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Interstage Business Application ServerV10.0.0 COBOLアプリケーション開発リファレンス
Interstage

6.1.4 プリコンパイラ

プリコンパイラ機能によりプリコンパイラ入力ソースを含むCOBOLプログラムの開発ができます。

6.1.4.1 プリコンパイラ連携情報の初期値の設定・変更

プリコンパイラコマンドを呼び出す情報の初期値を設定・変更できます。
ここで設定した値は、ワークスペース内のCOBOLプロジェクトおよびCORBAサーバプロジェクトにプリコンパイラ連携情報を設定するときの初期値として共有されます。

以下の手順でプリコンパイラ連携情報の初期値を設定・変更します。

  1. メニューバーから[ウィンドウ] > [設定]を選択します。[設定]ダイアログボックスが表示されます。

  2. [設定]ダイアログボックスの左のペインで[COBOL] > [プリコンパイラ]を選択すると[プリコンパイラ]ページが表示されるので、初期値を設定・変更します。

    項目

    説明

    プリコンパイラを使用する

    現在使用しているワークスペース内のCOBOLプロジェクトまたはCORBAサーバプロジェクトでプリコンパイラを使用する場合に選択します。

    プリコンパイラコマンド

    プリコンパイラとして起動するコマンド名を指定します。

    プリコンパイラのパラメタ

    プリコンパイラコマンドのパラメタを指定します。

    入力ソースの拡張子

    プリコンパイラ入力ソースファイルの拡張子を指定します。
    以下の拡張子を指定することはできません。

    • cobol

    • cob

    • cbl

    • lcai

    出力ソースの拡張子

    プリコンパイラ出力ソースファイルの拡張子を選択します。

    COBOLコンパイラのエラーメッセージをプリコンパイラ入力ソースの行番号で表示する

    選択するとプリコンパイラ入力ソースの行対応情報をCOBOLソースファイルへ展開します(INSDBINFコマンドを呼び出します)。
    初期値では選択されていません。

    INSDBINFコマンドのパラメタ

    プリコンパイルによって生成されたCOBOLソースファイルに、プリコンパイラ入力ソースに対する行補正情報を展開するINSDBINFコマンドのパラメタを指定します。
    ただし、入力ソースファイル名と出力ソースファイル名は、プリコンパイラ入力ソースファイル名から決定されるため、指定する必要はありません。

プリコンパイラのコマンドパラメタへのファイル名の指定方法

プリコンパイラのコマンドパラメタへファイル名を指定する必要がある場合は、次のマクロを指定してください。プリコンパイラコマンド呼び出し時に、ファイル名が自動的に展開されます。

マクロ名

マクロの意味

%INFILE%

プリコンパイラ入力ソースのファイル名

%INFILE_BASE%

プリコンパイラ入力ソースの拡張子を取り除いたファイル名

%OUTFILE%

プリコンパイラ出力ソースのファイル名

INSDBINFコマンド

Oracle連携時には、INSDBINFコマンドを使用することによりCOBOLコンパイラとプリコンパイラ連携での、以下のような問題を解決します。

INSDBINFコマンドは行番号制御情報およびファイル名制御情報を埋め込んだ中間ファイルを生成します。

行番号制御情報(#LINE情報)は、プリコンパイルを行う前のソースの行番号を、それ以降に動作するコンパイラまたはプリコンパイラに通知するための情報です。

ファイル名制御情報(#FILE情報)は、オリジナルソースプログラムのファイル名や、プリコンパイラがインクルードしたファイルのファイル名を、それ以降に動作するコンパイラまたはプリコンパイラに通知するための情報です。

COBOLコンパイラは、INSDBINFコマンドが生成した中間ファイルを入力ファイルとすることにより、行番号制御情報およびファイル名制御情報を参照できます。それらの情報からオリジナルソースファイルとプリコンパイル後のソースファイル行番号の対応付けたオリジナルソースプログラムおよびインクルードファイルのファイル名の取得が可能となります。これにより、COBOLコンパイラとプリコンパイラの連携時の問題が解決されることになります。

INSDBINFコマンドの詳細は、"NetCOBOL 使用手引書"を参照してください。

6.1.4.2 プリコンパイラを使用したCOBOLプログラムの作成

プリコンパイラを使用するCOBOLプログラム開発は、COBOLプロジェクトまたはCORBAサーバプロジェクトの新規作成時にプリコンパイラを使用するプロジェクトであることを指示すれば、プリコンパイラを使用するためのビルド環境が設定されます。

