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PRIMECLUSTERGlobal Link Services 説明書 4.3 (マルチパス機能編)

B.1.1 障害監視

マルチパス方式において、伝送路監視デーモンにより、"active"状態の通信パスからスイッチに対して定期的に監視フレームを送信し、その応答を監視します。"active"状態の通信パスで異常を検出した場合には、その通信パスは"fail"状態とし、"standby"状態の通信パスを"active"状態に切替え、伝送路監視を継続します。

なお、通信パスの自動復旧機能使用時にケーブル抜けなどのLink Down検出によって通信パス異常となった場合には、Link Downとなった要因を取り除く(ケーブルを挿すなどでLink Upさせる)ことによって、通信パスが復旧できます。待機NICの異常監視では、マルチパス方式で束ねるデバイスのLink状態を定期的に監視します。

注意

  • 本機能は、IPv4プロトコルのみ対応しています。IPv6プロトコルはサポートしていません。

  • マルチリンクイーサネット方式には本伝送路監視デーモンは対応していません。従来の障害監視デーモン(mpnetd)が動作します。

"図B.1 マルチパス方式(通信パス2本)の伝送路監視"に通信パスが2本の場合の監視方法について示します。

図B.1 マルチパス方式(通信パス2本)の伝送路監視


マルチパス方式が活性化されると、運用NICから待機NICに接続されているスイッチ#2に対して定期的に監視フレームを送信し、その応答を監視します。スイッチ#2への監視に失敗した場合に、運用NICからスイッチ#2までの経路に異常があると判断し、次に運用NICに接続されているスイッチ#1に対して監視フレームを送信します。スイッチ#1への監視フレームの応答があった場合、スイッチ#2の異常またはスイッチ#1とスイッチ#2をカスケードしているケーブルの異常とみなし、スイッチ#1への監視を行います。また、スイッチ#1への監視フレームの応答がない場合、運用NICの異常、スイッチ#1の異常、NIC-スイッチ間を接続するケーブルの異常と見なし、待機NICを運用NICに切り替えます。


次に通信パスが4本の場合の監視方法について示します。

図B.2 マルチパス方式(通信パス4本)の伝送路監視


マルチパス方式が活性化されると、スイッチ#1が接続されているNICからスイッチ#4に対して定期的に監視フレームを送信し、その応答を監視します。スイッチ#4への監視に失敗するとスイッチ#3、スイッチ#2、スイッチ#1へと順番に監視対象を運用NICに近づけて、どの機器に異常があるかを絞り込んでいきます。"図B.2 マルチパス方式(通信パス4本)の伝送路監視"では、スイッチ#1、それに接続されるケーブル、NICのいずれかに異常が検出され、パス切替えが発生した後の状態を表しています。この場合、運用NICからスイッチ#1とスイッチ#4に対して同時に監視フレームを送信し、その応答を監視しています。

異常NICとなった通信パスについては、その要因を取り除くことによって待機(運用)NICとして復旧できます。待機NICについては、待機NICを制御するデバイスドライバのLink状態を確認することで監視を行っています。