マルチサーバ管理機能を使用する際のネットワーク環境について説明します。
管理対象サーバには、業務を運用する場合に使用する業務LANのIPアドレスと、管理サーバから管理対象サーバを操作/管理するために使用する管理LANのIPアドレスを指定できます。業務用のLANと管理用のLANを分けて運用する場合に、各IPアドレスを指定します。また、業務用のLANと管理用のLANを分けずに運用を行う場合は、同一のIPアドレスを指定します。
業務用のLANと管理用のLANを分けて運用する場合は、業務LANのIPアドレスに対応するホスト名を定義する必要があります。業務LANのIPアドレスに対応するホスト名の設定は、管理対象サーバのhostsファイルに登録します。
以下のhostsファイルに、業務LANのIPアドレスとホスト名の宣言を追加します。
Windows(R)インストールフォルダ\system32\drivers\etc\hosts
/etc/hosts
■業務LANのIPアドレスと管理LANのIPアドレスを同一にした場合
業務LANのIPアドレスを“10.124.35.41”、ホスト名を“host1”とした場合の記述例を以下に示します。
10.124.35.41 host1
■業務LANのIPアドレスと管理LANのIPアドレスを分けた場合
業務用のLANと管理用のLANを分けて運用する場合は、ホスト名を業務LANのIPアドレスと管理LANのIPアドレスで別々のホスト名で定義します。
業務LANのIPアドレスを“10.124.35.41”、ホスト名を“host1”とし、管理LANのIPアドレスを“10.124.35.42”、ホスト名を“host2”とした場合の記述例を以下に示します。
10.124.35.41 host1 10.124.35.42 host2
hostsファイルに宣言を追加する際の注意事項を以下に記述します。
ホスト名には、以下の文字を使用してください。
以下の文字で構成される64文字以内の英字または数字("A"~"Z"、 "a"~"z"、 "0"~"9")から始まる文字列。
アルファベット大文字("A"~"Z")
アルファベット小文字("a"~"z")
数字("0"~"9")
ハイフン("-")
ピリオド(".")
最後の文字に、ハイフン(-)、またはピリオド(.)は設定できません。
64バイト以内の文字列
IPアドレスに対応するホスト名をhostsファイルに定義する場合は、他のIPアドレスに関連付けされたホスト名を定義しないでください。
hostsファイルに宣言を追加したあと、Interstage JMXサービスを再起動してください。
宣言を追加したあと、pingコマンドによりホスト名が解決されているかを確認してください。
non-global zoneにインストールされている管理対象サーバで業務LANのIPアドレスを使用する場合は、各non-global zoneが所持しているhostsファイルに業務LANのIPアドレスを記述してください。
■Linuxのhostsファイルについて
マシンのホスト名とループバックアドレス(127.0.0.1)との関連付けが/etc/hostsに宣言されていることがあります。
マシンのホスト名が“host1”であった場合は、以下のようにhostsファイルに記述されています。
127.0.0.1 host1 localhost.localdomain localhost
管理対象サーバの/etc/hostsファイルにループバックアドレス(127.0.0.1)とホスト名が定義されている場合は、以下のいずれかの対処を行ったあと、Interstage JMXサービスを再起動してください。
ループバックアドレス(127.0.0.1)に定義されているホスト名を削除します。
記述例を以下に示します。
127.0.0.1 localhost.localdomain localhost
業務LANのIPアドレスとホスト名の定義をループバックアドレス(127.0.0.1)の定義の上に記述します。
業務LANのIPアドレスが“10.124.35.41”でホスト名が“host1”の場合の記述例を以下に示します。
10.124.35.41 host1 127.0.0.1 host1 localhost.localdomain localhost
■Interstage JMXサービスの再起動
hostsファイルの編集後、Interstage JMXサービスを再起動してください。
“Interstage Operation Tool”サービスを再起動します。
isjmxstopコマンドでInterstage JMXサービスを停止したあと、isjmxstartコマンドでInterstage JMXサービスを起動します。
リモートホスト上のネーミングサービスおよびインタフェースリポジトリを参照する場合は、参照先のサーバの業務LANのIPアドレスに関連付けされたホスト名が使用されます。ホスト名から参照できるようにするため、参照側のサーバにおいて参照先のホスト名が解決できるように設定します。
HostA、HostB、HostCの3台のサーバが存在し、HostAのネーミングサービスの参照先をHostB、インタフェースリポジトリの参照先をHostCとした場合の設定内容を説明します。
ホスト名 | 業務LANのIPアドレス | 業務LANのIPアドレスに対応したホスト名 |
---|---|---|
HostA | 10.124.35.41 | B_Host1 |
HostB | 10.124.35.42 | B_Host2 |
HostC | 10.124.35.43 | B_Host3 |
HostA、HostB、HostCのhostsに、以下を設定します。
HostAのhostsファイルに以下を設定します。
HostBの業務LANのIPアドレス“10.124.35.42”とホスト名“B_Host2”を定義します。
HostCの業務LANのIPアドレス“10.124.35.43”とホスト名“B_host3”を定義します。
10.124.35.42 B_Host2 10.124.35.43 B_Host3
HostBのhostsファイルに以下を設定します。
HostBの業務LANのIPアドレス“10.124.35.42”とホスト名“B_Host2”を定義します。
10.124.35.42 B_Host2
HostCのhostsファイルに以下を設定します。
HostCの業務LANのIPアドレス“10.124.35.43”とホスト名“B_Host3”を定義します。
10.124.35.43 B_Host3