本節では、PRIMECLUSTERのクラスタシステムにManager/Enterprise Managerを導入する手順について説明します。
Manager/Enterprise Managerをクラスタシステム運用することにより、片方のノードに障害が発生した場合でも、正常な別ノードに管理業務を引き継ぎますので、管理業務の高可用性を実現することができます。
■実行環境
本機能は、Systemwalker Service Quality Coordinator Enterprise Editionで提供される機能です。
また、本機能を導入できるのはEnterprise ManagerとManagerです。
■実行に必要な権限
【UNIX版】
システム管理者(スーパーユーザー)権限が必要です。
■本手順を行う前に
本節で説明する作業を行う前に、PRIMECLUSTERのインストールおよび環境設定を行っておく必要があります。
PRIMECLUSTERをインストールし、新しくクラスタ環境を構築する場合の手順については、必要に応じて「PRIMECLUSTER導入運用手引書」を参照してください。
注意
本節では、PRIMECLUSTERのクラスタ環境にManager/Enterprise Managerの環境を構築する手順について説明しており、PRIMECLUSTER の設定を含んでいます。本節を読むにあたり、PRIMECLUSTERの基本的な理解と、実務知識が必要です。
また以下の場合は、クラスタシステムにManagerを導入することはできません。
二重化運用されたManager
サポートするクラスタシステムと形態は以下のとおりです。
[クラスタシステム]
Fujitsu PRIMECLUSTER Enterprise Edition 4.1/4.1A10/4.1A20/4.1A30/4.1A40/4.2A00
Fujitsu PRIMECLUSTER HA Server 4.1/4.1A10/4.1A20/4.1A30/4.1A40/4.2A00
Fujitsu PRIMECLUSTER Clustering Base 4.1/4.1A10/4.1A20/4.1A30/4.1A40/4.2A00
Fujitsu PRIMECLUSTER Enterprise Edition 4.2A00/4.2A30/4.3A00
Fujitsu PRIMECLUSTER HA Server 4.2A00/4.2A30/4.3A00
Fujitsu PRIMECLUSTER Clustering Base 4.2A00/4.2A30/4.3A00
[クラスタ形態]
1:1運用待機形態(1つのノードを別の1つのノードで待機する形態)
本節では、管理業務を運用するノードを「現用系」、業務を引き継ぐために待機するノードを「待機系」と呼び、異常が発生したときに現用系から待機系へ業務を引き継ぐことを「フェールオーバ」と呼びます。また、現用系と待機系とで共用して使用するディスクを「共用ディスク」と呼びます。
ポイント
クラスタ運用を行っているManagerのホスト名やIPアドレスを設定する場合(Agent/Proxy Manager/運用管理クライアントのインストールなど)には、論理ホスト名や論理IPアドレスを指定します。これによって、現用系か待機系かを意識することなく運用することができます。
以項で、二階層運用を行うシステムでEnterprise Managerのクラスタ化を行なう場合と、Managerのクラスタ化を行なう場合の手順を説明します。