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Interstage Application Server マルチサーバ運用ガイド
Interstage

4.4.3 バックアップ/リストア(移入)手順

本製品では、Interstage資源のバックアップ/リストア(移入)を一括して行うためのバッチファイル(Windows(R))、シェルスクリプト(Solaris/Linux)、バックアップ・リストア対象定義ファイル(Solaris)のサンプルを提供しています。本サンプルをカスタマイズすることにより、バックアップ/リストア(移入)を一括して行うことができます。

参照

  • Interstage資源のバックアップ/リストア(移入)の詳細については、「運用ガイド(基本編)」の「メンテナンス(資源のバックアップ/他サーバへの資源移行/ホスト情報の変更)」を参照してください。

  • 本サンプルの詳細については、「運用ガイド(基本編)」の「メンテナンス(資源のバックアップ/他サーバへの資源移行/ホスト情報の変更)」-「メンテナンスの一括実行」を参照してください。

  • 管理サーバにおいて、クラスタ環境でログイン認証にディレクトリサービスを使用している場合は、「高信頼性システム運用ガイド」の「クラスタサービス機能」-「スタンドアロンサーバの環境設定」-「Interstageの環境設定」-「各サービスの環境設定」-「Interstage ディレクトリサービスを使用する場合」を参照して、Interstage ディレクトリサービスの資源をバックアップしてください。


ここでは、本サンプルを使用してInterstage資源をバックアップ/リストア(移入)を行う場合の手順を説明します。


(1) サンプルのコピー

作業用ディレクトリにサンプルをコピーします。サンプルの格納先を以下に示します。
以降、Windows(R)/Linuxでは、バッチファイル/シェルスクリプトをカスタマイズします。Solarisでは、バックアップ・リストア対象定義ファイルをカスタマイズします。


バックアップ用のバッチファイル
C:\Interstage\sample\backup_restore\isbackup.bat
リストアバッチファイル
C:\Interstage\sample\backup_restore\isrestore.bat
移入バッチファイル
C:\Interstage\sample\backup_restore\isimport.bat

バックアップ用のシェルスクリプト
/opt/FJSVisas/sample/backup_restore/isbackup
リストア/移入用シェルスクリプト
/opt/FJSVisas/sample/backup_restore/isrestore
バックアップリストア移入用のバックアップ・リストア対象定義ファイル
/opt/FJSVisas/sample/backup_restore/sample.def

バックアップ用のシェルスクリプト
/opt/FJSVisas/sample/backup_restore/isbackup
リストアシェルスクリプト
/opt/FJSVisas/sample/backup_restore/isrestore
移入用シェルスクリプト
/opt/FJSVisas/sample/backup_restore/isimport

(2) サンプルカスタマイズ

基本情報

サンプルに基本情報を指定します。

バッチファイルに、以下を指定します。

  • HOST:移入先ホスト名(移入時)

  • INST_DIR:Interstageのインストールディレクトリ

  • COMMON_PATH:バックアップ資源の格納先

rem [Common]
set HOST=import_host・・・・・・・・移入時
set INST_DIR=C:\INTERSTAGE
set COMMON_PATH=C:\temp\backup

バックアップ・リストア対象定義ファイルに、以下を指定します。

  • host:移入先ホスト名(移入時)

  • path:バックアップ資源の格納先

  • target_server:current(リストア時)、others(移入時)

[Common]
host=import_host・・・・・・・・移入時
path = /tmp/backup
target_server=current・・・・・リストア時
target_server=others・・・・・・移入時

シェルスクリプトに、以下を指定します。

  • HOST:移入先ホスト名(移入時)

  • COMMON_PATH:バックアップ資源の格納先

#[Common]
set HOST=import_host・・・・・・移入時
set COMMON_PATH=/tmp/backup

処理対象資源の確認

処理対象の資源を確認します。

  • バックアップ時

    バックアップ対象とするサービス資源を確認します。isprintbackuprscコマンドを実行し、表示されたサービス資源がバックアップ対象となるサービス資源です。isprintbackuprscコマンドの出力結果は、バッチファイル/シェルスクリプト/バックアップ・リストア対象定義ファイルのセクション名と対応しています。

  • リストア/移入時

    リストア/移入対象とするサービス資源は、バックアップ時と同様です。バックアップ時に使用したバックアップ用バッチファイル/シェルスクリプト/バックアップ・リストア対象定義ファイルを参考に修正してください。


処理対象資源の指定

処理対象の資源を指定します。

バッチファイル/シェルスクリプトにおいて、「セクション名_TARGET」の定義項目にそのサービスを処理対象とするかを、以下のように指定します。

  • on:処理対象

  • off:処理対象外

「Interstage管理コンソールの資源」(GUI)を処理対象とする場合

set GUI_TARGET=on

バックアップ・リストア対象定義ファイルにおいて、各セクション内の「target」の定義項目にそのセクションに対応したサービスを処理対象とするかを以下のように指定します。

