抽出制御プロセスの実行処理で異常が発生した場合は、画面に以下のメッセージが出力されます。
FSP_INTS-IS_IIS: ERROR: dfh00016-e: 抽出制御プロセス実行処理で異常が発生しました。 ([requestID]={依頼ID} : [method]=main : [details]={抽出制御プロセスのエラーメッセージ})
ここでは画面に出力されている抽出制御プロセスのエラーメッセージを元にトラブル、および対処方法について説明します。
ここでは抽出条件式など、抽出実行時の設定に原因があるトラブルについて説明します。
抽出コマンドを実行すると、画面に以下のメッセージが表示され、異常終了する。
FSP_INTS-IS_IIS: ERROR: dfh00016-e: 抽出制御プロセス実行処理で異常が発生しました。 ([requestID]={依頼ID} : [method]=main : [details]=shnde: ERROR: 05126: The specified path is not available. Path name = [抽出対象ファイル名]; Path type = input file; System call = stat; Error number = -1. (select))
抽出実行時に指定された蓄積データファイルが見つからないため、抽出コマンドが異常終了しています。
抽出時に蓄積データファイル名を直接指定している場合は、指定したファイル名が誤っています。
抽出時にファイル選択機能を使用している場合は、資源管理で管理している情報と、実際に保存されている蓄積データファイルに不整合が発生しています。本現象では、資源管理上は有効になっている蓄積データファイルが、実際には存在しないために、抽出時に選択され、エラーが発生しました。
不整合が発生する原因を以下に示します。
利用者がdccdeleteコマンドを使わずに、蓄積データファイルを削除した
資源管理の障害時にLOADモードでリカバリを行った
蓄積データファイルの保存先の障害時に正しくリカバリできなかった、または最新状態にリカバリできなかった
抽出時に蓄積データファイル名を直接指定している場合は、抽出プロパティファイルを修正して、再実行してください。
抽出時にファイル選択機能を使用している場合は“運用ガイド”の“不整合の検出”の内容に従い、資源管理の管理情報を修正してください。
ポイント
抽出対象が複数ファイルに及んでいるとき、1ファイルでも抽出に失敗すると、抽出が異常終了します。
ファイルの不整合が発生した場合は速やかに対処してください。
参照
資源管理のLOADモードのリカバリについては“運用ガイド”の“資源管理のリカバリ失敗からのリカバリ”を参照してください。
抽出コマンドを実行すると、画面に以下のメッセージが表示され、異常終了する。
FSP_INTS-IS_IIS: ERROR: dfh00016-e: 抽出制御プロセス実行処理で異常が発生しました。 ([requestID]={依頼ID} : [method]=main : [details]=shnde: ERROR: 12402: Abnormality occurred in the Resource manager. ErrorCode = -6000211 ErrorInfo = 'Fail to read initial system environ data'. (Requestor) [dereq1])
資源管理常駐プロセス(dcdaemon)と通信するための情報が読み込めないため、抽出コマンドが異常終了しています。
ファイル選択機能を使用するため、抽出制御プロセスは資源管理常駐プロセス(dcdaemon)と通信を行います。
抽出制御プロセスは資源管理常駐プロセスとの通信に必要な情報を環境変数dcsysenvに指定された資源管理動作環境定義ファイルから読み取ります。
抽出制御プロセス起動時に環境変数dcsysenvが無い、または環境変数に書かれたパスに資源管理動作環境定義ファイルが存在しない場合、抽出時にファイル選択が行えず、エラーとなります。
抽出制御プロセス起動時には本エラーは検出されません。
環境変数dcsysenvを定義、または定義内容を修正した後、抽出制御プロセスを再起動します。
dereqstop -s dereq1 <Enter>
dereqstart -s dereq1 <Enter>
抽出コマンドを実行すると、画面に以下のメッセージが表示され、異常終了する。
FSP_INTS-IS_IIS: ERROR: dfh00016-e: 抽出制御プロセス実行処理で異常が発生しました。 ([requestID]={依頼ID} : [method]=main : [details]=shnde: ERROR: 12402: Abnormality occurred in the Resource manager. ErrorCode = -6000211 ErrorInfo = 'Fail to read message header'. (Requestor) [dereq1])
