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Interstage Application Server 運用ガイド(基本編)

3.5.12 IPCOMを使用する場合の環境構築


3.5.12.1 IJServerの場合(WebサーバコネクタとServletコンテナ間)

  WebサーバコネクタとServletコンテナの間の通信を、IPCOMを使用して負荷分散する場合は、以下の手順で環境構築を行います。

IPCOMの設定

  IPCOMの設定は、IJServerの設定と合わせる必要があります。“3.3.3 IJServer”を参照して設定してください。


■ IJServerの作成

  Webサーバコネクタ-Servletコンテナ間でIPCOMを使用する場合、IJServerの作成は、以下の手順で実施します。

  1. 管理サーバのInterstage管理コンソールにログインします。

  2. Interstage管理コンソールの
    [一括操作] > [Interstage管理コンソール] > [Interstage Application Server] > [ワークユニット]の新規作成タブ
    で、新規作成操作を行います。画面上に表示されている“ワークユニットタイプ”で、“IJServer”を選択し、“IJServerタイプ”、“配置先”に作成するIJServerワークユニットのタイプとWebサーバコネクタ、Servletコンテナを配置するサーバグループ、またはサーバを選択します。“リレーション”の“Webサーバコネクタ-Servletコンテナ間”の設定で“IPCOMを使用する”を選択します。


3.5.12.2 IJServerの場合(ServletコンテナとEJBコンテナ間)

  ServletコンテナとEJBコンテナの間の通信で、IPCOMを使用してIIOP負荷分散をする場合は、以下の手順で環境構築を行います。

■ ネットワークの設定

Servletコンテナを配置するサーバグループ

  以下のhostsファイルに、仮想ホスト名とEJBコンテナを配置するサーバグループのすべてのホスト名宣言を追加します。


Windows(R)インストールフォルダ\system32\drivers\etc\hosts


/etc/hosts

  宣言を追加したあと、pingコマンドによりホスト名が解決されているかを確認してください。
  EJBコンテナを配置するサーバグループのホスト名がhost1、host2、仮想IPアドレスのホスト名がvhostの場合の記述例を以下に示します。なお、“10.124.35.41”のIPアドレスはhost1の実IPアドレス、“10.124.35.42”のIPアドレスは、host2の実IPアドレスです。

10.124.35.30  vhost
10.124.35.41  host1
10.124.35.42  host2

EJBコンテナを配置するサーバグループ

  以下のhostsファイルに定義されている自サーバのホスト名とIPアドレスの設定文に対して、別名で、仮想IPアドレスのホスト名の宣言を追加します。


Windows(R)インストールフォルダ\system32\drivers\etc\hosts


/etc/hosts

  宣言を追加したあと、pingコマンドによりホスト名が解決されているかを確認してください。
  EJBコンテナを配置するサーバグループのホスト名がhost1、仮想IPアドレスのホスト名がvhostの場合の記述例を以下に示します。なお、“10.124.35.41”のIPアドレスは、host1の実IPアドレスです。

10.124.35.41  host1   vhost

IPCOMの設定

  IPCOMは、“IPCOMのマニュアル”を参照して設定してください。

  負荷分散ポリシーのセション維持(一意性の保証)の設定は、コネクション単位に分散して設定してください(コネクション単位の分散を推奨します)。


■ Interstageシステムの環境作成

  Servletコンテナを配置するサーバグループのInterstageシステムの環境設定は、以下の手順で実施します。

  1. 管理サーバのInterstage管理コンソールにログインします。

  2. Interstage管理コンソールの
    [一括操作] > [Interstage管理コンソール] > [Interstage Application Server] > [システム]の環境設定タブ
    で、以下の環境設定を行います。画面上に表示されている“ネーミングサービス詳細設定”を選択し、“リモートホスト”、“IPCOMを使用する”を選択してください。
    “代表ホスト名”には、IPCOMのサイト負荷分散ポリシーに設定した、仮想IPアドレスに対応する仮想ホスト名を設定してください。ポート番号には、IPCOMのCORBAサービスに設定した代表ポートの値を設定してください。


■ IJServerの作成

  Servletコンテナ-EJBコンテナ間で、IPCOMを使用する場合のIJServerの作成は、以下の手順で実施します。

  1. 管理サーバのInterstage管理コンソールにログインします。

  2. Interstage管理コンソールの
    [一括操作] > [Interstage管理コンソール] > [Interstage Application Server] > [ワークユニット]の新規作成タブ
    で、新規作成操作を行います。画面上に表示されている“ワークユニットタイプ”で、“IJServer”を選択し、“IJServerタイプ”、“配置先”に作成するIJServerワークユニットのタイプとServletコンテナ、EJBコンテナを配置するサーバグループ、または単体運用の管理対象サーバを選択します。“仮想ホスト名”は、IPCOMのサイト負荷分散ポリシーに設定した、仮想IPアドレスに対応する仮想ホスト名を設定してください。“代表ポート”IPCOMのCORBAサービスに設定した代表ポートの値を設定してください。


