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Systemwalker Runbook Automation V14g 運用ガイド
Systemwalker

3.7.8 同じ操作を複数実行する自動運用プロセス

複数の操作対象に対する一括操作

以下の運用操作部品では、確認するサービス名などの操作対象を複数指定することができます。

複数のサービスの起動を確認するなど、複数の操作対象に対して一括して同じ操作を行うことができます。

運用操作部品

一括操作の対象

サービスの起動を確認する

起動を確認するサービス

ポートに接続可能か確認する

接続を確認するポート番号

サーバが正常に稼働しているか確認する

起動を確認するサービス、および、接続を確認するポート番号

ノードの稼働状態を確認する

稼働状態を確認するノード

サーバを起動する

起動するサーバ

サーバを停止する

停止するサーバ

OSを停止する

OSを停止するサーバ

OSを再起動する

OSを再起動するサーバ

仮想サーバを起動する

起動する仮想サーバ

仮想サーバを停止する

停止する仮想サーバ

仮想サーバを再起動する

再起動する仮想サーバ

同じ処理を繰り返し実行

一定の間隔で繰り返して同じコマンドを実行する、リトライ処理を一定回数行うなど、同じ処理を繰り返し行う自動運用プロセスを作成することができます。

自動運用プロセスの多重実行

他の自動運用プロセスを多重実行することができます。実行する自動運用プロセスのユーザ定義属性に対して、それぞれ異なる設定を行います。同じ処理を複数のサーバに対して行うなど、複数の処理対象に対して同じ処理を実行することができます。

3.7.8.1 複数の操作対象に対する一括操作

サービスの起動確認など、同じ操作を複数の操作対象に一括して実行することができます。
サーバの起動後、複数のサービスの起動確認を一括で行う自動運用プロセスの作成手順を以下に示します。

  1. [サーバの操作]フォルダにある[サーバを起動する]ボタンをクリックします。プロセス定義エディタ上で運用操作部品を配置する場所にカーソルを移動し、クリックして運用操作部品ノードを追加します。

  2. [イベント]フォルダにある[Delay]ボタンをクリックします。プロセス定義エディタ上でDelayノードを配置する場所にカーソルを移動し、クリックしてDelayノードを追加します。

  3. [サービス/プロセスの操作]フォルダにある[サービスの起動を確認する]ボタンをクリックします。プロセス定義エディタ上で運用操作部品を配置する場所にカーソルを移動し、クリックして運用操作部品ノードを追加します。

  4. [ルート]フォルダにある[Conditional]ボタンをクリックします。プロセス定義エディタ上でConditionalノードを配置する場所にカーソルを移動し、クリックしてConditionalノードを追加します

  5. [メールの操作]フォルダにある[メールを送信する]ボタンをクリックします。プロセス定義エディタ上で運用操作部品を配置する場所にカーソルを移動し、クリックして運用操作部品ノードを追加します。

  6. [イベント]フォルダにある[Exit]ボタンをクリックします。プロセス定義エディタ上でExitノードを配置する場所にカーソルを移動し、クリックしてExitノードを追加します。

  7. ノードを矢印で結びます。必要に応じて矢印の名前を設定してください。

  8. 複数の運用操作部品で使用する共通情報のホスト名、および、起動を確認するサービス名の一覧を格納するユーザ定義属性(UDA)を作成します。[プロパティ]-[ユーザ定義属性]タブを選択します。[追加]をクリックし、ユーザ定義属性(UDA)を追加します。ここでは、UDAの名前は“hostname”と“service_list”としています。また、UDAの初期値として、“hostname”には操作を行うサーバのホスト名、“service_list”には起動を確認するサービス名を設定します。サービス名は以下の形式で設定します。

    "サービス1","サービス2","サービス3",・・・

  9. 配置した運用操作部品ノードに対する入出力情報を設定します。
    プロセス定義エディタ上で入出力情報を設定する運用操作部品ノードをクリックします。[プロパティ]-[入出力情報]-[入力情報]タブの順にクリックし、入力情報を設定します。

    入力情報に設定する内容を以下に示します。

    運用操作部品名

    オプション名

    設定値

    サーバを起動する

    hostname

    ホスト名を設定します。ここでは、種別に[UDA]を選択し、[hostname]を設定します。

    サービスの起動を確認する

    hostname

    ホスト名を設定します。ここでは、種別に[UDA]を選択し、[hostname]を設定します。

    service

    起動を確認するサービス名の一覧を設定します。ここでは、種別に[UDA]を選択し、[service_list]を設定します。

    メールを送信する

    hostname

    SMTPサーバのホスト名またはIPアドレスを設定します。

    fromaddress

    メールの送信元アドレスを設定します。

    toaddress

    メールの送信先アドレスを設定します。

    subject

    メールのタイトルを設定します。

    text

    メールの本文を設定します。

  10. 配置したDelayノードにタイマーを設定します。サーバの起動完了を待ち合わせるため、5分間待ち合わせるように設定します。設定方法については、“3.7.5 タイマーによって遷移する自動運用プロセス”を参照してください。