資源管理が起動していない、またはdcdaemonと資源管理との通信が失敗したために、ファイル選択が行えず、抽出コマンドが異常終了しています。
資源情報管理サーバ上でrdbchksanityコマンドを実行し、資源管理が正常に動作しているか確認してください。
rdbchksanity <Enter>
資源管理が正常に動作している場合、制御サーバ上でdccstatusコマンドを実行し、資源管理常駐プロセス(dcdaemon)の状態を確認してください。
dccstatus <Enter>
dccstatusコマンドの結果、以下のように「処理待ち中スレッド」が「0件」と表示された場合、dcdaemonの起動時に資源管理との初期通信が失敗しています。
FSP_INTS-IS_IIS: INFO: dcx00122-i: プログラムを開始します。(dccstatus) 多重度グループ数 : 3 多重度グループ番号 : 0 最大多重度 : 1
現多重度 : 1
滞留要求数 : 2
処理中スレッド : 0 件
処理待ち中スレッド : 0 件 ~以下略~ FSP_INTS-IS_IIS: INFO: dcc09200-i: コマンドが終了しました。(dccstatus 終了コード=0)
抽出時、資源管理常駐プロセス(dcdaemon)は資源管理と通信を行い、抽出対象となるファイルを選択します。dcdaemonが資源管理と通信が行えない場合、ファイルの選択が行えないため、抽出処理は異常終了します。
dcdaemonが資源管理と通信を行えない原因を以下に示します。
資源管理がダウンしている
資源管理がdcdaemonよりも後に起動しており、通信に失敗している
この場合、抽出処理は標準で12分間無応答となった後に異常終了します。
以下のいずれかの対処を行ってください。
ダウンした原因を取り除いて、rdbstopコマンドにより資源管理を停止後に、rdbstartコマンドで再起動してください。
rdbchksanityコマンドにより資源管理が起動していることを確認した後、抽出コマンドを再実行してください。
dcctermコマンドでdedaemonを停止後、dedaemonコマンドで再起動してください。
dccstatusコマンドにより「処理待ち中スレッド」が「1件」以上になっていることを確認した後、抽出コマンドを再実行してください。
資源管理の起動順番が資源管理常駐プロセスよりも先行していることを確認してください。自動起動スクリプトの起動順番については“導入ガイド”の“システム起動時の自動起動設定”を参照してください。
ポイント
起動時に資源管理との通信が正しく行われていれば、運用中に資源管理がダウンした場合や、ネットワークがダウンした場合でも、dcdaemonの再起動は不要です。
資源管理を再起動すれば、必要時に再接続します。
抽出コマンドを実行すると、画面に以下のメッセージが表示され、異常終了する。
FSP_INTS-IS_IIS: ERROR: dfh00016-e: 抽出制御プロセス実行処理で異常が発生しました。 ([requestID]={依頼ID} : [method]=main : [details]=shnde: ERROR: 12402: Abnormality occurred in the Resource manager. ErrorCode = -6000211 ErrorInfo = 'Fail to request message'. (Requestor) [dereq1])
資源管理常駐プロセス(dcdaemon)が起動していないため、抽出コマンドが異常終了しています。
抽出実行時に資源管理常駐プロセスが起動していないと、ファイル選択ができず、異常終了します。
dcdaemonを起動し、抽出コマンドを再実行してください。
抽出コマンドを実行すると、画面に以下のメッセージが表示され、異常終了する。
FSP_INTS-IS_IIS: ERROR: dfh00016-e: 抽出制御プロセス実行処理で異常が発生しました。 ([requestID]={依頼ID} : [method]=main : [details]=shnde: ERROR: 12028: A timeout error occurred. (Requestor) [dereq1])
データ抽出セル抽出依頼時の最大応答待ち時間を超えたため、抽出コマンドが異常終了しています。
データ抽出セルで抽出処理を実行中、抽出制御動作環境定義ファイルの“SelectWaitTimer”パラメタで指定した時間を超えた場合、メッセージを出力して、処理が異常終了します。
抽出制御動作環境定義ファイルの“SelectWaitTimer”パラメタを変更して、抽出コマンドを再実行してください。
ここではファイルの入出力障害が原因となるトラブルについて説明します。
データ抽出セルで抽出時に蓄積データファイルの読み込みに失敗した
抽出コマンドを実行すると、画面に以下のメッセージが表示され、異常終了する。
