物理格納先は、JMSクライアントが送信したメッセージを格納する領域です。
物理格納先のタイプには、TopicとQueueの2種類があります。Publish/Subscribeメッセージングモデルを使用する場合は、物理格納先のタイプはTopicとなります。また、Point-to-Pointメッセージングモデルを使用する場合は、物理格納先のタイプはQueueとなります。
物理格納先では、以下の管理を行います。
物理格納先の動作は、生成時に設定できます。設定可能な項目と設定方法について以下に説明します。
物理格納先の自動生成
JMSクライアントが存在していない物理格納先にアクセスした場合、メッセージブローカは自動的に新しい物理格納先を作成します。
注意
本機能は、定義ミスにより誤って意図しない物理格納先にメッセージが送受信される場合があります。このため、本運用時には、imqcmdコマンドのcreate dstサブコマンドを使用して、物理格納先を作成してください。
自動生成された物理格納先は、アクセスがなくなると自動削除されます。
自動生成された物理格納先の名前は、JMS送信先リソースのNameプロパティによって決まります。詳細については、「9.1.9.8 create-jms-resourceサブコマンド」を参照してください。
物理格納先の作成
imqcmdコマンドのcreate dstサブコマンドを使用して、物理格納先を作成します。詳細については、「9.5.1 create dstサブコマンド」を参照してください。
例
ローカルホスト上で動作しているメッセージブローカに対して、JMSQueueという名前の物理格納先タイプがQueueである物理格納先を作成する例
C:\Interstage\F3FMisje6\mq\bin\imqcmd create dst -n JMSQueue -t q
/opt/FJSVisje6/mq/bin/imqcmd create dst -n JMSQueue -t q
物理格納先の一覧表示
imqcmdコマンドのlist dstサブコマンドを使用して、物理格納先の一覧を表示します。詳細については、「9.5.4 list dstサブコマンド」を参照してください。
例
メッセージブローカの物理格納先の一覧を表示する例
C:\Interstage\F3FMisje6\mq\bin\imqcmd list dst
/opt/FJSVisje6/mq/bin/imqcmd list dst
物理格納先の蓄積メッセージの破棄
imqcmdコマンドのpurge dstサブコマンドを使用して、物理格納先に格納されたすべてのメッセージを破棄します。詳細については、「9.5.6 purge dstサブコマンド」を参照してください。
例
物理格納先JMSQueueに格納されたすべてのメッセージを破棄する例
C:\Interstage\F3FMisje6\mq\bin\imqcmd purge dst -t q -n JMSQueue
/opt/FJSVisje6/mq/bin/imqcmd purge dst -t q -n JMSQueue
物理格納先の削除
imqcmdコマンドのdestroy dstサブコマンドを使用して、物理格納先を削除します。詳細については、「9.5.2 destroy dstサブコマンド」を参照してください。
例
物理格納先JMSQueueを削除する例
C:\Interstage\F3FMisje6\mq\bin\imqcmd destroy dst -t q -n JMSQueue
/opt/FJSVisje6/mq/bin/imqcmd destroy dst -t q -n JMSQueue
物理格納先の差異
自動生成された物理格納先は、imqcmdコマンドのcreate dstサブコマンドを使用して作成した物理格納先と異なり、以下のような格納制限があります。
格納制限項目 | 制限値 | |
---|---|---|
自動生成された物理格納先 | コマンドで作成した物理格納先 | |
単一メッセージの最大サイズ | 10MB | 無制限 |
メッセージの最大合計サイズ | 10240MB | 無制限 |
メッセージの最大数 | 100000 | 無制限 |
注意
格納制限を超過したメッセージは破棄されますが、デッドメッセージキューに退避されません。デッドメッセージキューの詳細については「3.12.5 高信頼機能」を参照してください。