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Symfoware Active DB GuardV10.1.0 設計・セットアップガイド

A.6.1 RERUNログ引継ぎファイルの容量見積り

RERUNログ引継ぎファイルの容量見積りについて説明します。

RERUNログ引継ぎファイルについて

rdbbcextコマンドでは、抽出対象のRLCファイルまたはRLC退避ファイルから、複写先システムで確定したトランザクションのRERUNログのみをRERUNログ抽出ファイルに出力します。しかし、複写元システムでのRLC交替のタイミングやトランザクション内で更新したログ量によっては、抽出対象のRLCファイルでトランザクションが確定していない場合があります。

このような確定していることが不明なトランザクションのRERUNログをRERUNログ引継ぎファイルに格納することで、次のRLCまたはRLC退避ファイルからのRERUNログ抽出に備えます。

注意

  • トランザクションのRERUNログが複数のRLCファイルをまたがる場合には、そのトランザクションが確定したRLC世代を抽出するまでの間、RERUNログを保持します。そのため、以下の場合には、RERUNログ引継ぎファイルの容量見積りに特に注意が必要です。

    • 複写元システムでトランザクション内で大量のデータ更新を行うようなバッチ業務を実行

    • 複写元システムでトランザクションを長時間確定しない業務を実行

    • RLCファイルの容量に対して複写元システムでトランザクション内で更新するログ量の占める割合が大きい場合

RERUNログ引継ぎファイルの見積り式

RERUNログ引継ぎファイルの見積り式を以下に示します。

  RERUNログ引継ぎファイルのサイズ
= (8Kバイト + (BLOCK(Lr) × 複写元システムでの同時実行トランザクション数 × 2))
  × 1.5(安全率)

Lr : トランザクションのRERUNログ量の最大値(バイト数)
BLOCK : カッコ内の式を、64Kバイトバウンダリで切り上げます
複写元システムでの同時実行トランザクション数

複写元システムでの同時実行トランザクション数は、テンポラリログファイルのトランザクションエントリ数の利用を推奨します。

トランザクションのRERUNログ量

トランザクション単位のRERUNログ量は、以下の式で見積ります。

トランザクションのRERUNログ量 = AIログ量 × トランザクション内の更新件数
AIログ量

AIログ量は、“A.4.1 Symfoware ServerのAIログ量の見積り”を参照してください。

注意

RERUNログ引継ぎファイルは、複写元システムの同時実行トランザクション数と、各トランザクションが出力するRERUNログ量の最大値を観点にして見積ります。
各トランザクションの収集するRERUNログ量がトランザクション間でばらつきが大きい場合は本見積り式の誤差が大きくなるため、実際に動作させて、必要に応じてRERUNログ引継ぎファイルを大きくしてください。

ポイント

  • RERUNログ引継ぎファイルを作成する容量は、書き出し中の異常時に備えて、RERUNログ引継ぎファイルに保持する最大のRERUNログ量を見積った値に対して2倍以上の容量を必要とします。

  • RERUNログ引継ぎファイルの使用量は、rdbbccntfコマンドで確認できます。
    なお、実際に動作させて使用量を見積る場合には、rdbbccntfコマンドで表示される、RERUNログ引継ぎファイル内の未解決トランザクションのRERUNログを格納する領域の容量(項目名:LogareaSize)に対する、RERUNログ引継ぎファイル内に保持している未解決トランザクションのRERUNログ容量(項目名:UsedSize)の割合を評価して充分な容量を見積もってください。