  • on:処理対象

  • off:処理対象外

「Interstage管理コンソールの資源」(GUI)を処理対象とする場合

[GUI]
target = on

その他のカスタマイズ

サービス資源により、処理対象(on/off)以外にも、移入時にInterstage JMXサービスで使用するIPアドレスを変更する場合など、カスタマイズが必要となる項目があります。

以下にその例を示します。

参照

詳細については、「運用ガイド(基本編)」の「メンテナンス(資源のバックアップ/他サーバへの資源移行/ホスト情報の変更)」-「メンテナンスの一括実行」-「バックアップ・リストア対象資源の定義方法」を確認してください。


バックアップ/リストアの場合

サービス名

項目名

説明

IHS

IHS_TARGET

Interstage HTTP Serverを処理対象とする場合は、「on」を指定します。

IHS_OPTION

管理サーバの場合、「1」を指定します。
管理対象サーバの場合、操作対象資源を以下のいずれかから選択します。

  • 1:環境定義情報

  • 2:環境定義情報およびパスワードファイル

  • 3:環境定義情報、パスワードファイル、およびDocumentRootディレクティブで指定したディレクトリ配下

その他の項目

使用しません。

サービス名

項目名

説明

IHS

target

Interstage HTTP Serverを処理対象とする場合は、「on」を指定します。

option

管理サーバの場合、「1」を指定します。
管理対象サーバの場合、操作対象資源を以下のいずれかから選択します。

  • 1:環境定義情報

  • 2:環境定義情報およびパスワードファイル

  • 3:環境定義情報、パスワードファイル、およびDocumentRootディレクティブで指定したディレクトリ配下

その他の項目

使用しません。


移入の場合

サービス名

項目名

説明

JMX

JMX_TARGET

Interstage JMXサービス資源を移入する場合、「on」を設定します。

JMX_IPADDRESS

Interstage JMXサービスで使用するIPアドレスを変換する必要がある場合に指定します。詳細については、「運用ガイド(基本編)」の「メンテナンス(資源のバックアップ/他サーバへの資源移行/ホスト情報の変更)」-「メンテナンスの一括実行」-「バックアップ・リストア対象資源の定義方法」の本定義項目の説明を参照してください。

JMX_USERREP

Interstage JMXサービスのユーザリポジトリ定義を移入対象とするかを指定します。

  • on:移入する(省略時)

  • off:移入しない

JMX_SITEINFO

サイトを移行する場合は、「on」を設定します。

注意

サイトの移行以外の場合は、必ず「off」を設定してください。「on」を設定すると、アプリケーションの動作に異常が発生する場合があります。

OD

OD_TARGET

CORBAサービス資源を移入する場合、「on」を設定します。

OD_PORT

CORBA通信時に使用するポート番号を指定します。

OD_DBPATH

インタフェースリポジトリで使用するデータベースのディレクトリを指定します。

IHS

IHS_TARGET

Interstage HTTP Server資源を移入する場合、「on」を設定します。

IHS_HOST_TABLE

サーバグループへのサーバ追加時は、指定しません。
ホスト名/IPアドレス変更時に、変更前と変更後のホスト名/IPアドレスを記述したファイル名を指定します。詳細については、「運用ガイド(基本編)」の「メンテナンス(資源のバックアップ/他サーバへの資源移行/ホスト情報の変更)」-「メンテナンスの一括実行」-「バックアップ・リストア対象資源の定義方法」の本定義項目を参照してください。

IHS_OPTION

管理サーバの場合、「1」を指定します。
管理対象サーバの場合、操作対象資源を以下のいずれかから選択します。

  • 1:環境定義情報

  • 2:環境定義情報およびパスワードファイル

  • 3:環境定義情報、パスワードファイル、およびDocumentRootディレクティブで指定したディレクトリ配下

その他の項目

使用しません。

IJServer

IJSERVER_TARGET

IJServer資源を移入する場合、「on」を設定します。

IJSERVER_HOST_TABLE

サーバグループへのサーバ追加時には指定しません。

ISSCS

ISSCS_TARGET

Interstage証明書環境資源を移入する場合、「on」を設定します。

ISSCS_OPTION

操作対象資源を、以下のいずれかから選択します。必ず「運用ガイド(基本編)」の「メンテナンス(資源のバックアップ/他サーバへの資源移行/ホスト情報の変更)」-「資源移入手順詳細」-「Interstage証明書環境資源の移入」を参照して選択してください。

  • 1:SSL定義ファイル

  • 2:Interstage証明書環境の資源(SSL定義ファイルと証明書環境のファイル)

