ページの先頭行へ戻る
PRIMECLUSTERGlobal Link Services 説明書 4.3 (マルチパス機能編)

8.2.3 XSCFのDR機能の操作手順

8.2.3.1 切断時の操作手順

故障などでシステムボードを交換するために対象となる通信パスをマルチパス機能から一時的に切り離す場合の手順を"図8.3 切断時の操作手順"に示します。

図8.3 切断時の操作手順


  1. 停止状態にする

    マルチパス機能から切り離す通信パスが、運用("active")状態または待機("standby")状態の場合には、マルチパス制御コマンド(iompadmコマンド)のstopサブコマンドによって停止("stop")状態にする必要があります。stopサブコマンドについては、"6.3.2.7 stopサブコマンド"を参照してください。

    対象通信パスが、停止("stop")状態または異常("fail")状態の場合、本手順を実行する必要はありません。

    交換するシステムボードに接続されているNICの通信パスは、すべて停止("stop")状態にする必要があります。

    # /usr/opt/FJSViomp/bin/iompadm -c mpnet stop mpnet0 fjgi0
    # /usr/opt/FJSViomp/bin/iompadm -c mpnet stop mpnet1 fjgi2
    # 
     

    注意

    運用("active")状態の通信パスのNICが接続されているシステムボードを交換する場合において、他に運用("active")状態または待機("standby")状態の通信パスが存在しない場合には通信の継続ができません。

  2. 切断状態にする

    マルチパス機能から切り離す通信パスに対して、マルチパス制御コマンド(iompadmコマンド)のdisconnectサブコマンドによって切断("disconnected")状態にします。disconnectサブコマンドについては、"6.3.2.11 disconnectサブコマンド"を参照してください。

    交換するシステムボードに接続されているNICの通信パスは、すべて切断("disconnected")状態にする必要があります。

    # /usr/opt/FJSViomp/bin/iompadm -c mpnet disconnect mpnet0 fjgi0
    # /usr/opt/FJSViomp/bin/iompadm -c mpnet disconnect mpnet1 fjgi2
    # 
     

    disconnectサブコマンド実行後のMPNETインターフェースの状態を以下に示します。

    # /usr/opt/FJSViomp/bin/iompadm -c mpnet info
    IOMP: mpnet0
    Element:
            fjgi0    unconfigured    disconnected    unblock ""
            fjgi1    online  active  unblock ""
    Node:
            mpnet0
    Function:
            MPmode=false
            AutoPath=true
            Block=false
            NeedSync=false
    
    IOMP: mpnet1
    Element:
            fjgi2    unconfigured    disconnected    unblock ""
            fjgi3    online  active  unblock ""
    Node:
            mpnet1
    Function:
            MPmode=false
            AutoPath=true
            Block=false
            NeedSync=false
    
    # 
     
  3. システムボードを切り離す

    切断("disconnected")状態となった通信パスのNICが接続するシステムボードについて、deleteboard -c disconnectコマンドを使用してシステムボードを切り離します。

    deleteboardコマンドの詳細については、"SPARC Enterprise M4000/M5000/M8000/M9000 サーバ Dynamic Reconfiguration (DR) ユーザーズガイド"を参照してください。

    注意

    1NICに複数ポートがあるNICが接続されているシステムボードの交換を実施する場合には、対象NICの全ポートについて切断("disconnected")状態または非活性状態にする必要があります。

8.2.3.2 接続時の操作手順

故障などでシステムボードを交換するために一時的に切り離された通信パスを再びマルチパス機能に組み込むための手順を"図8.4 接続時の操作手順"に示します。

図8.4 接続時の操作手順


  1. システムボードを組み込む

    交換したシステムボードについて、addboard -c configureコマンドを使用して組み込みます。

    addboardコマンドの詳細については、"SPARC Enterprise M4000/M5000/M8000/M9000 サーバ Dynamic Reconfiguration (DR) ユーザーズガイド"を参照してください。

    注意

    交換したシステムボードに接続するNICは、交換前と同じスロットに挿入してください。異なるスロットに挿入した場合、その物理デバイス名が交換前と異なるため、接続時に失敗します。

  2. マルチパス機能に組み込む

    XSCFのDR機能によって切り離された通信パスを再度マルチパス機能に組み込む場合には、マルチパス制御コマンド(iompadmコマンド)のconnectサブコマンドによって停止("stop")状態にします。connectサブコマンドについては、"6.3.2.12 connectサブコマンド"を参照してください。

    交換したシステムボードに接続するNICの通信パスは、すべて停止("stop")状態にする必要があります。

    # /usr/opt/FJSViomp/bin/iompadm -c mpnet connect mpnet0 fjgi0
    # /usr/opt/FJSViomp/bin/iompadm -c mpnet connect mpnet1 fjgi2
    # 
     