FSP_INTS-IS_IIS: ERROR: dfh00016-e: 抽出制御プロセス実行処理で異常が発生しました。 ([requestID]={依頼ID} : [method]=main : [details]=shnde: ERROR: 03001: There is an I/O error with the specified file or directory System call = read; File or directory name =[蓄積データファイルパス]; File or directory type = input file. (Select)
蓄積データファイルの読み込みに失敗したため、抽出コマンドが異常終了しています。
蓄積データファイルの読み込みに失敗すると、メッセージを出力して、処理が異常終了します。
蓄積データファイルで異常が発生した場合、データ抽出セルによる再実行は行われず、異常となった蓄積データファイルに相乗りしていたすべてのアプリケーションまたはコマンドは異常終了します。
異常が発生した蓄積データファイルは、抽出制御プロセスでは抑止できません。以下の手順で、復旧を行ってください。
異常となった蓄積データファイル名を確認します。dereqstateコマンドを-fオプション指定で実行することで確認できます。AbnormalFileに出力されている蓄積データファイル名を確認します。
dereqstate -s dereq1 -f <Enter> Data Effector dereqstate 2008/01/01 19:01:00 Detected-Time Detected-DECell State AbnormalFile 2008/01/01 10:10:05 DECell3 IOERROR "/work1/DE/data/20080101_1.csv" 2008/01/01 10:15:20 DECell2 IOERROR "/work1/DE/data/20080101_1.csv" 2008/01/01 10:17:25 DECell1 IOERROR "/work1/DE/data/20080101_1.csv" Detected-Time Detected-DECell State AbnormalOutFolder
蓄積データファイルが異常となった原因を取り除き、復旧します。
蓄積データファイルの異常を取り除き、ファイルの復旧を行ってください。
また、"Detected-DECell"に表示されたデータ抽出セル識別子は、異常を検出したデータ抽出セルです。当該データ抽出セルが配置されたサーバから復旧した蓄積データファイルが参照できるか確認してください。
復旧後、dereqchstateコマンドを実行し、異常となった蓄積データファイルの情報を初期化します。
dereqchstate -s dereq1 -f <Enter>
再度、dereqstateコマンドを実行し、蓄積データファイル名が出力されないことを確認します。
dereqstate -s dereq1 -f <Enter>
Data Effector dereqstate 2008/01/01 19:35:00 Detected-Time Detected-DECell State AbnormalFile Detected-Time Detected-DECell State AbnormalOutFolder
蓄積データファイルまたは抽出結果中間ファイル出力先ディレクトリに異常がない場合は、ファイルの情報は出力されません。
注意
抽出制御プロセスおよび資源管理が、異常となった蓄積データファイルを次回以降の抽出対象から外すことはありません。そのため、異常となった蓄積データファイルを抽出対象とする依頼を行うごとに、抽出制御ログに異常通知メッセージが出力されます。
異常となった蓄積データファイルが復旧し、参照可能な状態になっても、dereqstateコマンドの"AbnormalFile"の情報は、dereqchstateコマンドを実行するか、または抽出制御プロセスを再起動するまで表示されます。
ポイント
異常を検出したデータ抽出セルから異常となった蓄積データファイルに対する抽出処理が正常に行われると、抽出制御プロセスは蓄積データファイルが復旧したとみなします。復旧したとみなされた蓄積データファイルは、dereqstateコマンドの"AbnormalFile"の情報から自動的に削除されます。
異常となった蓄積データファイルを復旧したあと、dereqchstateコマンドを実行する代わりに、抽出制御プロセスを再起動することで、dereqstateコマンドで表示される"AbnormalFile"の情報は初期化されます。
データ抽出セルで抽出時に抽出結果中間ファイルで入出力障害が発生した
抽出コマンドを実行すると、画面に以下のメッセージが表示され、異常終了する。