サービス名

項目名

説明

JMX

target

Interstage JMXサービス資源を移入する場合、「on」を設定します。

ipaddress

Interstage JMXサービスで使用するIPアドレスを変換する必要がある場合に指定します。詳細については、「運用ガイド(基本編)」の「メンテナンス(資源のバックアップ/他サーバへの資源移行/ホスト情報の変更)」-「メンテナンスの一括実行」-「バックアップ・リストア対象資源の定義方法」の本定義項目を参照してください。

jmx_userrep

Interstage JMXサービスのユーザリポジトリ定義を移入対象とするかを指定します。

  • on:移入する(省略時)

  • off:移入しない

siteinfo

サイトを移行する場合は、「on」を設定します。

注意

サイトの移行以外の場合は、必ず「off」を設定してください。「on」を設定すると、アプリケーションの動作に異常が発生する場合があります。

OD

target

CORBAサービス資源を移入する場合、「on」を設定します。

port

CORBA通信に使用するポート番号を指定します。

db_path

インタフェースリポジトリで使用するデータベースのディレクトリを指定します。

IHS

target

Interstage HTTP Server資源を移入する場合、「on」を設定します。

ihs_host_table

サーバグループへのサーバ追加時は、指定しません。
ホスト名/IPアドレス変更時に、変更前と変更後のホスト名/IPアドレスを記述したファイル名を指定します。詳細については、「運用ガイド(基本編)」の「メンテナンス(資源のバックアップ/他サーバへの資源移行/ホスト情報の変更)」-「メンテナンスの一括実行」-「バックアップ・リストア対象資源の定義方法」の本定義項目を参照してください。

option

管理サーバの場合、「1」を指定します。
管理対象サーバの場合、操作対象資源を以下のいずれかから選択します。

  • 1:環境定義情報

  • 2:環境定義情報およびパスワードファイル

  • 3:環境定義情報、パスワードファイル、およびDocumentRootディレクティブで指定したディレクトリ配下

その他の項目

使用しません。

IJServer

target

IJServer資源を移入する場合、「on」を設定します。

ijserver_host_table

サーバグループへのサーバ追加時には指定しません。

ISSCS

target

Interstage証明書環境資源を移入する場合、「on」を設定します。

option

操作対象資源を、以下のいずれかから選択します。必ず「運用ガイド(基本編)」の「メンテナンス(資源のバックアップ/他サーバへの資源移行/ホスト情報の変更)」-「資源移入手順詳細」-「Interstage証明書環境資源の移入」を参照して選択してください。

  • 1:SSL定義ファイル

  • 2:Interstage証明書環境の資源(SSL定義ファイルと証明書環境のファイル)

ポイント

isprintbackuprscコマンドの出力結果に、上記以外のサービスが表示された場合、「運用ガイド(基本編)」の「メンテナンス(資源のバックアップ/他サーバへの資源移行/ホスト情報の変更)」-「メンテナンスの一括実行」-「バックアップ・リストア対象資源の定義方法」に記載されている定義項目の表を参照して、各定義項目に指定する情報を確認してください。isprintbackuprscコマンドの出力結果は、表中の「セクション名」と対応しています。
なお、これらのサービスを使用していない場合、バックアップを行う必要はありません。


(3) サンプルの実行

  1. Interstageの各サービスを停止します。
    停止方法については、以下を参照してください。

    • 管理サーバの場合、「運用ガイド(基本編)」の「メンテナンス(資源のバックアップ/他サーバへの資源移行/ホスト情報の変更)」-「資源のバックアップとリストア」-「バックアップ手順(管理サーバの場合)」の「サービスの停止」

    • 管理対象サーバの場合、「運用ガイド(基本編)」の「メンテナンス(資源のバックアップ/他サーバへの資源移行/ホスト情報の変更)」-「資源のバックアップとリストア」-「バックアップ手順(管理対象サーバおよびスタンドアロンサーバの場合)」の「サービスの停止」

  2. バッチファイル(Windows (R))、シェルスクリプト(Solaris/Linux)を実行します。
    サンプル実行時の注意事項については、「運用ガイド(基本編)」の「メンテナンス(資源のバックアップ/他サーバへの資源移行/ホスト情報の変更)」-「メンテナンスの一括実行」-「資源のバックアップ/移出」/「資源のリストア/移入」に説明されている注意事項を参照してください。

    注意

    リストア、移入を行う場合は、-sオプションを指定して実行してください。

  3. 1.で停止したInterstageの各サービスを起動します。
    起動方法については、以下を参照してください。

    • 管理サーバの場合、「運用ガイド(基本編)」の「メンテナンス(資源のバックアップ/他サーバへの資源移行/ホスト情報の変更)」-「資源のバックアップとリストア」-「バックアップ手順(管理サーバの場合)」の「サービスの起動」

    • 管理対象サーバの場合、「運用ガイド(基本編)」の「メンテナンス(資源のバックアップ/他サーバへの資源移行/ホスト情報の変更)」-「資源のバックアップとリストア」-「バックアップ手順(管理対象サーバおよびスタンドアロンサーバの場合)」の「サービスの起動」