態にします。

    # haconf -makerw

    フェイルオーバ時に使われるシステムのリストを設定します。

    すでに、ユーザーサービスグループで設定されている場合は、設定不要です。

    以下のコマンドで確認します。

    # hagrp -display STGMGRSRV -attribute SystemList
    # hagrp -display STGMGRSRV -attribute AutoStartList

    ユーザーサービスグループを新規作成します(すでに、ユーザーサービスグループで設定されている場合は、不要です)。システム優先度は運用系、待機系の順番になります。

    # hagrp -add STGMGRSRV 
    # hagrp -modify STGMGRSRV SystemList node1 0 node2 1
    # hagrp -modify STGMGRSRV AutoStartList node1 node2

    アプリケーションを登録します。

    リソース(アプリケーション)をユーザーサービスグループに登録します。

    # hares -add AdvancedCopy_Manager_appl Application STGMGRSRV

    リソースをEnableにします。

    # hares -modify AdvancedCopy_Manager_appl Enabled 1

    StartProgram, StopProgram, MonitorProgramを起動させるスーパーユーザー(root)を設定します。

    # hares -modify AdvancedCopy_Manager_appl User root

    起動用アプリケーションを設定します。論理ノード名がnodeagtの場合、起動用アプリケーションのパスは“/opt/FJSVswstf/cluster/clproc/vcsStart_nodeagt”になります。

    # hares -modify AdvancedCopy_Manager_appl StartProgram /opt/FJSVswstf/cluster/clproc/vcsStart_nodeagt

    停止用アプリケーションを設定します。論理ノード名がnodeagtの場合、停止用アプリケーションのパスは“/opt/FJSVswstf/cluster/clproc/vcsStop_nodeagt”になります。

    # hares -modify AdvancedCopy_Manager_appl StopProgram /opt/FJSVswstf/cluster/clproc/vcsStop_nodeagt

    監視用アプリケーションを設定します。論理ノード名がnodeagtの場合、監視用アプリケーションのパスは“/opt/FJSVswstf/cluster/clproc/vcsMoni_nodeagt”になります。

    # hares -modify AdvancedCopy_Manager_appl MonitorProgram /opt/FJSVswstf/cluster/clproc/vcsMoni_nodeagt

    AdvancedCopy Manager共有データ用共有ディスクのマウント情報を登録します。本例では、リソース(マウント)名を“AdvancedCopy_Manager_mount”、AdvancedCopy Manager共有データ用共有ディスクのマウントポイントを“/STGAGTMNT”とします。

    リソースをユーザーサービスグループに登録します。

    # hares -add AdvancedCopy_Manager_mount Mount STGMGRSRV

    リソースをEnableにします。

    # hares -modify AdvancedCopy_Manager_mount Enabled 1

    リソースにマウントポイントを設定します。

    # hares -modify AdvancedCopy_Manager_mount MountPoint /STGAGTMNT

    マウントするブロックデバイスを設定します。本例では、共有ディスクのブロックデバイスを“/dev/dsk/c2t0d0s4”とします。

    # hares -modify AdvancedCopy_Manager_mount BlockDevice /dev/dsk/c2t0d0s4

    共有ディスクのファイルシステムタイプを設定します。本例では、ファイルシステムタイプをvxfsとします。

    # hares -modify AdvancedCopy_Manager_mount FSType vxfs

    論理アドレスを登録します。

    すでに、ユーザーサービスグループで設定されている場合は、設定不要です。

    本例では、リソース(IPアドレス)名を“sybase_ip”とします。

    リソースをユーザーサービスグループに登録します。

    # hares -add sybase_ip IP STGMGRSRV

    リソースをEnableにします。

    # hares -modify Sybase_ip Enabled 1

    デバイスを設定します。本例では、デバイスをhme0とします。

    # hares -modify Sybase_ip  Device  hme0

    アドレスを設定します。本例では、IPアドレスを“10.10.10.10”とします。

    # hares -modify sybase_ip  Address  "10.10.10.10"

    リソースの依存関係を指定します。

    # hares -link AdvancedCopy_Manager_appl AdvancedCopy_Manager_mount
    # hares -link AdvancedCopy_Manager_appl sybase_ip

    VCSの設定を反映し、読取り専用に設定します。

    # haconf -dump -makero
  17. 業務とAdvancedCopy Managerを起動します。

    VERITAS Cluster Serverの機能を利用して、新規に作成したユーザーサービスクループまたは手順5で停止したユーザーサービスグループを起動します。

    ユーザーサービスグループの起動方法は、『VERITAS Cluster Server User's Guide』を参照してください。

    VERITAS Cluster Serverのコマンドによるユーザーサービスグループの起動例は以下のとおりです。本例では、ユーザーサービスグループ名を“STGMGRSRV”、運用系ノード名を“node1”とします。

    # hagrp -online STGMGRSRV -sys node1
  18. 環境をバックアップします。

    不測の事態に備え、AdvancedCopy Manager共有データ用共有ディスク上のデータの環境をバックアップします。
    OSのcpコマンドなどを使用して、AdvancedCopy Manager共有データ用共有ディスク上の以下のディレクトリをバックアップしてください。

    • AdvancedCopy Manager共有データ用共有ディスクのマウントポイント/etc

    • AdvancedCopy Manager共有データ用共有ディスクのマウントポイント/var

  19. 管理対象サーバ業務の環境を作成します。

    AdvancedCopy Managerでレプリケーション運用またはバックアップ/リストア運用をする環境を、管理対象サーバ業務に作成します。
    『ETERNUS SF AdvancedCopy Manager 運用ガイド(HP-UX版)』を参照して、運用形態に応じた環境を作成してください。

    注意

    管理対象サーバ業務に管理対象サーバを追加するときは、stgxfwcmaddsrv(サーバ情報追加コマンド)を使用します。
    詳細は、運用管理サーバで使用しているOSの『ETERNUS SF AdvancedCopy Manager 運用ガイド』の「stgxfwcmaddsrv(サーバ情報追加コマンド)」を参照してください。
    コマンドのオプションに指定する引数の詳細は、「2.6.2 クラスタ業務とローカル業務」を参照してください。

  20. すべてのノードを再起動します。

    n:1運用待機運用ですでにセカンダリノードのインストールとカスタマイズ(再起動を含む)が終了している場合は、プライマリノードだけ再起動します。