本製品では、Interstage資源のバックアップ/リストア(移入)を一括して行うためのバッチファイル(Windows(R))、シェルスクリプト(Solaris/Linux)、バックアップ・リストア対象定義ファイル(Solaris)のサンプルを提供しています。本サンプルをカスタマイズすることにより、バックアップ/リストア(移入)を一括して行うことができます。
参照
Interstage資源のバックアップ/リストア(移入)の詳細については、「運用ガイド(基本編)」の「メンテナンス(資源のバックアップ/他サーバへの資源移行/ホスト情報の変更)」を参照してください。
本サンプルの詳細については、「運用ガイド(基本編)」の「メンテナンス(資源のバックアップ/他サーバへの資源移行/ホスト情報の変更)」-「メンテナンスの一括実行」を参照してください。
管理サーバにおいて、クラスタ環境でログイン認証にディレクトリサービスを使用している場合は、「高信頼性システム運用ガイド」の「クラスタサービス機能」-「スタンドアロンサーバの環境設定」-「Interstageの環境設定」-「各サービスの環境設定」-「Interstage ディレクトリサービスを使用する場合」を参照して、Interstage ディレクトリサービスの資源をバックアップしてください。
ここでは、本サンプルを使用してInterstage資源をバックアップ/リストア(移入)を行う場合の手順を説明します。
(1) サンプルのコピー
作業用ディレクトリにサンプルをコピーします。サンプルの格納先を以下に示します。
以降、Windows(R)/Linuxでは、バッチファイル/シェルスクリプトをカスタマイズします。Solarisでは、バックアップ・リストア対象定義ファイルをカスタマイズします。
C:\Interstage\sample\backup_restore\isbackup.bat
C:\Interstage\sample\backup_restore\isrestore.bat
C:\Interstage\sample\backup_restore\isimport.bat
/opt/FJSVisas/sample/backup_restore/isbackup
/opt/FJSVisas/sample/backup_restore/isrestore
/opt/FJSVisas/sample/backup_restore/sample.def
/opt/FJSVisas/sample/backup_restore/isbackup
/opt/FJSVisas/sample/backup_restore/isrestore
/opt/FJSVisas/sample/backup_restore/isimport
(2) サンプルのカスタマイズ
サンプルに基本情報を指定します。
バッチファイルに、以下を指定します。
HOST:移入先ホスト名(移入時)
INST_DIR:Interstageのインストールディレクトリ
COMMON_PATH:バックアップ資源の格納先
例
rem [Common] set HOST=import_host・・・・・・・・移入時 set INST_DIR=C:\INTERSTAGE set COMMON_PATH=C:\temp\backup
バックアップ・リストア対象定義ファイルに、以下を指定します。
host:移入先ホスト名(移入時)
path:バックアップ資源の格納先
target_server:current(リストア時)、others(移入時)
例
[Common] host=import_host・・・・・・・・移入時 path = /tmp/backup target_server=current・・・・・リストア時 target_server=others・・・・・・移入時
シェルスクリプトに、以下を指定します。
HOST:移入先ホスト名(移入時)
COMMON_PATH:バックアップ資源の格納先
例
#[Common] set HOST=import_host・・・・・・移入時 set COMMON_PATH=/tmp/backup
処理対象の資源を確認します。
バックアップ時
バックアップ対象とするサービス資源を確認します。isprintbackuprscコマンドを実行し、表示されたサービス資源がバックアップ対象となるサービス資源です。isprintbackuprscコマンドの出力結果は、バッチファイル/シェルスクリプト/バックアップ・リストア対象定義ファイルのセクション名と対応しています。
リストア/移入時
リストア/移入対象とするサービス資源は、バックアップ時と同様です。バックアップ時に使用したバックアップ用バッチファイル/シェルスクリプト/バックアップ・リストア対象定義ファイルを参考に修正してください。
