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Systemwalker Centric Manager 導入手引書
Systemwalker

1.1.1 システム構成

Systemwalker Centric Managerを導入する場合、実際のネットワーク環境やシステムを管理する組織構造を考慮してシステムの構成を検討する必要があります。

運用管理サーバはどこに設置したらよいのか、部門管理サーバは設置する必要があるのか、また、設置するとしたら、どこに設置し、どの範囲までを管理するのかなどを検討していきます。

以下に検討事項についての説明を記載します。

管理ドメインとサブドメイン

Systemwalker Centric Managerでは、運用管理サーバが管理する単位を管理ドメインと呼び、部門管理サーバが管理する単位をサブドメインと呼びます。管理ドメインは複数のサブドメインから構成され、サブドメインは複数のTCP/IPネットワークのサブネットアドレスから構成されます。サブドメインには、管理対象となる業務サーバやクライアント、ネットワーク機器が所属します。

運用管理サーバ自身もサブドメインを管理します。運用管理サーバが管理するサブドメインを“自部門サブドメイン”と呼び、管理ドメイン作成時に、運用管理サーバの存在するサブネットを所属させて自動的に作成されます。

管理ドメインおよびサブドメインは、以下のWindows OSのドメインとは関係ありません。

管理ドメインとサブドメインの概念図を“管理ドメインとサブドインの概念図”および“管理ドメインとサブドメインの概念図(ツリーイメージ)”に示します。

図1.1 管理ドメインとサブドメインの概念図

図1.2 管理ドメインとサブドメインの概念図(ツリーイメージ)

Systemwalker Centric Managerは、部門管理サーバを設置することで、運用管理サーバの負荷を分散し、運用管理サーバと監視対象の部門間で発生する監視のためのトラフィックを軽減することができます。

したがって、Systemwalker Centric Managerのシステム構成を検討する場合は、管理ドメインとサブドメインの構成、すなわち、運用管理サーバや部門管理サーバの配置、ならびに運用管理サーバや各部門管理サーバが管理対象とするサブネットを検討する必要があります。


エージェントのインストール形態を決定する

Systemwalker Centric Managerの導入に際して、エージェントをインストールする場合とインストールしない場合の2種類の形態を提供しています。

以下の選択基準をもとに監視する形態を決定します。

監視する形態

選択基準

エージェントをインストールする場合
(インストール型エージェント監視)

  • サーバ操作/アクセス制御、リモート操作、資源配付/インベントリ管理などの被監視システム上で細やかな制御を必要とする機能を使用する場合

  • 監視のリアルタイム性が重要視される場合

  • 大規模システムの監視等でネットワーク負荷を最小限にしたい場合

エージェントをインストールしない場合
(インストールレス型エージェント監視)

非デプロイ方式

  • インストール型エージェントがサポートしていないOSを監視対象としたい場合

  • すでに稼働中のシステム等で被監視システム上に監視プログラムを全く導入したくない場合。

  • 被監視システムのメンテナンス作業を軽減したい場合
    (被監視システムへのSystemwalker Centric Managerのパッチ適用を実施したくない場合)

デプロイ方式

  • インストール型エージェントがサポートしていないOSを監視対象としたい場合

  • インストールレス型エージェント監視(非デプロイ方式)でサポートしていない以下の機能を使用したい場合

    • アプリケーション監視

    • サーバ性能監視

    • ログファイル監視(システム監視)

  • 被監視システムのメンテナンス作業を軽減したい場合
    (被監視システムへのSystemwalker Centric Managerのパッチ適用を実施したくない場合)


システムの構成例

インストール型エージェントで監視する場合のシステム構成例

Systemwalker Centric Managerの管理単位である管理ドメイン、およびサブドメインを考慮した、一般的なシステムの構成例を以下に示します。

なお、ネットワーク環境や管理体系などの問題のため、一般的なシステム構成をとれない場合は、“機能ごとの詳細構成を決定する”を参照してシステム構成を検討してください。


部門管理サーバを設置せず、運用管理サーバだけで監視する

部門管理サーバを設置せず、運用管理サーバだけで監視対象の部門内のノードを直接監視します。この形態は、LAN環境で、かつ、管理対象が少ない場合に適用できます。

WANを経由した監視対象の部門も管理することが可能ですが、この場合、監視のために発生するトラフィックを軽減するために、ノード状態を監視するためのポーリング回数を減らしたり、運用管理サーバに通知するイベントを絞り込むなどの工夫を施す必要があります。

構成例を以下に示します。

部門管理サーバを設置せず、運用管理サーバだけで監視する構成例


部門管理サーバを設置して、部門管理サーバ経由で監視する

部門管理サーバを設置し、運用管理サーバから部門管理サーバを経由して、監視対象の部門内のノードを監視します。

なお、部門管理サーバを設置する場合は、設置する部門管理サーバにサブドメインを管理させる構成としてください。サブドメインによる管理を行う必要がない場合は、部門管理サーバではなく業務サーバを設置してください。

この形態は、以下のような構成に適用できます。

  • LAN-WAN-LAN環境でWANを経由して監視する場合

  • 部門内の監視対象ノード数が多く、トラフィックを軽減したい場合

  • 部門管理サーバを設置することで、以下の監視のために発生するトラフィックを軽減することができます。

  • SNMPトラップの監視

  • MIB監視

  • 稼働状態の監視

  • 性能監視

構成例を以下に示します。

部門管理サーバを設置して、部門管理サーバ経由で監視する構成例


インストールレス型エージェントで監視する場合のシステム構成例

Systemwalker Centric Managerでは、Systemwalker Centric Managerのエージェントを導入していないサーバも監視することができます。

一般的なシステムの構成例を以下に示します。

部門管理サーバを設置せず、運用管理サーバだけで監視する

Systemwalker Centric Managerでは、Systemwalker Centric Managerのエージェントを導入していないサーバも監視することができます。

運用管理サーバにSystemwalker Centric Managerをインストールし、運用管理サーバから直接業務サーバを監視します。


部門管理サーバを設置して、部門管理サーバ経由で監視する

1台の運用管理サーバで監視する、Systemwalker Centric Managerのエージェントを導入していない業務サーバが300台以上の構成の場合は、部門管理サーバを設置し3階層で監視します。

[ノード一覧]ツリー上で、Systemwalker Centric Managerが導入された業務サーバと同じように、エージェントを導入していない業務サーバを監視する部門管理サーバを配置します。部門管理サーバとエージェントを導入していない業務サーバとの関係を明示する場合は、部門管理サーバごとに論理フォルダを作成し、エージェントを導入していない業務サーバをフォルダ配下に配置してください。


WindowsとUNIXの混在環境の場合

業務サーバがWindowsとUNIXが混在する環境においても1台の監視サーバで直接監視できます。