既存のCOBOLプロジェクトまたはCORBAサーバプロジェクトでプリコンパイラを使用できるようにビルド環境を変更するには、以下の手順で設定します。

  1. [ビルドツール]にプリコンパイラを追加

  2. プリコンパイラ連携情報の設定

  3. プリコンパイラ入力ソースの生成・追加

6.1.4.2.1 ビルドツールの設定

COBOLプロジェクトおよびCORBAサーバプロジェクトのビルド時にプリコンパイラを呼び出すためには、[ビルドツール]に[プリコンパイラ]が設定されている必要があります。

ビルドツールへ[プリコンパイラ]を追加する

COBOLプロジェクトまたはCORBAサーバプロジェクトのビルドツールに[プリコンパイラ]が設定されていない場合、以下の手順で[プリコンパイラ]を追加します。

  1. [依存]または[構造]ビューから[プリコンパイラ]を追加するプロジェクトを選択します。

  2. コンテキストメニューから[プロパティ]を選択します。[プロパティ]ダイアログボックスが表示されます。

  3. 左のペインで[ビルドツール]を選択すると[ビルドツール]ページが表示されます。

  4. [追加]を選択すると[ビルドツール選択]ダイアログボックスが表示されます。

  5. [プリコンパイラ]を選択して、[OK]をクリックします。

  6. [ビルドツール]ページの[COBOLビルダに関連付けられたビルドツールの一覧]に[プリコンパイラ]が追加されていることを確認して、[プロパティ]ダイアログボックスの[OK]をクリックします。

ビルドツールから [プリコンパイラ]を削除する

以下の手順でCOBOLプロジェクトまたはCORBAサーバプロジェクトから[プリコンパイラ]を削除します。ただし、[ソースファイル]フォルダにプリコンパイラ入力ソースが登録されている場合は、削除することはできません。

  1. 依存ビューまたは構造ビューから[プリコンパイラ]を削除するプロジェクトを選択します。

  2. コンテキストメニューから[プロパティ]を選択します。[プロパティ]ダイアログボックスが表示されます。

  3. 左のペインで[ビルドツール]を選択すると[ビルドツール]ページが表示されます。

  4. [ビルドツール]ページの[COBOLビルダに関連付けられたビルドツールの一覧]から[プリコンパイラ]を選択し、[削除]をクリックします。

  5. [COBOLビルダに関連付けられたビルドツールの一覧]から[プリコンパイラ]が削除されていることを確認して、[プロパティ]ダイアログボックスの[OK]をクリックします。

注意

[ソースファイル]フォルダにプリコンパイラ入力ソースが登録された状態ではビルドツールから[プリコンパイラ]を削除することはできません。[ソースファイル]フォルダからプリコンパイラ入力ソースを削除してから実行してください。

6.1.4.2.2 プリコンパイラ連携情報の設定・変更

プリコンパイラ入力ソースを含むCOBOLプロジェクトまたはCORBAサーバプロジェクトをビルドする際に呼び出すプリコンパイラコマンドの情報を、設定・変更できます。

ビルドツールに[プリコンパイラ]を追加した直後は、[設定]ダイアログボックスの[プリコンパイラ]ページでプリコンパイラ連携情報の初期値が設定されていればその値が初期値となります。

プリコンパイラ連携情報を設定・変更する

以下の手順でCOBOLプロジェクトまたはCORBAサーバプロジェクトにプリコンパイラの情報を設定・変更します。

  1. 依存ビューまたは構造ビューでプリコンパイラ連携情報を設定するプロジェクトを選択します。

  2. コンテキストメニューから[プロパティ]を選択します。[プロパティ]ダイアログボックスが表示されます。

  3. 左のペインで[ビルドツール] > [プリコンパイラ]を選択すると[プリコンパイラ]ページが表示されます。

プリコンパイラページの詳細については"6.1.4.1 プリコンパイラ連携情報の初期値の設定・変更"を参照してください。

注意

[ソースファイル]フォルダにプリコンパイラ入力ソースが登録されている場合、[プリコンパイラ]ページの[入力ソースの拡張子]は変更できません。プリコンパイラ入力ソースの拡張子を変更する場合は、[ソースファイル]フォルダからプリコンパイラ入力ソースを削除してから再実行してください。

6.1.4.2.3 プリコンパイラ入力ソースの生成・追加

プリコンパイラ入力ソースをプロジェクトに追加するには、あらかじめプロジェクトにプリコンパイラ連携情報が設定されていなければなりません。

プリコンパイラ入力ソースは、COBOLプロジェクトまたはCORBAサーバプロジェクトの[ソースファイル]フォルダに登録されていなければなりません。[ソースファイル]フォルダに登録するには、次の2つの方法があります。

