ここでは、Javaを用いたCORBAサーバアプリケーションとしてのEJBゲートウェイ・アプリケーションの開発およびテスト方法について説明します。
参照
EJBゲートウェイ・アプリケーションを開発する場合は、以下のマニュアルも参照してください。
JavaによるCORBAサーバ機能の開発方法については、以下を参照してください。
“Interstage Application Server アプリケーション作成ガイド(CORBAサービス編)”の“アプリケーションの開発(Java言語)” (注:Interstage Application Server Standard-J EditionまたはInterstage Web Serverでは提供していません)。
“Interstage Studio プログラマーズガイド”
EJBクライアント機能の開発方法については、以下を参照してください。
“Interstage Studio プログラマーズガイド”
クライアントアプリケーションの開発方法については、以下を参照してください。
“Interstage Application Server アプリケーション作成ガイド(CORBAサービス編)”の“アプリケーションの開発(Java言語)” (注:Interstage Application Server Standard-J EditionまたはInterstage Web Serverでは提供していません)。
“Interstage Studio プログラマーズガイド”
EJBゲートウェイ・アプリケーションの開発前に必要な作業
EJBゲートウェイ・アプリケーションを開発する前に、連携方法、サーバの環境などを十分に分析し、アプリケーションの内容を考慮してください。
ここでは、アプリケーションの開発前に必要な作業について説明します。
EJBゲートウェイ・アプリケーションは、Servantのインスタンスの管理方法により、以下の形態をとることができます。以下の形態からユーザの業務にあった形態を選択してください。
形態 | STATEFUL Session Beanと | STATELESS Session Beanと |
---|---|---|
デフォルトインスタンス方式 | × | ○ |
Factory-1方式 | ○ | ○ |
Factory-2方式 | ○ | ○ |
ユーザインスタンス管理方式 | ○ | ○ |
○:選択可 ×:選択不可
Session Beanに対するEJBゲートウェイ・アプリケーションの実装方法として、以下の形態があります。
1つのEJBゲートウェイ・アプリケーションで1つのSession Beanに対応するインタフェースを実装する
1つのEJBゲートウェイ・アプリケーションで複数のSession Beanに対応する複数のインタフェースを実装する
上記の方式からユーザの業務にあった形態を選択してください。
開発の流れ
EJBゲートウェイ・アプリケーションを開発し、デバッグを行うまでの流れを以下に示します。
EJBゲートウェイ・アプリケーションの開発
クライアントアプリケーションの開発
アプリケーションのデバッグ
デバッグにより問題が検出された場合は、問題が発生したアプリケーションの開発から繰り返します。
EJBゲートウェイ・アプリケーションの開発
ここでは、EJBゲートウェイ・アプリケーション開発方法について説明します。
IDLファイルの作成とコンパイル
EJBゲートウェイ・アプリケーションが提供するインタフェースを、IDL言語を用いて定義し、IDLcコマンドでIDLファイルをコンパイルします。この結果、IDL定義をjavaにマッピングした、複数のファイル(拡張子が.javaのファイル)が出力されます。
EJBゲートウェイ・アプリケーションの作成
EJBゲートウェイ・アプリケーションは「CORBAサーバ機能」と「EJB-CORBA変換機能」および「EJBクライアント機能」に分けられます。
「CORBAサーバ機能」では、ORBの初期化や、Servantオブジェクトの生成/登録などを行う初期化処理を実装します。「EJB-CORBA変換機能」および「EJBクライアント機能」はIDLで定義したインタフェースを実装するServantとして実装します。
各機能の詳細については、“15.9.1 EJBゲートウェイ・アプリケーションの機能”を参照してください。
Javaファイルのコンパイル
IDLコンパイラにより生成されたファイル(拡張子が.javaのファイル)とユーザが作成したEJBゲートウェイ・アプリケーションを合わせてjavacコマンドでコンパイルします。
コンパイル時には、CLASSPATH変数にEJBアプリケーションを配備したejb-jarファイルを指定してください。
クライアントアプリケーションの開発
ここでは、クライアントアプリケーション開発方法について説明します。
IDLファイルのコンパイル
