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Interstage Application Server/Interstage Web Server トラブルシューティング集
Interstage

A.1.6 トレース情報出力の形式

  ここでは、トレース情報出力の形式を説明します。
  トレース情報として出力される情報には、以下の2種類があります。

  Java  VMは、enter情報およびexit情報を見つけるたびにトレース情報を出力します。
  正常にトレース情報が出力された場合、enter情報とexit情報は、対となって出力されます。
  enter情報およびexit情報は、1行で示されます。

■各項目の説明

項目名

意味

形式

日時

トレース情報出力時の日時です。
制御ファイルで出力の有無を指定できます。

DD/MM/YYYY hh:mm:ss:msec

    DD    : 日
    MM    : 月
    YYYY  : 年(西暦)
    hh    : 時
    mm    : 分
    ss    : 秒
    msec  : ミリ秒

YYYY、msec以外は、必ず2桁で出力されます。
msecは、必ず3桁で出力されます。

Calendarクラスの初期化中の処理をトレースする場合、時刻の取得ができないため、表示は、“??/??/????  ??:??:??:???”と表示されます。

in

enter情報であることを示します。

ASCIIコード“in”の文字列です。

out

exit情報であることを示します。

ASCIIコード“out”の文字列です。

スレッド名

メソッドを呼び出したスレッドにつけられたスレッドの名前です。

  

クラス名

呼び出されたメソッドが配置されたクラス名です。

パッケージ名から出力され、パッケージ、クラスのセパレータは“.”で示されます。

メソッド名

呼び出されたメソッド名です。

  

PARAM:

引数の表示の開始を示します。
制御ファイルで出力の有無を指定できます。

ASCIIコード“PARAM:”の文字列です。
このキーワードの後ろにメソッドに渡された引数の情報が出力されます。
引数の情報は、メソッドが引数に持つ順番に、与えられている個数分出力されます。
引数が複数個ある場合、引数の情報ごと“:”で区切られます。
引数がない場合、引数の情報は出力されません。“PARAM:”のみが出力されます。
データ型による詳細な出力形式は、“■引数や戻り値の出力形式”を参照してください。

例1)文字列形式の引数が1つ
    PARAM:(String):ABCD

例2)文字列形式の引数の次に論理型の引数の2つを持つ場合
    PARAM:(String):ABCD:(boolean):true

例3)引数がない場合
    PARAM:

RET:

戻り値の表示の開始を示します。
制御ファイルで出力の有無を指定できます。

ASCIIコード“RET:”の文字列です。
このキーワードの後ろにメソッドから返された戻り値の情報が出力されます。
戻り値がない場合、“void”という文字列が出力されます。
データ型による詳細な出力形式は、“■引数や戻り値の出力形式”を参照してください。

引数や戻り値の出力形式

  引数や戻り値は、そのデータ型により、次の形式で出力されます。

データ型

表示形式

戻り値なし

“void”という文字列

void

論理型
boolean

(型):ブール値

(boolean):true

数値型
short,int,long,
float,double

(型):10進表記の数字列

(int):100

byte型

(型):16進表記の数字列

(byte):61

char型

(型):文字

(char):A

String型

(型):文字列

(String):あいうえお

オブジェクト

(クラス名):toStringからの復帰文字列

(classA):data1=100,dataA=アイウエオ

論理型の配列(1次元)

(型):配列数:[ブール値][ブール値]...

(boolean):3:[true][false][true]

数値型の配列(1次元)

(型):配列数:[数字列][数字列]...

(short):2:[1][2]

byte型の配列(1次元)

(型):配列数:[16進表記の数字列][16進表記の数字列]...

(byte)2:[61][62]

char型の配列(1次元)

(型):配列数:[文字][文字]...

(char)2:[あ][A]

String型の配列(1次元)

(型):配列数:[文字列][文字列]...

(String)2:[あいう][ABC]

オブジェクトの配列(1次元)

(クラス名):配列数:[toStringからの復帰文字列][toStringからの復帰文字列]...

(classA)2:[data1=100,dataA=アイウエオ][data1=200,dataA=ABCDEF]

論理型の配列(2次元以上)

(型):配列数,配列数...:[[ブール値][ブール値]...][[ブール値][ブール値]...]...

(boolean):2,3:[[true][false][true]][[true][true][true]]

数値型の配列(2次元以上)

(型):配列数,配列数...:[[数字列][数字列]...] [[数字列][数字列]...]...

(short):2,2:[[1][2]] [[3][4]]

byte型の配列(2次元以上)

(型):配列数,配列数...:[[16進表記の数字列][16進表記の数字列]...] [[16進表記の数字列][16進表記の数字列]...]...

(char)2,2:[[61][62]] [[63][64]]

char型の配列(2次元以上)

(型):配列数,配列数...:[[文字][文字]...] [[文字][文字]...]...

(char)2,2:[[あ][A]] [[え][D]]

String型の配列(2次元以上)

(型):配列数,配列数...:[[文字列][文字列]...] [[文字列][文字列]...]...

(String)2,2:[[あいう][ABC]] [[えおか][DEF]]

オブジェクトの配列(2次元以上)

(クラス名):配列数,配列数...:[[toStringからの復帰文字列][toStringからの復帰文字列]...] [[toStringからの復帰文字列][toStringからの復帰文字列]...]...

(classA)2,2:[[data1=100,dataA=アイウエオ][data1=200,dataA=ABCDEF]] [[data1=300,dataA=かきくけこ][data1=400,dataA=GHIJKL]]

  引数や戻り値が、各要素数が一定でない多次元配列の場合、引数や戻り値の情報には、不足している要素をnullの表示([])として出力されます。また、配列数も最大の要素数に合わせて出力されます。

引数や戻り値の例

String[][] str = {
      {"Flintstones", "Fred", "Wilma"},
      {"Rubbles", "Barney", "Betty", "Bam Bam"},
      {"Jetsons", "George", "Jane", "Elroy", "Judy"},
      {"Scooby Doo Gang", "Shaggy"}
  };

出力例(引数の場合です。戻り値の場合は、"PARAM"の代わりに"RET:"が出力されます。)

(略) PARAM:(String):4,5:[[Flintstones] [Fred] [Wilma] [] []] [[Rubbles] [Barney] [Betty] [Bam Bam] []] [[Jetsons] [George] [Jane] [Elroy] [Judy]] [[Scooby Doo Gang] [Shaggy] [] [] []]

null値の表示

  引数や戻り値が文字列やオブジェクトであり、その値がnullの場合、次のように出力されます。

文字関連の16進数表示

  文字関連のデータ表示に16進表示を付加するには、制御ファイルに“valueLevel=addHex”と指定します。
  文字関連のデータとは、以下のデータ型を持つ引数や戻り値のことです。

  16進表示は、“引数や戻り値の出力形式”に示した表示形式の後ろに" Hex="で区切り、数字列で示します。

データ型

表示形式

byte型

(byte):数字列 Hex=xxxx

(byte):61 Hex=0036 0031

char型

(char):文字 Hex=xxxx

(char):a Hex=0061

String型

(String):文字列 Hex=xxxx xxxx[ ...]

(String):abcd Hex=0061 0062 0063 0064

  次の場合、制御ファイルに“valueLevel=addHex”の指定がある場合でも、16進表示は抑止されます。