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PRIMECLUSTER GLS for Windows ユーザーズガイド 4.3

A.3.1 Hyper-V環境の場合

GLSの仮想アダプターをHyper-Vの仮想ネットワーク マネージャに登録し、Hyper-V環境のネットワークを二重化する場合に適した構成です。

構成

図A.6 Hyper-V環境の構成

設定手順

図A.6の構成を例に設定手順を示します。

  1. 物理アダプターを設定します。

    詳細は、“3.4.2 物理アダプターの設定(事前作業)”を参照してください。

  2. 仮想アダプターを設定します。

    hanetconfigコマンドを実行して、物理アダプター(ローカル エリア接続 1とローカル エリア接続 2)を束ねるHyper-V用の仮想アダプター(sha0)を作成します。

    > hanetconfig create -n sha0 -v hv -t "ローカル エリア接続 1","ローカル エリア接続 2"
    FJSVhanet: INFO: 00000: The command ended normally.
  3. ping監視を設定します。

    以下を指定して、hanetpollコマンドを実行します。

    ローカル エリア接続 1が運用時の監視先:192.168.2.10、192.168.2.20
    ローカル エリア接続 2が運用時の監視先:192.168.2.10、192.168.2.20

    > hanetpoll create -t "ローカル エリア接続 1" -p 192.168.2.10,192.168.2.20
    FJSVhanet: INFO: 00000: The command ended normally.
    > hanetpoll create -t "ローカル エリア接続 2" -p 192.168.2.10,192.168.2.20
    FJSVhanet: INFO: 00000: The command ended normally.

    参考

    通信相手システムをping監視先に設定する場合、監視先で異常が検出されたときに、ネットワークアダプターを切替えないように動作を指定できます。
    以下に、ネットワークアダプターの切替えを行わない場合の例を示します。

    > hanetpoll create -t "ローカル エリア接続 1" -p 192.168.2.2 -f no
    FJSVhanet: INFO: 00000: The command ended normally.
    > hanetpoll create -t "ローカル エリア接続 2" -p 192.168.2.2 -f no
    FJSVhanet: INFO: 00000: The command ended normally.

    hanetpollコマンドの詳細は、“6.2.4 hanetpoll”を参照してください。

  4. 仮想アダプターを活性化させます。

    strhanetコマンドを実行して、仮想アダプターを活性化させます。

    > strhanet
    FJSVhanet: INFO: 00000: The command ended normally (sha0).
    FJSVhanet: INFO: 00007: Start the ping monitor using the hanetpoll command if needed.
  5. Hyper-Vの仮想ネットワークに仮想アダプター(sha0)を登録します。

    1. [スタート]メニューの[管理ツール]メニューから、[Hyper-V マネージャ]を選択します。

    2. [Hyper-V マネージャ]画面から、[仮想ネットワーク マネージャ]を選択します。

    3. [新しい仮想ネットワーク]の[仮想ネットワークの作成]から、[外部]を選択して[追加]ボタンをクリックします。

    4. 新しい仮想ネットワークとして、仮想アダプター(sha0)を選択し、[適用]ボタンをクリックします。

      注意

      Windows Server 2008 R2では、[管理オペレーティングシステムにこのネットワークアダプターの共有を許可する]チェックボックスがあります。

      本チェックボックスでは、仮想ネットワークに接続しているネットワークアダプターを、管理OSで共有するかどうかの選択ができます。

      • チェックボックスをチェックした場合

        管理OSで、仮想ネットワークに接続しているネットワークアダプターの設定ができます。

        この場合、Hyper-Vの仮想ネットワーク マネージャによって、GLSの仮想アダプター上にアダプターが生成されます。生成されたアダプターにIPアドレスを設定することにより、ping監視が利用できます。

      • チェックボックスをチェックしなかった場合

        管理OSで、仮想ネットワークに接続しているネットワークアダプターの設定ができません。

        この場合、ネットワークアダプターは、仮想マシン専用として認識されます。そのため、Hyper-Vの仮想ネットワークマネージャによって、GLSの仮想アダプター上にアダプターが生成されず、ping監視が利用できません。