  IJServerワークユニットのEJBアプリケーションに対する負荷分散は、メソッド呼出し単位の負荷分散だけ実施できます。


3.5.12.3 CORBAワークユニットの場合

  CORBAワークユニット運用時のクライアント/サーバ間の通信を、IPCOMを使用して負荷分散をする場合は、以下の手順で環境構築を行います。

■ ネットワークの設定

  以下のhostsファイルに定義されている自サーバのホスト名とIPアドレスの設定文に対して、仮想IPアドレスのホスト名の宣言を別名で追加します。

Windows(R)インストールフォルダ\system32\drivers\etc\hosts

/etc/hosts

  宣言を追加したあと、pingコマンドによりホスト名が解決されているかを確認してください。
  CORBAワークユニットを配置するサーバグループのホスト名がhost1、仮想IPアドレスのホスト名がvhostの場合の記述例を以下に示します。なお、“10.124.35.41”のIPアドレスは、host1の実IPアドレスです。

10.124.35.41  host1   vhost

IPCOMの設定

  IPCOMは、“IPCOMのマニュアル”を参照して設定してください。

  負荷分散ポリシーのセション維持(一意性の保証)の設定は、コネクション単位に分散して設定してください(コネクション単位の分散を推奨します)。


■ Interstageシステムの環境作成

  CORBAワークユニットを配置するサーバグループのInterstageシステムの環境設定では、特別な考慮は必要ありません。


■ ワークユニットの作成

  ワークユニットの作成は、以下の手順で実施します。

  1. 管理サーバのInterstage管理コンソールにログインします。

  2. Interstage管理コンソールの
    [一括操作] > [Interstage管理コンソール] > [Interstage Application Server] > [ワークユニット]の新規作成タブ
    で、新規作成操作を行います。画面上に表示されている“ワークユニットタイプ”で、“CORBAワークユニット”を選択し、 “配置先”に、CORBAワークユニットを配置するサーバグループ、または単体運用の管理サーバを選択します。


■ オブジェクトリファレンスの登録(負荷分散方式の設定)

  オブジェクトリファレンスの登録方法は、負荷分散の方式により異なります。


メソッド呼出し単位の負荷分散

  Interstage管理コンソールの
[一括操作] > [Interstage Application Server] > [システム] > [ワークユニット] > [ワークユニット名] > [配備]タブ
で詳細設定を表示し、[CORBAアプリケーション] の設定画面で以下の項目を設定してください。

項目

説明

IPCOMのメソッド負荷分散設定

  • する

  • しない

“する”を選択して、仮想ホスト名と代表ポートを設定してください。

仮想ホスト名

IPCOMのサイト負荷分散ポリシーに設定した、仮想IPアドレスに対応する仮想ホスト名を設定してください。

代表ポート

IPCOMのCORBAサービスに設定した代表ポートの値を設定してください。
有効範囲は、1~65535です。
IPCOMのメソッド負荷分散設定の“する”を選択して代表ポートを省略した場合は、8002が設定されます。

  詳細については、Interstage管理コンソールのヘルプを参照してください。


ネーミングサービスのオブジェクトリファレンス獲得時点の負荷分散

  「Interstage Application Server」 > 「システム」 > 「ワークユニット」 > 「ワークユニット名」 > 「配備」タブ
で詳細設定を表示し、「CORBAアプリケーション」の設定画面をで以下の項目を設定してください。

項目

説明

IPCOMのメソッド負荷分散設定

  • する

  • しない

“しない”を選択してください。

仮想ホスト名

省略してください。
設定された場合は、無視されます。

代表ポート

省略してください。
設定された場合は、無視されます。

  詳細については、Interstage管理コンソールのヘルプを参照してください。


■ クライアントの環境設定

  以下のファイルに設定するネーミングサービスの参照先ホスト名に、仮想IPアドレスのホスト名を設定してください。IPアドレスは指定できませんので、注意してください。

inithostファイル

initial_hostsファイル

正しい記述例)
vhost          8002
誤った記述例)
10.124.35.30   8002

  また、以下のhostsファイルに、仮想IPアドレスと仮想IPアドレスのホスト名、負荷分散対象となるすべてのサーバのホスト名とIPアドレスの対応について宣言してください。
  宣言を追加したあと、pingコマンドによりホスト名が解決されているかを確認してください。

Windows(R)インストールフォルダ\system32\drivers\etc\hosts

/etc/hosts