MessageQueueDirector(以降、MQDと略します)は、メッセージキューを介したアプリケーション間の非同期通信を実現するソフトウェアです。この非同期通信は、サーバ内の通信だけでなく、ネットワークを介した通信にも使用することができます。そのため、ネットワークを介した企業間との時間差のある接続による情報流通、あるいはリアルタイムな通信を必要としない企業内の情報流通にも使用することができます。また、グローバルサーバとの接続もできるため、ネットワークを介して基幹業務と連携した業務の構築もできます。
アプリケーション間の通信にはメッセージ(任意の情報)が使用され、送信側のアプリケーションが出力したメッセージを、受信側のアプリケーションが必要なときに取り出して利用することができます。
図1.1 MQDの構成にMQDの構成を示します。
図1.1 MQDの構成
APPL: APPLication program
AIM : Advanced Information Manager
ACM : Asynchronous CoMmunication
LD : ACMの論理あて先
注意
SMTP連携サービスはSolarisサーバの場合だけ有効です。
メッセージ交換
メッセージ交換はMQDの基本機能です。メッセージ交換は、メッセージキューを介したアプリケーション間の非同期通信を提供しています。送信側アプリケーションと受信側アプリケーションは、互いに相手アプリケーションの動作状態とは無関係(非同期)にメッセージの送受信を行うことができます。
イベントチャネル連携サービス
イベントチャネル連携サービスは、ネットワーク(LANやWAN)を介して、システム(UNIXサーバ、Linuxサーバ、Windowsサーバおよびグローバルサーバ)間でメッセージ交換を行うサービスです。グローバルサーバ上のINTERSTAGE/MQDを使用するアプリケーションとの間でメッセージ交換を行うことができます。
システム間のメッセージ転送には、CORBAサービスがサポートするIIOPプロトコルを使用しています。
イベントチャネル連携サービスの詳細については、“第10章 イベントチャネル連携サービス”を参照してください。
SMTP連携サービス
SMTP連携サービスは、ネットワーク(インターネットやイントラネット)を介して、システム(UNIXサーバ)間でメッセージ交換を行うサービスです。システム間のメッセージ転送には、インターネットの電子メールシステム(sendmail)の標準的なプロトコルであるSMTP(Simple Mail Transfer Protocol)を使用しています。
SMTP連携サービスの詳細については、“第11章 SMTP連携サービス”を参照してください。
トランザクション連携
Interstageが提供するトランザクション機能を利用することで、データベース処理とMQDのメッセージ送受信の同期処理を保証することができます。
アプリケーションは、Interstageのトランザクション機能を使用して、MQDのメッセージ送受信を行うことができます。
Interstageのトランザクション機能の詳細については、“アプリケーション作成ガイド(データベース連携サービス編)”を参照してください。
サポート言語
MQDを利用するアプリケーションは、以下のどちらかのプログラム言語を使用して作成することができます。
COBOL言語
C言語
各プログラムインタフェースの詳細については、“第8章 プログラムインタフェース”を参照してください。