FSP_INTS-IS_IIS: ERROR: dfh00016-e: 抽出制御プロセス実行処理で異常が発生しました。 ([requestID]={依頼ID} : [method]=main : [details]=shnde: ERROR: 03001: There is an I/O error with the specified file or directory System call = write;File or directory name =[出力ファイル名]; File or directory type = output file. (Select)
抽出結果中間ファイルの入出力障害が発生したため、抽出コマンドが異常終了しています。
データ抽出セルで抽出処理を実行中、抽出結果中間ファイルで異常が発生した場合、データ抽出セルによる再実行は行われず、異常となった抽出結果中間ファイルを使用していたデータ抽出セルに相乗りしていたすべてのアプリケーションまたはコマンドは異常終了します。
異常が発生した出力ファイルの配置先ディレクトリは、抽出制御プロセスが閉塞します。他の出力先ディレクトリが定義されていた場合は、閉塞されていない出力先ディレクトリを使用して運用を継続します。
閉塞された出力先ディレクトリを、以下の手順で復旧してください。
異常となった出力先ディレクトリを確認します。dereqstateコマンドの-fオプション指定を実行することで確認できます。
dereqstate -s dereq1 -f <Enter> Data Effector dereqstate 2008/01/01 19:01:00 Detected-Time Detected-DECell State AbnormalFile Detected-Time Detected-DECell State AbnormalOutFolder 2008/01/01 12:05:20 DECell1 IOERROR "/work/output1/"
AbnormalOutFolderに表示されている、出力先ディレクトリを確認します。
異常となった出力先ディレクトリの原因を取り除き、復旧します。
出力先ディレクトリがDSSファイルシステム上にある場合、OSのシステムログに出力されているDSSファイルシステムのエラーメッセージから原因を特定し、対処してください。
出力先ディレクトリがローカルファイルシステム上にある場合、OSのシステムログに出力されているエラーメッセージから原因を特定し、対処してください。
また、"Detected-DECell"に表示されたデータ抽出セル識別子は、異常を検出したデータ抽出セルです。当該データ抽出セルが配置されたサーバから出力先ディレクトリが参照、更新できるか確認してください。
復旧後、dereqchstateコマンドを実行し、異常となった出力先ディレクトリの閉塞を解除します。
dereqchstate -s dereq1 -f <Enter>
再度、dereqstateコマンドを実行し、出力先ディレクトリの閉塞が解除されているかを確認します。
dereqstate -s dereq1 -f <Enter> Data Effector dereqstate 2008/01/01 19:01:00 Detected-Time Detected-DECell State AbnormalFile Detected-Time Detected-DECell State AbnormalOutFolder
蓄積データファイルまたは抽出結果中間ファイル出力先ディレクトリに異常がない場合は、ファイルの情報は出力されません。
ポイント
異常となった出力先ディレクトリを復旧したあと、dereqchstateコマンドを実行する代わりに、抽出制御プロセスを再起動することで異常となったすべての出力先ディレクトリの閉塞を解除します。
抽出コマンドを実行すると、画面に以下のメッセージが表示され、異常終了する。
FSP_INTS-IS_IIS: ERROR: dfh00016-e: 抽出制御プロセス実行処理で異常が発生しました。 ([requestID]={依頼ID} : [method]=main : [details]=shnde: ERROR: 03002: There is not enough space in the file system of output file. File name = [出力ファイル名] (select))
抽出結果中間ファイルの出力先ディレクトリで領域不足が発生したため、抽出コマンドが異常終了しています。
抽出結果中間ファイルの出力先ディレクトリで領域不足が発生した場合、データ抽出セルによる再実行は行われず、異常となった抽出結果中間ファイルを使用していたデータ抽出セルに相乗りしていたすべてのアプリケーションまたはコマンドは異常終了します。
領域不足が発生した出力先ディレクトリは、抽出制御プロセスが閉塞します。他の出力先ディレクトリが定義されていた場合は、閉塞されていない出力先ディレクトリを使用して運用を継続します。
閉塞された出力先ディレクトリを、以下の手順で復旧してください。
領域不足となった出力先ディレクトリを確認します。dereqstateコマンドの-fオプション指定を実行することで確認できます。