処理対象の資源を指定します。
バッチファイル/シェルスクリプトにおいて、「セクション名_TARGET」の定義項目にそのサービスを処理対象とするかを、以下のように指定します。
on:処理対象
off:処理対象外
例
「Interstage管理コンソールの資源」(GUI)を処理対象とする場合
set GUI_TARGET=on
バックアップ・リストア対象定義ファイルにおいて、各セクション内の「target」の定義項目にそのセクションに対応したサービスを処理対象とするかを以下のように指定します。
on:処理対象
off:処理対象外
例
「Interstage管理コンソールの資源」(GUI)を処理対象とする場合
[GUI] target = on
サービス資源により、処理対象(on/off)以外にも、移入時にInterstage JMXサービスで使用するIPアドレスを変更する場合など、カスタマイズが必要となる項目があります。
以下にその例を示します。
参照
詳細については、「運用ガイド(基本編)」の「メンテナンス(資源のバックアップ/他サーバへの資源移行/ホスト情報の変更)」-「メンテナンスの一括実行」-「バックアップ・リストア対象資源の定義方法」を確認してください。
バックアップ/リストアの場合
サービス名 | 項目名 | 説明 |
---|---|---|
IHS | IHS_TARGET | Interstage HTTP Serverを処理対象とする場合は、「on」を指定します。 |
IHS_OPTION | 管理サーバの場合、「1」を指定します。
| |
その他の項目 | 使用しません。 |
サービス名 | 項目名 | 説明 |
---|---|---|
IHS | target | Interstage HTTP Serverを処理対象とする場合は、「on」を指定します。 |
option | 管理サーバの場合、「1」を指定します。
| |
その他の項目 | 使用しません。 |
移入の場合
サービス名 | 項目名 | 説明 |
---|---|---|
JMX | JMX_TARGET | Interstage JMXサービス資源を移入する場合、「on」を設定します。 |
JMX_IPADDRESS | Interstage JMXサービスで使用するIPアドレスを変換する必要がある場合に指定します。詳細については、「運用ガイド(基本編)」の「メンテナンス(資源のバックアップ/他サーバへの資源移行/ホスト情報の変更)」-「メンテナンスの一括実行」-「バックアップ・リストア対象資源の定義方法」の本定義項目の説明を参照してください。 | |
JMX_USERREP | Interstage JMXサービスのユーザリポジトリ定義を移入対象とするかを指定します。
| |
JMX_SITEINFO | サイトを移行する場合は、「on」を設定します。 注意 サイトの移行以外の場合は、必ず「off」を設定してください。「on」を設定すると、アプリケーションの動作に異常が発生する場合があります。 | |
OD | OD_TARGET | CORBAサービス資源を移入する場合、「on」を設定します。 |
OD_PORT | CORBA通信時に使用するポート番号を指定します。 | |
OD_DBPATH | インタフェースリポジトリで使用するデータベースのディレクトリを指定します。 | |
IHS | IHS_TARGET | Interstage HTTP Server資源を移入する場合、「on」を設定します。 |
IHS_HOST_TABLE | サーバグループへのサーバ追加時は、指定しません。 | |
IHS_OPTION | 管理サーバの場合、「1」を指定します。
| |
その他の項目 | 使用しません。 | |
IJServer | IJSERVER_TARGET | IJServer資源を移入する場合、「on」を設定します。 |
IJSERVER_HOST_TABLE | サーバグループへのサーバ追加時には指定しません。 | |
ISSCS | ISSCS_TARGET | Interstage証明書環境資源を移入する場合、「on」を設定します。 |
ISSCS_OPTION | 操作対象資源を、以下のいずれかから選択します。必ず「運用ガイド(基本編)」の「メンテナンス(資源のバックアップ/他サーバへの資源移行/ホスト情報の変更)」-「資源移入手順詳細」-「Interstage証明書環境資源の移入」を参照して選択してください。
|
サービス名 | 項目名 | 説明 |
---|---|---|
JMX | target | Interstage JMXサービス資源を移入する場合、「on」を設定します。 |
