監査ログ分析機能をLinux for Itanium版で利用する場合、事前に32ビットの実行環境の設定が必要です。設定については、以下の手順をroot権限で実行してください。
日本語環境の設定
Linux 日本語環境をUTF-8で運用する場合でも、本機能のために日本語環境としてSJISを導入してください。以下のコマンドをrootユーザにて実行します。
localedef -f WINDOWS-31J -i ja_JP -c /usr/lib/locale/ja_JP.SJIS |
上記コマンドを実行した際、警告メッセージが表示されることがありますが、無視してください。
32ビットエミュレータのインストール
以下の手順で、32ビットエミュレータのインストールを行ってください。手順の中で Red Hat Enterprise Linux AS (v.5 for Itanium) に含まれる以下の媒体が必要になる場合があります。
Red Hat Enterprise Linux Extras CD-ROM
Red Hat Enterprise Linux Compatibility Layer CD-ROM
IA-32 ELパッケージの確認
以下のコマンドにより、IA-32 ELパッケージがインストールされているかを確認します。
rpm -q ia32el |
インストールされていない場合は、“手順2”を行ってください。
IA-32 ELパッケージがインストールされていなかった場合のインストール方法
Red Hat Enterprise Linux Extras CD-ROM をCD-ROMドライブに挿入し、マウントします。ここでは、“/media/cdrom”にマウントします。
IA-32 ELパッケージをインストールします。
cd /media/cdrom/RedHat/RPMS/ rpm -ivh ia32el-?.?-?.ia64.rpm (注1) |
IA-32 EL を有効化します(注2)。
/sbin/service ia32el start |
アンマウントしCD-ROMを取り出します。
umount /media/cdrom eject |
注1) rpmのバージョン、レベル、リリース番号の“?.?.?-?” 部分については、“/media/cdrom/RedHat/RPMS”でlsコマンドを実行して該当するrpmのバージョン、レベル、リリース番号を確認してください。
注2) システムを再起動した場合は、rcスクリプトにより自動的に有効になります。IA-32 EL が起動されているかは、以下のコマンドの出力メッセージで確認できます。
/sbin/service ia32el status |
有効になっている場合
実行結果:Intel IA-32 Execution Layer in use |
無効になっている場合
実行結果:No IA-32 Support |
必要な32bit版パッケージがインストールされているかの確認方法
glibc、bash、libtermcap、gdb、libgcc、ncurses、libstdc++の確認
以下のコマンド(注1)により表示されるパッケージに、glibc、bash、libtermcap、gdb、libgcc、ncurses、libstdc++が含まれているかを確認してください。
rpm -qa --queryformat "%{NAME}-%{VERSION}-%{RELEASE}.%{ARCH}\n" | grep i[3456]86 |
注1) このコマンドにより、システムにインストールされている 32bit版のパッケージがすべて表示されます。32bit版のパッケージがインストールされていない場合は、何も表示されません。
必要な32bit版パッケージがインストールされていない場合のインストール方法
以下の順番でインストールしてください。すでにインストールされているパッケージの部分は飛ばしてください。
Red Hat Enterprise Linux Compatibility Layer CD-ROM をCD-ROMドライブに挿入し、マウントします。ここでは、“/media/cdrom”にマウントします。
glibc のインストール
cd /media/cdrom/RedHat/RPMS |
bash, gdb, libgcc, libstdc++ のインストール
cd /media/cdrom/RedHat/RPMS |
アンマウントしCD-ROMを取り出します。
umount /media/cdrom |
注1) rpmのバージョン、レベル、リリース番号の“?.?.?-?”部分については、“/media/cdrom/RedHat/RPMS”でlsコマンドを実行して該当するrpmのバージョン、レベル、リリース番号を確認してください。
32bit実行環境の設定について
32bit実行環境を使用するためには、IA-32 EL が有効になっている必要があります。
IA-32 EL は、rcスクリプトによりシステム起動時に“起動順番5”として自動的に有効になり、システム終了時に“停止順番95”として自動的に無効になります。
したがって、IA-32 ELのインストール後にシステムをリブートすることで32bit実行環境について特に設定を行う必要はありません。
以下は、IA-32 EL が有効になっているかの確認方法、および有効・無効化を手動で行う場合の方法です。
確認方法
/sbin/service ia32el status |
有効になっている場合
実行結果:Intel IA-32 Execution Layer in use |
無効になっている場合
実行結果:No IA-32 Support |
有効・無効化
/sbin/service ia32el start |
有効化
実行結果:Starting Intel IA-32 Execution Layer: [ OK ] |
無効化
Stopping Intel IA-32 Execution Layer: [ OK ] |
再起動方法
/sbin/service ia32el start |
実行結果
Stopping Intel IA-32 Execution Layer: [ OK ] |