dereqstate -s dereq1 -f <Enter> Data Effector dereqstate 2008/01/01 19:01:00 Detected-Time Detected-DECell State AbnormalFile Detected-Time Detected-DECell State AbnormalOutFolder 2008/01/01 15:30:20 DECell1 FULL "/work/output3/"
AbnormalOutFolderに表示されている、出力先ディレクトリを確認します。
領域不足となった出力先ディレクトリの不要なファイルを削除し、領域不足を解消します。
復旧後、dereqchstateコマンドを実行し、領域不足となった出力先ディレクトリの閉塞を解除します。
dereqchstate -s dereq1 -f <Enter>
再度、dereqstateコマンドを実行し、出力先ディレクトリの閉塞が解除されているか確認します。
dereqstate -s dereq1 -f <Enter> Data Effector dereqstate 2008/01/01 19:01:00 Detected-Time Detected-DECell State AbnormalFile Detected-Time Detected-DECell State AbnormalOutFolder
蓄積データファイルまたは抽出結果中間ファイル出力先ディレクトリに異常がない場合は、ファイルの情報は出力されません。
ポイント
異常となった出力先ディレクトリを復旧したあと、dereqchstateコマンドを実行する代わりに、抽出制御プロセスを再起動することで異常となったすべての出力先ディレクトリの閉塞を解除することもできます。
ここでは抽出処理中に抽出制御サーバや抽出サーバがダウンするなど異常が発生した場合のトラブル、および対処方法について説明します。
抽出制御プロセスやデータ抽出エージェントが起動していない場合も同じ事象が発生します。
抽出コマンドを実行すると、画面に以下のメッセージが表示され、異常終了する。
FSP_INTS-IS_IIS: ERROR: dfh00016-e: 抽出制御プロセス実行処理で異常が発生しました。 ([requestID]={依頼ID} : [method]=main : [details]=shnde: ERROR: 11401: Cannot connect to Requestor. Host = [抽出制御プロセスのホスト名], System call = connect; Error number = [エラー番号].(select))
抽出制御サーバが起動していることを確認してください。
抽出制御サーバが起動している場合、制御サーバ上でdereqstateコマンドを実行して抽出制御プロセスが起動していることを確認してください。
サーバ、プロセスともに正しく起動している場合は、抽出制御サーバと正しく通信できるか確認してください。
抽出処理中、抽出制御サーバにおいてサーバ異常や抽出制御プロセスがダウンするなど異常が発生すると、抽出コマンドは異常終了します。
サーバの状態および抽出制御プロセスの起動状態を確認し、早急に再起動してください。
抽出制御プロセスの起動完了が確認できたら、運用を再開します。
抽出制御プロセスの起動状態は、dereqstateコマンドで確認できます。
注意
抽出制御プロセスの異常発生時に、抽出サーバで抽出実行中のデータ抽出セルは、以下の契機で抽出処理を中断します。
抽出制御プロセスがダウンしたことを検知したとき
抽出制御プロセスを起動したとき(抽出制御プロセスは起動処理中に、全データ抽出セルに対して処理中断を行います)
抽出制御プロセスの異常が発生したとき、データ抽出セルで抽出された抽出結果中間ファイルは回収できません。そのため、利用者が抽出依頼時に付加した依頼IDを元に、抽出結果中間ファイルを回収してください。
抽出結果中間ファイルは抽出制御動作環境定義ファイルの"OutFolder"パラメタに指定されたディレクトリの配下に、以下の命名規約に従って作成されます。
データ抽出セル依頼時点の日時_依頼ID_データ抽出セル依頼ID_データ抽出セル識別子_通番.拡張子
備考. データ抽出セル依頼IDは抽出制御プロセスが自動的に付与します。
抽出コマンドを実行すると、画面に以下のメッセージが表示され、異常終了する。
FSP_INTS-IS_IIS: ERROR: dfh00016-e: 抽出制御プロセス実行処理で異常が発生しました。 ([requestID]=null : [method]=main : [details]=shnde: ERROR: 11401 Cannot connect to Requestor. Host = [抽出制御プロセスのホスト名], System call = connect; Error number = [エラー番号].(select))
抽出制御ログファイルに以下のログが出力されているか確認してください。
