ここでは、PRIMERGY 6000/ASPと連携しSymfoware6000を使用して、レプリケーションの環境を構築するため、PRIMERGY 6000/ASPで行う作業を説明します。
ASPとのネットワークの接続は、TCP/IPプロトコルを使用します。レプリケーションで連携するサーバのネットワーク環境に合わせて、ASPのNSS記述を設定してください。
ASPのネットワークの環境設定およびNSS記述の詳細は、「ASP ネットワーク機能解説書」を参照してください。
Symfoware6000のデータファイルをマスタとする場合、ASPで「CHARM2」または「FONTRNS」を使用して外字(利用者定義文字)を文字コード変換表に変換してください。
文字コード変換表をWindowsに取り込み、Windowsで「Charset Manager」または「JEF拡張漢字サポート」を使用して利用者定義文字に登録してください。
「CHARM2」または「FONTRNS」を使用して、ASPの外字(利用者定義文字)を文字コード変換表に作成する方法の詳細は、「ASP CHARM説明書(日本語文字管理ユーティリティ)」を参照してください。
「Charset Manager」または「JEF拡張漢字サポート」を使用して、文字コード変換表をWindowsの利用者定義文字に登録する方法の詳細は、それぞれの製品マニュアルを参照してください。
同期実行時の文字コードの変換方式を設定してください。
変換方式は、ASPのSETRPENVコマンドを使用して、ASP レプリケーションサービスの動作文字コード(CHRCODE)に設定します。
EBCDIC/JEFコードとシフトJISコードの変換方式を採用する場合
動作文字コード(CHRCODE)にシフトJIS(@SJIS)を設定してください。
EBCDIC/JEFコードとUnicodeの変換方式を採用する場合
動作文字コード(CHRCODE)にUnicode(@UTF8)を設定してください。
EBCDIC/JEFコードとシフトJISコードの変換方式を採用した場合、ASP V25以降の「ASP レプリケーションサービス」はASP V24以前の文字コード変換との互換を保ちます。「PowerReplication V4.0」と連携したとき、PowerReplicationは「PowerReplication V3.0」以前の文字コード変換との互換を保ちます。
EBCDIC/JEFコードとUnicodeの変換方式を採用した場合、JEFコード変換タイプを指定できません。
JEFコード変換タイプを指定する必要がある場合、EBCDIC/JEFコードとシフトJISコードの変換方式を採用してください。
Symfoware6000の動作環境を作成し、同期対象のデータファイルを修正または作成してください。
同期処理によってSymfoware6000のデータファイルが更新される運用形態の場合、トランザクションで動作するため、バックアウトファイル(BOF)を作成することが必要です。
そのほかに、トランザクションで動作する環境に応じてSymfoware6000の動作環境の設定を変更してください。
Symfoware6000のトランザクション動作環境の設定方法、バックアウトファイルの見積り方法および作成方法は、「ASP RDB説明書」を参照してください。
同期対象とするデータファイルをシステム情報表に設定してください。
データファイルの列構成を変更した場合、必ずシステム情報表に設定し直してください。
システム情報表の作成方法および設定方法は、「ASP SQL説明書」を参照してください。
データファイルの修正
"扱えるデータを確認する"で説明した調査の結果を考慮して、同期対象のデータファイルを修正または作成してください。
レプリケーションの構成定義に対応づけたデータファイルの構成を変更した場合、システム情報表を設定し直してから、該当するレプリケーションの構成定義を再作成してください。
レプリケーションの構成定義を再作成する方法は、"3.6.1 利用者プログラムの運用環境を変更する"を参照してください。
ASP レプリケーションサービスが動作するための動作環境を設定してください。
SETRPENVコマンドを使用して設定してください。
SETRPENVコマンドで、ASP レプリケーションサービスの各種資源を格納するディレクトリ指定、文字コード変換の設定などが必要です。
ディレクトリの指定
SETRPENVコマンドで指定する以下のディレクトリ(多階層ライブラリ)を作成しておくことが必要です。
更新情報ファイルを格納するディレクトリ(PATHパラメタ)
構成情報ファイルを格納するディレクトリ(DEFPATHパラメタ)
詳細メッセージ情報ファイルを格納するディレクトリ(MSGPATHパラメタ)
それぞれのファイルを格納するディレクトリは、多階層ライブラリを別途作成しマウントしてください。