  3. 運用状態にする

    connectサブコマンドによって停止("stop")状態となった対象通信パスに対して、マルチパス制御コマンド(iompadmコマンド)のstartサブコマンドによって運用("active")状態または待機("standby")状態にします。startサブコマンドについては、"6.3.2.6 startサブコマンド"を参照してください。

    交換したシステムボードに接続するNICの通信パスは、すべて運用("active")状態または待機("standby")状態にする必要があります。

    # /usr/opt/FJSViomp/bin/iompadm -c mpnet start mpnet0 fjgi0
    # /usr/opt/FJSViomp/bin/iompadm -c mpnet start mpnet1 fjgi2
    # 
     

8.2.3.3 増設時の操作手順

新規に増設したシステムボードに接続するPCIカードをマルチパス機能で使用するための手順を"図8.5 増設時の操作手順"に示します。

図8.5 増設時の操作手順

  1. システムボードを組み込む

    増設するシステムボードについて、addboard -c configureコマンドを使用して組み込みます。

  2. マルチパス機能にデバイスを追加する

    組み込んだシステムボードに接続するNICをマルチパス機能に追加する場合には、マルチパス制御コマンド(iompadmコマンド)のaddサブコマンドによって停止("stop")状態にします。addサブコマンドについては、"6.3.2.9 addサブコマンド"を参照してください。

    組み込んだシステムボードに接続するNICの通信パスは、すべて停止("stop")状態にする必要があります。

    # /usr/opt/FJSViomp/bin/iompadm -c mpnet add mpnet0 fjgi0
    # /usr/opt/FJSViomp/bin/iompadm -c mpnet add mpnet1 fjgi2
    # 
     
  3. 運用状態にする

    addサブコマンドによって停止("stop")状態となった対象通信パスに対して、マルチパス制御コマンド(iompadmコマンド)のstartサブコマンドによって運用("active")状態または待機("standby")状態にします。startサブコマンドについては、"6.3.2.6 startサブコマンド"を参照してください。

    組み込んだシステムボードに接続するNICの通信パスは、すべて運用("active")状態または待機("standby")状態にする必要があります。

    # /usr/opt/FJSViomp/bin/iompadm -c mpnet start mpnet0 fjgi0
    # /usr/opt/FJSViomp/bin/iompadm -c mpnet start mpnet1 fjgi2
    # 
     

8.2.3.4 削除時の操作手順

PCIカード故障、他の用途で使用するなどによってマルチパス機能で使用しない通信パスを切り離すための手順を"図8.6 削除時の操作手順"に示します。

図8.6 削除時の操作手順


  1. 停止状態にする

    XSCFのDR機能を実施する対象通信パスが、運用("active")状態または待機("standby")状態の場合には、マルチパス制御コマンド(iompadmコマンド)のstopサブコマンドによって停止("stop")状態にする必要があります。stopサブコマンドについては、"6.3.2.7 stopサブコマンド"を参照してください。

    対象通信パスが、停止("stop")状態または異常("fail")状態の場合、本手順を実行する必要はありません。

    DRを行うシステムボードに接続されているNICの通信パスは、すべて停止("stop")状態にする必要があります。

    # /usr/opt/FJSViomp/bin/iompadm -c mpnet stop mpnet0 fjgi0
    # /usr/opt/FJSViomp/bin/iompadm -c mpnet stop mpnet1 fjgi2
    # 
     

    注意

    運用("active")状態の通信パスのNICが接続されているシステムボードを削除する場合において、他に運用("active")状態または待機("standby")状態の通信パスが存在しない場合には通信の継続ができません。

  2. マルチパス機能からデバイスを削除する

    マルチパス機能から削除する通信パスに対してマルチパス制御コマンド(iompadmコマンド)のdelサブコマンドによってマルチパス機能からデバイスを削除します。delサブコマンドについては、"6.3.2.10 delサブコマンド"を参照してください。

    DRを行うシステムボードに接続されているデバイスは、すべて削除する必要があります。

    # /usr/opt/FJSViomp/bin/iompadm -c mpnet del mpnet0 fjgi0
    # /usr/opt/FJSViomp/bin/iompadm -c mpnet del mpnet1 fjgi2
    # 
     
  3. システムボードを切り離す

    マルチパス機能から削除された通信パスのNICが接続するシステムボードについて、deleteboard -c unassignコマンドを使用してシステムボードを切り離します。

    注意

    1NICに複数ポートがあるNICの接続されているシステムボードの削除を実施する場合には、対象NICの全ポートについて切断("disconnected")状態または非活性状態にする必要があります。