shnde: ERROR: 12036: Communication error occurred between Requestor and DECell. Error number = 104. (Requestor) [dereq1]
このログが出力されている場合、抽出サーバおよびデータ抽出エージェントが起動していることを確認してください。
抽出サーバおよびデータ抽出エージェントが正しく起動している場合、抽出制御サーバと抽出サーバが正しく通信できるか確認してください。
抽出処理中に抽出サーバまたはデータ抽出セルがダウンする、または通信に異常が発生したため、抽出処理が異常終了しました。データ抽出セルで異常が発生しても抽出処理は他のデータ抽出セルで再実行します。しかし指定された再実行回数以内に処理が成功しないと、抽出処理はエラーとなります。
ポイント
抽出制御プロセスが再実行で使用するデータ抽出セルの優先順は以下のとおりです。なお、異常が発生したデータ抽出セルと同一サーバか異なるサーバかに関係なく、使用するデータ抽出セルを決定します。
実行クラスで専用のデータ抽出セル
複数の実行クラスで共用しているデータ抽出セル
すべての実行クラスで共用しているデータ抽出セル
空き状態のデータ抽出セルがない場合は使用中のデータ抽出セルが空き状態になるまで待ちます。データ抽出セルへの依頼待ちをしている抽出要求があれば、それよりも優先的に再実行を行います。
データ抽出セルで異常が発生した場合、抽出処理は再実行しますが、この再実行回数を指定できます。再実行回数は、抽出制御動作環境ファイルの"SelectRetryCount"パラメタで指定します。
異常となったデータ抽出セルは、次回の抽出依頼時に再度使用されます。
しかし、抽出制御プロセスがデータ抽出セルに抽出依頼を行うとき、データ抽出セルエージェントから何らかのエラーが返ってきた場合は、抽出制御プロセスは依頼対象のデータ抽出セルを切り離して運用を継続します。この状態では、データ抽出セルが少ない状態となっているため、抽出処理にかかる時間が通常よりも長くなります。以下の手順で復旧してください。
異常となったデータ抽出セルを確認します。dereqstateコマンドの-pオプション指定を実行することで確認できます。
dereqstate -s dereq1 -p <Enter> Data Effector dereqstate 2008/01/01 19:01:00 ID Class Hostname State MultiCount InFile DECell1 A1 SchSvr01 ACTIVE 2 "/work1/DE/data/20080101_1.csv" DECell2 - SchSvr02 INACTIVE 0 "" DECell3 B SchSvr03 ACTIVE 1 "/work1/DE/data/20080102_1.csv" DECell4 - SchSvr04 IDLE 0 ""
"State"が"INACTIVE"(異常状態)となっている、データ抽出セルを確認します。
異常となったデータ抽出セルまたは抽出サーバの原因を特定し、復旧します。
復旧後、dereqchstateコマンドを実行し、停止状態のデータ抽出セルを抽出制御プロセスに組み込みます。
dereqchstate -s dereq1 -d DECell2 <Enter>
再度、dereqstateコマンドを実行し、データ抽出セルが正しく組み込まれているか確認します。
dereqstate -s dereq1 -p <Enter> Data Effector dereqstate 2008/01/05 12:10:00 ID Class Hostname State MultiCount InFile DECell1 - SchSvr01 IDLE 0 "" DECell2 - SchSvr02 IDLE 0 "" DECell3 B SchSvr03 ACTIVE 1 "/work1/DE/data/20080105_1.csv" DECell4 - SchSvr04 IDLE 0 ""
注意
抽出制御プロセスがデータ抽出セルを異常と判断し、他のデータ抽出セルで再実行するのは以下の事象です。
データ抽出セルで抽出実行中、抽出制御プロセスとデータ抽出セル間のコネクションが切断された。
抽出制御プロセスがデータ抽出セルを切り離す(INACTIVE状態にする)のは、以下の事象です。
抽出制御プロセスからデータ抽出セルに抽出依頼時、データ抽出セルエージェントに接続エラー、またはデータ抽出セルエージェントからエラーが返ってきた。
データ抽出セルで抽出実行中、データ抽出セルからの応答時間が抽出制御動作環境定義ファイルのSelectWaitTimerパラメタで指定した時間を超えた場合、抽出制御プロセスはデータ抽出セルを異常とは判断せず、タイムアウトが発生したとして抽出処理をエラーとします。
ポイント
抽出サーバを復旧後、dereqchstateコマンドを実行する代わりに、抽出制御プロセスを再起動することでデータ抽出セルを組みこむことができます。