プリコンパイラ入力ソースを新規作成して[ソースファイル]フォルダへ登録するには、[COBOLソース生成ウィザード]または[オブジェクト指向COBOLソース生成ウィザード]を使用します。

ウィザードの1枚目にある[プリコンパイラを使用する]チェックボックスをチェックすると、生成したCOBOLソースまたはオブジェクト指向COBOLソースが、プリコンパイラ入力ソースとして[ソースファイル]フォルダに登録されます。

以下の手順でウィザードを起動します。

  1. 依存ビューまたは構造ビューでプリコンパイラ入力ファイルを生成するCOBOLプロジェクトの[ソースファイル]フォルダを選択します。

  2. メニューバーから[ファイル] > [新規] > [COBOLソース] または[オブジェクト指向COBOLソース]を選択するか、コンテキストメニューから[新規] > [COBOLソース] または[オブジェクト指向COBOLソース]を選択すると、ウィザードが起動します。

注意

プロジェクトにプリコンパイラ連携情報が設定されていない場合は、[プリコンパイラを使用する]チェックボックスが無効となります。プリコンパイラ連携情報を設定してから、再度ウィザードを起動してください。

既存のプリコンパイラ入力ソースを、COBOLプロジェクトまたはCORBAサーバプロジェクトの[ソースファイル]フォルダへプリコンパイラ入力ソースとして登録できます。

注意

プロジェクトにプリコンパイラ連携情報が登録されていない場合はエラーとなります。[ソースファイル]フォルダにファイルは登録されますが、プリコンパイラ入力ソースとして登録はされません。このままの状態でプロジェクトにプリコンパイラ連携情報を設定しても上記の操作で追加したファイルがプリコンパイラ入力ソースとして自動的に再登録はされません。[ソースファイル]フォルダから[その他のファイル]フォルダへ移動して、再度[ソースファイル]フォルダへ登録してください。

6.1.4.2.4 プリコンパイラ入力ソースの編集

プリコンパイラ入力ソースの内容をCOBOLエディタで編集するには、プリコンパイラ入力ソースファイルの拡張子をコンテンツタイプおよびCOBOLエディタに関連付ける必要があります。プリコンパイラ入力ソースファイルの拡張子のコンテンツタイプおよびCOBOLエディタへの関連付けは、プリコンパイラ連携情報を設定したときに自動的に行われます。

プリコンパイラ入力ソースファイルがCOBOLエディタで開かれない場合は、以下の手順でファイルの拡張子をコンテンツタイプおよびCOBOLエディタに関連付けます。

  1. メニューバーから[ウィンドウ] > [設定]を選択すると、[設定]ダイアログボックスが表示されます。

  2. [設定]ダイアログボックスの左のペインで[一般] > [コンテンツタイプ]を選択すると、[コンテンツタイプ]ページが表示されます。

  3. [コンテンツタイプ]から[テキスト] > [COBOLソースファイル]を選択します。

  4. [追加]をクリックすると、[新規ファイルタイプ]ダイアログボックスが表示されます。

  5. [新規ファイルタイプ]ダイアログボックスの[ファイルタイプ]にプリコンパイラ入力ソースファイルの拡張子を入力して、[OK]をクリックします。

  6. [コンテンツタイプ]ページの[ファイルの関連付け]にプリコンパイラ入力ソースファイルの拡張子が表示されていることを確認し、[OK]をクリックします。

  7. [設定]ダイアログボックスの左のペインで[一般] > [エディタ] > [ファイルの関連付け]を選択すると、[ファイルの関連付け]ページが表示されます。

  8. [ファイルの関連付け]ページの[ファイルタイプ]の右側の[追加]をクリックすると、[新規ファイルタイプ]ダイアログボックスが表示されます。

  9. [新規ファイルタイプ]ダイアログボックスの[ファイルタイプ]に、プリコンパイラ入力ソースファイルの拡張子を入力して、[OK]をクリックします。[ファイルの関連付け]ページの[ファイルタイプ]に指定した拡張子が追加されます。

  10. [ファイルの関連付け]ページの[ファイルタイプ]から追加した拡張子を選択して、[関連付けられたエディタ]の右側の[追加]をクリックすると、[エディタの選択]ダイアログボックスが表示されます。

  11. [エディタの選択]ダイアログボックスの[内部エディタ]が選択されていることを確認し、[COBOLエディタ]を選択します。

  12. [ファイルの関連付け]ページの[関連付けられたエディタ]に[COBOLエディタ]が追加されます。