Interstage V10.0での変更内容を説明します。
パスワードファイルの変更について
Interstage V9.3以前のバージョンから移行する場合、Interstage Java EE JMSのメッセージブローカとの接続に必要なユーザとグループを管理しているパスワードファイルの暗号強度が本製品の暗号強度よりも弱くなります。このため、以下の対処を実施し、パスワードファイルの暗号強度を強化することを推奨します。
注意
本操作後は、メッセージブローカで管理されているユーザ情報が初期化されます。初期化されるユーザ情報は以下のとおりです。
adminユーザのパスワード
adminユーザ、guestユーザ以外のユーザ情報(ユーザ情報が削除されます。)
メッセージブローカに登録されているユーザ情報を確認します。
ユーザ情報の確認はimqusermgrコマンドのlistサブコマンドを使用してください。listサブコマンドの詳細については、「リファレンスマニュアル(コマンド編)」を参照してください。
メッセージブローカを停止してください。
デフォルトのパスワードファイル「passwd.default」※1を「passwd」として変更対象であるメッセージブローカのパスワードファイル「passwd」※2にコピーしてください。
※1:デフォルトのパスワードファイルの格納先
C:\Interstage\F3FMisjee\imq\etc\passwd.default
/opt/FJSVisjee/imq/etc/passwd.default
※2:メッセージブローカのパスワードファイルの格納先
[Java EE共通ディレクトリ]\domains\interstage\imq\instance\${メッセージブローカ名}\etc
[Java EE共通ディレクトリ]/domains/interstage/imq/instances/${メッセージブローカ名}/etc
adminユーザのパスワードを必要に応じて更新してください。
adminユーザの更新にはimqusermgrコマンドのupdateサブコマンドを使用して、ユーザ情報の更新を行ってください。updateサブコマンドの詳細については、「リファレンスマニュアル(コマンド編)」を参照してください。
手順1で確認したユーザ情報を追加してください。
ユーザ情報の追加にはimqusermgrコマンドのaddサブコマンドを使用して、ユーザ情報の追加を行ってください。addサブコマンドの詳細については、「リファレンスマニュアル(コマンド編)」を参照してください。
Java EE運用コマンドについて
Interstage V9.3以前のバージョンでは、以下のコマンドにおいてInterstage Application Serverの製品のバージョン情報を表示させることが可能でした。
しかし、本製品では製品のバージョン情報を表示させることはできません。
imqbrokerd
imqcmd
imqusermgr
製品のバージョン情報を確認する場合には、保守情報採取コマンドのisprintvlコマンドを使用して確認してください。
isprintvlコマンドの詳細については、「リファレンスマニュアル(コマンド編)」を参照してください。
また、Interstage V10.0以降のバージョンでは、imqcmdコマンドのサブコマンドの表示内容が変更されています。
変更となったimqcmdコマンドのサブコマンドは、以下のとおりです。
list dst
query dst
上記サブコマンドの表示内容の詳細については、「リファレンスマニュアル(コマンド編)」を参照してください。
単一のトランザクションで処理できるメッセージ数制限について
Interstage V9.3以前のバージョンでは、単一のトランザクションで処理できるメッセージ数に制限はありませんでした。
しかし、本製品では単一のトランザクションで処理できるメッセージ数を制限するように変更となりました。
プロパティ名 | 意味 | デフォルト値 |
---|---|---|
imq.transaction.producer.maxNumMsgs | プロデューサが、単一のトランザクションで処理できるメッセージの最大数 | 1000 |
imq.transaction.consumer.maxNumMsgs | コンシューマが、単一のトランザクションで処理できるメッセージの最大数 | 100 |
メッセージブローカのオプションプロパティ名
imq.transaction.producer.maxNumMsgs
指定方法
単一のトランザクションでプロデューサが処理できるメッセージ数を50件に設定します。
imqbrokerd -Dimq.transaction.producer.maxNumMsgs=50
メッセージブローカのアクセスログについて
Interstage V9.3まではメッセージブローカのアクセスログは出力されませんでした。
Interstage V10.0以降は、デフォルトで出力されます。
メッセージブローカのアクセスログをInterstage V10.0以降の環境で出力しない場合は、メッセージブローカに以下を設定してください。
メッセージブローカのオプションプロパティ名
imq.log.access.level
指定方法
「NONE」を設定します。
imqbrokerd -Dimq.log.access.level=NONE