多階層ライブラリの作成方法およびディレクトリのマウント方法の詳細は、「ASP システム運用手引書」を参照してください。
更新情報ファイルの合計サイズ(SIZEパラメタ)
@MAXを指定してください。更新情報ファイルを格納するディレクトリをマウントした多階層ライブラリの空き容量の範囲内で更新情報を格納します。
文字コード変換の設定
EBCDIC/JEFコードとシフトJISコードの変換方式を採用した場合、JEFコードとシフトJISコードの変換方法を、PowerReplicationの設定と合わせておくことが必要です。
JEFコード変換タイプ(JEFTYPEパラメタ)
PowerReplicationのレプリケーション動作環境設定の"JEFコード変換"、または「Charset Manager」の変換仕様変更ユーティリティの"JEF変換タイプ"に設定した値と同じになるように設定してください。
シフトJISコード変換タイプ(SJISTYPEパラメタ)
‘MS’を設定してください。
PowerReplicationとASP レプリケーションサービス(SETRPENVコマンドまたはCHGRPENVコマンド)のコード変換設定の対応を以下に示します。
SETRPENV/CHGRPENV | PowerReplication | |
---|---|---|
EBCDIC/JEFコード変換 | JEFAUGKANA | 字形重視 |
JEFCOREKANA | 領域重視 | |
シフトJISコード変換 | MS | SJISMS |
Symfoware6000に旧字体の文字が含まれていることを考慮して、"JEFコード変換"は"字形重視"に設定することを推奨します。なお、すべての旧字体の文字が変換できるわけではありません。
JEFコード変換のEBCDICコードは、Symfoware6000に格納されている文字データに合わせて設定してください。
Symfoware6000 | EBCDICコード |
---|---|
半角カナ文字 | EBCDIC(カナ) |
半角英小文字 | EBCDIC(ASCII) |
SETRPENVコマンドの詳細は、「ASP レプリケーションサービス説明書」を参照してください。
レプリケーションマネージャを使用して、レプリケーションの構成定義を作成してください。
レプリケーションの構成定義を作成するには、Symfoware6000と連携するPowerReplicationの運用環境、運用方法、使用するDBMSなどを考慮して設計、作成することが必要です。PowerReplicationで使用するDBMSに合わせて以下を参照してください。
Oracleを使用する場合:"3.3 導入する(Oracleを使用する場合)"
SQL Serverを使用する場合:"3.4 導入する(SQL Serverを使用する場合)"
以下にSymfoware6000を使用する場合の固有の留意事項を説明します。
サーバ定義の作成
サーバ定義を作成してください。
DBMS種別には、"富士通製DBMS"を設定してください。
サーバへの接続(ログイン操作画面)では、ユーザ名にASPのプロフィール名およびパスワードを指定してください。
マスタグループ定義またはレプリカグループ定義の作成
名前に使用する文字
[基本設定]の画面で設定する名前には、以下の文字を指定してください。
半角の英大文字、数字
日本語文字(WindowsとASPで正しく変換できる文字)
非拡張非漢字、外字(利用者定義文字)、特殊文字や変換できない文字を指定すると、同期処理の実行時にエラーとなる場合があります。
更新情報の設定
同期方式に"差分方式"を設定した場合、[差分方式の設定]の画面で設定する更新情報の"最大サイズ"には、更新情報ファイルを格納する多階層ライブラリのサイズの範囲内で設定してください。
複数のマスタグループ定義およびレプリカ定義を作成する場合、"最大サイズ"に設定する値の合計が、多階層ライブラリの空きを超えない範囲で設定してください。
マスタ定義またはレプリカ定義の作成
スケジュール定義の作成
ASP側に作成したマスタグループ定義またはレプリカグループ定義にスケジュール定義を作成した場合、ASPの自動ジョブサービスを起動することが必要です。
ASPの自動ジョブサービスは、STRATJSコマンドを使用して起動してください。
ASPの自動ジョブサービスの起動コマンド(STRATJSコマンド)の使用方法は、「ASP システムコマンド集」を参照してください。
"利用者プログラムを点検する"および"PRIMERGY 6000/ASPの運用方法を点検する"で調査した結果に応じて、利用者プログラムを修正してください。
または、利用者プログラムの運用と合わせるようにレプリケーションの同期方式を変更するなど、レプリケーショングループの設計を見直してください。