IDLcコマンドでIDLファイルをコンパイルします。この結果、IDL定義を目的とする言語にマッピングした、複数のスタブとスケルトンが出力されます。
クライアントアプリケーションの作成
クライアントアプリケーションを作成します。
翻訳と結合
作成したクライアントアプリケーションとIDLcコマンドで生成したスケルトン以外のソースファイルを翻訳し、実行ファイルを作成します。
EJBゲートウェイ・アプリケーションのデバッグ
EJBアプリケーションのデバッグ方法には、デバッガを利用したデバッグと、アプリケーションのデバッグ情報を利用したデバッグがあります。それぞれについて説明します。
デバッガを利用したデバッグ
Interstage Studioが提供するデバッガを利用してデバッグする方法です。
デバッガを利用すると、開発したアプリケーションを実行させながら、処理の論理的な誤りを検出することができます。
通常、プログラムソース上にブレークポイントを設定し、中断点で停止した状態でプログラム中の変数を参照あるいは、変更しながらデバッグを行います。
デバッガを利用したデバッグの詳細は、“Interstage Studio プログラマーズガイド”を参照してください。
アプリケーションのデバッグ情報を利用したデバッグ
EJBゲートウェイ・アプリケーションの開発時に、あらかじめデバッグ情報を出力する処理を記述しておき、その情報をもとにデバッグする方法です。
アプリケーションのデバッグ情報は、標準出力または、標準エラー出力を使用します。
EJBゲートウェイ・アプリケーションの実行方法について説明します。
注意
EJBゲートウェイ・アプリケーションを実行する前に、EJBアプリケーションを実行してください。
Interstageの起動
Interstageを起動します。
起動用ファイルの作成
EJBゲートウェイ・アプリケーションを起動するには、通常、バッチファイルやシェルスクリプトを用意します。
起動時には、環境変数OD_IMPLIDへインプリメンテーションリポジトリIDを設定してください。また、EJBゲートウェイ・アプリケーションを起動する際に、以下の環境プロパティを指定し起動してください。
-Djava.naming.factory.initial=com.fujitsu.interstage.ejb.jndi.FJCNCtxFactoryForClient
例
以下に起動ファイルの例を示します。
set OD_IMPLID=IDL:EJBGateway/Factory:1.0 java -Djava.naming.factory.initial=com.fujitsu.interstage.ejb.jndi.FJCNCtxFactoryForClient BMPSessionGateway
インプリメンテーションリポジトリへの登録
インプリメンテーションリポジトリにゲートウェイ・アプリケーション情報を登録するために、OD_impl_instコマンドを使用します。OD_impl_instコマンドおよび指定する情報については、“Interstage Application Server アプリケーション作成ガイド(CORBAサービス編)”の“インプリメンテーションリポジトリへの登録”を参照してください。(注:Interstage Application Server Standard-J EditionまたはInterstage Web Serverでは提供していません)。
オブジェクトリファレンスの作成とネーミングサービスへの登録
作成したEJBゲートウェイ・アプリケーションのオブジェクトリファレンスの作成およびネーミングサービスに登録するために、OD_or_admコマンドを使用します。
OD_or_admコマンドおよび指定する情報については、“Interstage Application Server アプリケーション作成ガイド(CORBAサービス編)”の“オブジェクトリファレンスの生成方法”を参照してください。(注:Interstage Application Server Standard-J EditionまたはInterstage Web Serverでは提供していません)。
EJBゲートウェイ・アプリケーションの起動
2.で作成した起動用ファイルによりEJBゲートウェイ・アプリケーションを起動します。
クライアントアプリケーションの実行
クライアントアプリケーションを実行します。
Interstage Studioでの開発方法
当社のコンポーネント指向の統合開発支援ツールであるInterstage Studioを使用することにより、一連の手順を統合された使いやすいビュー操作によって操作することができます。
Interstage Studioでは、さまざまなEJBアプリケーションおよびクライアントアプリケーションの開発支援機能を提供しているため、アプリケーション開発の生産性を向上できます。