ipaddress | Interstage JMXサービスで使用するIPアドレスを変換する必要がある場合に指定します。詳細については、「運用ガイド(基本編)」の「メンテナンス(資源のバックアップ/他サーバへの資源移行/ホスト情報の変更)」-「メンテナンスの一括実行」-「バックアップ・リストア対象資源の定義方法」の本定義項目を参照してください。 | |
jmx_userrep | Interstage JMXサービスのユーザリポジトリ定義を移入対象とするかを指定します。
| |
siteinfo | サイトを移行する場合は、「on」を設定します。 注意 サイトの移行以外の場合は、必ず「off」を設定してください。「on」を設定すると、アプリケーションの動作に異常が発生する場合があります。 | |
OD | target | CORBAサービス資源を移入する場合、「on」を設定します。 |
port | CORBA通信に使用するポート番号を指定します。 | |
db_path | インタフェースリポジトリで使用するデータベースのディレクトリを指定します。 | |
IHS | target | Interstage HTTP Server資源を移入する場合、「on」を設定します。 |
ihs_host_table | サーバグループへのサーバ追加時は、指定しません。 | |
option | 管理サーバの場合、「1」を指定します。
| |
その他の項目 | 使用しません。 | |
IJServer | target | IJServer資源を移入する場合、「on」を設定します。 |
ijserver_host_table | サーバグループへのサーバ追加時には指定しません。 | |
ISSCS | target | Interstage証明書環境資源を移入する場合、「on」を設定します。 |
option | 操作対象資源を、以下のいずれかから選択します。必ず「運用ガイド(基本編)」の「メンテナンス(資源のバックアップ/他サーバへの資源移行/ホスト情報の変更)」-「資源移入手順詳細」-「Interstage証明書環境資源の移入」を参照して選択してください。
|
ポイント
isprintbackuprscコマンドの出力結果に、上記以外のサービスが表示された場合、「運用ガイド(基本編)」の「メンテナンス(資源のバックアップ/他サーバへの資源移行/ホスト情報の変更)」-「メンテナンスの一括実行」-「バックアップ・リストア対象資源の定義方法」に記載されている定義項目の表を参照して、各定義項目に指定する情報を確認してください。isprintbackuprscコマンドの出力結果は、表中の「セクション名」と対応しています。
なお、これらのサービスを使用していない場合、バックアップを行う必要はありません。
(3) サンプルの実行
Interstageの各サービスを停止します。
停止方法については、以下を参照してください。
管理サーバの場合、「運用ガイド(基本編)」の「メンテナンス(資源のバックアップ/他サーバへの資源移行/ホスト情報の変更)」-「資源のバックアップとリストア」-「バックアップ手順(管理サーバの場合)」の「サービスの停止」
管理対象サーバの場合、「運用ガイド(基本編)」の「メンテナンス(資源のバックアップ/他サーバへの資源移行/ホスト情報の変更)」-「資源のバックアップとリストア」-「バックアップ手順(管理対象サーバおよびスタンドアロンサーバの場合)」の「サービスの停止」
バッチファイル(Windows (R))、シェルスクリプト(Solaris/Linux)を実行します。
サンプル実行時の注意事項については、「運用ガイド(基本編)」の「メンテナンス(資源のバックアップ/他サーバへの資源移行/ホスト情報の変更)」-「メンテナンスの一括実行」-「資源のバックアップ/移出」/「資源のリストア/移入」に説明されている注意事項を参照してください。
注意
リストア、移入を行う場合は、-sオプションを指定して実行してください。
1.で停止したInterstageの各サービスを起動します。
起動方法については、以下を参照してください。
管理サーバの場合、「運用ガイド(基本編)」の「メンテナンス(資源のバックアップ/他サーバへの資源移行/ホスト情報の変更)」-「資源のバックアップとリストア」-「バックアップ手順(管理サーバの場合)」の「サービスの起動」
管理対象サーバの場合、「運用ガイド(基本編)」の「メンテナンス(資源のバックアップ/他サーバへの資源移行/ホスト情報の変更)」-「資源のバックアップとリストア」-「バックアップ手順(管理対象サーバおよびスタンドアロンサーバの場合)」の「サービスの起動」