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Interstage Application Server シングル・サインオン運用ガイド
Interstage

1.4.10 セションの無効

  Interstage シングル・サインオンでは、以下の設定を行うことにより、利用者が離席した場合に発生する、第三者による不正利用の脅威を低減することができます。

  セションの管理を行う場合は、アイドル監視と再認証の間隔を合わせて設定することで、より安全な運用を行うことができます。
  なお、セションの管理を行わない場合は、再認証の間隔のみ使用することができます。

アイドル監視

  Interstage シングル・サインオンでは、利用者がシングル・サインオンシステムにサインオンした直後からのアイドル状態を監視しており、サインオンした状態のままあらかじめ設定したアイドル監視時間の間アクセスしなかった場合は、利用者の認証を自動的に無効にすることができます。
  複数のWebブラウザからシングル・サインオンシステムにアクセスした場合は、Webブラウザごとにアイドル状態が監視されます。

  アイドル監視時間を超過しタイムアウトが発生した後にシングル・サインオンシステムにアクセスした場合は、再認証を行うことで、タイムアウトが発生するまでアクセスしていた業務サーバコンテンツの使用を再開することができます。

  アイドル監視の動作概要を以下に示します。

(1) シングル・サインオンシステムにサインオンします。
    この時点から、アイドル状態が監視されます。
(2) 業務サーバAのコンテンツにアクセスします。
    アイドル監視時間の範囲内に、業務サーバAのコンテンツにアクセスしたため、タイムアウトは発生しません。この時点から、新たにアイドル状態が監視されます。
(3) 業務サーバBのコンテンツにアクセスします。
    アイドル監視時間の範囲内に、業務サーバBのコンテンツにアクセスしたため、タイムアウトは発生しません。この時点から、新たにアイドル状態が監視されます。
(4) 業務サーバAのコンテンツにアクセスします。
    アイドル監視時間の範囲内に、業務サーバAのコンテンツにアクセスしたため、タイムアウトは発生しません。この時点から、新たにアイドル状態が監視されます。
(5) 業務サーバBのコンテンツにアクセスします。
    アイドル監視時間を超過し、タイムアウトが発生しているため、利用者のWebブラウザには、セションが無効であるメッセージが表示され、再認証をうながします。

  アイドル監視時間を設定する場合は、リポジトリサーバ(更新系)のInterstage管理コンソールを使用して、[システム] > [セキュリティ] > [シングル・サインオン] > [認証基盤] > [リポジトリサーバ] > [環境設定]タブの[セション管理詳細設定[表示]]をクリックし、[アイドル監視]の[アイドル監視時間]を設定します。

再認証の間隔

  Interstage シングル・サインオンでは、シングル・サインオンシステムへのアクセスに関係なく、利用者がサインオンしてから再認証の間隔に設定した時間が過ぎると、再認証を求めるようにすることができます。
  再認証の間隔は、IPアドレスごとに監視されるため、異なるクライアントから接続した場合は、再認証の間隔に関係なく、再度認証が要求されます。
  再認証を行うことで、再認証が発生するまでアクセスしていた業務サーバコンテンツの使用を再開することができます。

  再認証の間隔は、以下のように、利用者ごと、またはシングル・サインオンシステムごとに設定することができます。

  SSOリポジトリのユーザ情報の詳細については、“2.3.2.5 ユーザ情報のエントリ”を参照してください。

  Interstage管理コンソールの定義の詳細については、Interstage管理コンソールのヘルプを参照してください。

アイドル監視と再認証の間隔

  セションの管理を行う場合、アイドル監視と再認証の間隔を合わせて設定することで、利用者が離席した場合にアイドル監視時間内に発生する第三者による不正利用の脅威を低減し、より安全に運用することができます。

アイドル監視時間と再認証の間隔を設定する際の注意

  不当なタイムアウトを発生させないために、以下の式が成り立つよう考慮して設定してください。
    T1 + T2 < T3 < T4 < T5

  アイドル監視時間と再認証の間隔を組み合わせた設定、および動作例について説明します。


  アイドル監視時間(T3)を15分、再認証の間隔(T4)を30分に設定した場合。

  (3)の時点で業務サーバコンテンツへアクセスした場合は、再認証の間隔で設定した時間(T4:30分) は超過していないが、アイドル監視時間で設定した時間(T3:15分)は超過しているため、アイドル監視による再認証が発生します。

  (5)の時点で業務サーバコンテンツへアクセスした場合は、アイドル監視時間で設定した時間(T3:15分)は超過していないため、タイムアウトは発生しませんが、再認証の間隔で設定した時間(T4:30分)は超過しているため、再認証の間隔による再認証が発生します。


  (4)の時点で業務サーバのコンテンツへアクセスした場合は、アイドル監視時間(T3)と再認証の間隔(T4)の両方の設定時間を超過しているため、再認証の間隔による再認証が発生します。