  11. Conditionalノードに分岐条件を設定します。設定方法については、“3.5.9 分岐条件の設定”を参照してください。

3.7.8.2 同じ処理を繰り返し実行

一定の間隔で5回繰り返して同じコマンドを実行する、リトライ処理を一定回数行うなど、同じ処理を繰り返し行うことができます。

3.7.8.1 複数の操作対象に対する一括操作”で作成した自動運用プロセスに対して、サービスの起動確認を最大で5回繰り返して行う自動運用プロセスの作成手順を以下に示します。

  1. [ルート]フォルダにある[Conditional]ボタンをクリックします。プロセス定義エディタ上でConditionalノードを配置する場所にカーソルを移動し、クリックしてConditionalノードを追加します

  2. [イベント]フォルダにある[Delay]ボタンをクリックします。プロセス定義エディタ上でDelayノードを配置する場所にカーソルを移動し、クリックしてDelayノードを追加します。

  3. ノードを矢印で結びます。必要に応じて矢印の名前を設定してください。

  4. サービスの起動を確認する回数を格納するユーザ定義属性(UDA)を作成します。[プロパティ]-[ユーザ定義属性]タブを選択します。[追加]をクリックし、ユーザ定義属性(UDA)を追加します。また、タイプは[INTERGER]を選択し、初期値として“0”を設定します。ここでは、UDAの名前は“retry_counter”としています。

  5. Conditionalノードに分岐条件、および、回数のカウントアップ処理の追加を行います。分岐条件には、UDA「retry_counter」が5よりも小さい場合にはDelayノードに分岐するように設定してください。分岐条件の設定方法については、“3.5.9 分岐条件の設定”を参照してください。

    開始アクションに回数のカウントアップ処理の設定をします。

    1. プロセス定義エディタ上で[Conditional]ノードをクリックし、[プロパティ]-[アクションセット]タブをクリックします。

    2. [追加]ボタンをクリックします。[アクションタイプリスト]ダイアログにて、[サーバアクション]-[UDA割当て]の順にクリックし、[作成]ボタンをクリックします。

    3. [UDA割当て]ダイアログに以下を設定します。

      設定項目

      設定値

      アクション名

      任意の名前を設定します。

      ターゲットUDA

      値を設定するUDAを選択します。ここでは、[retry_counter」を選択します。

      [E]を選択し、以下を設定します。“retry_counter”には回数を設定するUDAの名前を記述します。
      uda.get("retry_counter") + 1

  6. 配置したDelayノードにタイマーを設定します。サービスの起動確認を5秒間隔で行うように、待ち合わせ時間に5秒を設定します。設定方法については、“3.7.5 タイマーによって遷移する自動運用プロセス”を参照してください。

3.7.8.3 自動運用プロセスの多重実行

同じ内容の処理を複数のサーバに対して行うなど、自動運用プロセスを異なる設定で多重実行することができます。
3.7.8.2 同じ処理を繰り返し実行”で作成した自動運用プロセスを、3つのサーバに対して実行する自動運用プロセスの作成手順を示します。

  1. [コマンドの実行]フォルダにある[複数の運用プロセスを実行する]ボタンをクリックします。プロセス定義エディタで、運用操作部品ノードを配置する場所にカーソルを移動し、クリックして運用操作部品ノードを追加します。

  2. [イベント]フォルダにある[Exit]ボタンをクリックします。プロセス定義エディタ上でExitノードを配置する場所にカーソルを移動し、クリックしてExitノードを追加します。

  3. ノードを矢印で結びます。必要に応じて矢印の名前を設定してください。

  4. 配置した[複数の運用プロセスを実行する]運用操作部品の入出力情報を設定します。
    プロセス定義エディタ上で[複数の運用プロセスを実行する]運用操作部品をクリックします。[プロパティ]-[入出力情報]-[入力情報]タブの順にクリックし、入力情報を設定します。

    入力情報に設定する内容を以下に示します。

    オプション名

    設定値

    subflowname

    3.7.8.2 同じ処理を繰り返し実行”で作成したプロセス定義名

    parameters

    以下を設定します。[TargetUDA]には、実行する自動運用プロセスに値を渡すUDAを設定します。ここでは、操作を行うサーバのホスト名を渡すため、UDA名には“hostname”を設定します。以下の例では、UDAの値は“サーバA”、“サーバB”、“サーバC”としていますが、操作を行うホスト名を設定します。

    <?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>
    <ParameterSet>
    <Parameter ID="1">
    <TargetUDA Name="hostname" Value="サーバA"/>
    </Parameter>
    <Parameter ID="2">
    <TargetUDA Name="hostname" Value="サーバB"/>
    </Parameter>
    <Parameter ID="3">
    <TargetUDA Name="hostname" Value="サーバC"/>
    </Parameter>
    </ParameterSet>