      詳細は、Hyper-Vのマニュアルを参照してください。

  6. Hyper-Vの仮想ネットワーク マネージャによって、仮想アダプター(sha0)上に生成されたアダプター(ローカル エリア接続 3)にIPアドレスを手動で設定します。

    IPアドレスの設定方法については、OSのマニュアルを参照してください。

  7. システムを再起動します。

    システム起動時にping監視が開始されます。

  8. ゲストOS1に仮想アダプター(sha0)をVLAN ID2として登録します。

    1. [Hyper-V マネージャ]から、ゲストOS1の設定画面を開きます。

    2. [ハードウェアの追加]から[ネットワーク アダプタ]を選択し、[追加]ボタンをクリックします。

    3. [ネットワーク]に仮想アダプター(sha0)を選択し、[仮想LAN IDの有効化]をチェックします。
      [VLAN ID]に“2”を入力して、[適用]ボタンをクリックします。

      詳細は、Hyper-Vのマニュアルを参照してください。

  9. ゲストOS1上のアダプター(ローカル エリア接続 1)にIPアドレスを手動で設定します。

    ゲストOSの起動方法については、Hyper-Vのマニュアルを参照してください。

    IPアドレスの設定方法については、OSのマニュアルを参照してください。

  10. ゲストOS2に仮想アダプター(sha0)をVLAN ID3として登録します。

    設定については、手順8、手順9を参照してください。

  11. Hyper-Vの仮想ネットワーク マネージャに登録した仮想アダプター(sha0)から、各OSのMACアドレスの情報をネットワークスイッチへ通知する設定をします。
    本設定により、ネットワーク切替え時の通信が即時再開できます。

    1. 仮想アダプター(sha0)上にある管理OSとゲストOSのアダプター情報を確認します。

      管理OSについては、ipconfigコマンドの表示結果等から確認してください。
      ゲストOSについては、[仮想ネットワーク マネージャ]の[ネットワークアダプタ]にある、“MAC アドレス”および“VLAN ID”を参照してください。なお、ゲストOSの“MAC アドレス”は、“動的”を設定した場合、ゲストOSを起動した後に表示されます。

      マシン名

      VLAN ID

      MACアドレス

      管理OS

      HOST-A

      なし

      ZZ-ZZ-ZZ-ZZ-ZZ-ZZ

      ゲストOS1

      VM1

      タグ2

      XX-XX-XX-XX-XX-XX

      ゲストOS2

      VM2

      タグ3

      YY-YY-YY-YY-YY-YY

    2. Hyper-V用のユーザースクリプト実行機能を設定します。

      > copy GLSインストールディレクトリ\usr\script\adapter\hyperv.sam GLSインストールディレクトリ\usr\script\adapter\sha0.bat
    3. “GLSインストールディレクトリ\usr\script\adapter\maclist.txt”のファイルに、各アダプターの情報を設定します。
      以下の順序で設定してください。

      1. 仮想スイッチに接続されているGLSの仮想アダプター名

      2. ローカル エリア接続のアダプター情報(1.VLAN ID、2.MACアドレス、3.マシン名)

        仮想アダプター名  VLAN ID  MACアドレス  マシン名

      各項目は、タブを入れて区切ってください。

      なお、以下の場合は、半角ハイフン(-)を指定してください。

      • タグVLANの設定がない場合のVLAN ID

      • 管理OSに所属するローカル エリア接続のマシン名

      [設定例]

      sha0  -  ZZ-ZZ-ZZ-ZZ-ZZ-ZZ -
      sha0  2  XX-XX-XX-XX-XX-XX VM1
      sha0  3  YY-YY-YY-YY-YY-YY VM2

参考

  • 運用開始後、GLSの仮想アダプターを非活性化する場合は、Hyper-Vの設定からGLSの仮想アダプターを削除した後、stphanetコマンドを実行してください。

  • Windows Server 2008 R2環境において、仮想ネットワークマネージャに登録した仮想アダプターを管理OS上で使用しない場合、管理OSのMACアドレスはmaclist.txtに記載する必要はありません。