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Symfoware Server V10.1.0 セットアップガイド

3.16.2 ユーザ属性の設定

RDBディクショナリ作成時にRDBディクショナリ内にユーザパラメタの省略値が設定されます。

環境構築時に、管理者が各自の運用形態に合わせてそのユーザパラメタの値をチューニングします。

ユーザパラメタのチューニングは、SET SYSTEM PARAMETER文、CREATE USER文またはALTER USER文で行います。

ユーザパラメタの設定値は、次のコネクション接続時に有効になります。

3.16.2.1 ユーザパラメタ一覧

利用者制御のチューニングパラメタをユーザパラメタと呼びます。

ユーザパラメタ一覧を以下の表に示します。

表3.2 ユーザパラメタ一覧

ユーザパラメタ名

意味

指定できる
SQ
L文

ユーザパラメタ値

省略値

SP

CU

AU

利用者登録の使用宣言を行わない

利用者登録の使用宣言を行う

PASSWORD_CHANGE_TIME

何日前からパスワードの変更を勧めるかの日数

最小:0
最大:128
単位:日数

0

PASSWORD_LIMIT_TIME

パスワードの期限

最小:-1
最大:128
単位:日数
0:無制限

無制限

INVALID_PASSWORD _WAIT_TIME

パスワード誤り時の待ち時間

最小:0
最大:5
単位:秒

4

INVALID_PASSWORD_TIME

パスワード連続失敗の可能回数

最小:0
最大:10
単位:回

5

MIN_PASSWORD_SIZE

パスワードに最低限必要なバイト数

最小:6
最大:8
単位:バイト

6

DEFAULT_ROLE

デフォルトロールの指定

×

×

ロール名

なし

SP :SET SYSTEM PARAMETER文

CU :CREATE USER文

AU :ALTER USER文

○ :指定できます。

× :指定できません。

- :無効です。

3.16.2.2 ユーザパラメタのチューニング指針

利用者の認証識別情報をチューニングします。

ユーザパラメタのチューニングは、SET SYSTEM PARAMETER文で行います。1人の利用者に対して個別にチューニングする場合は、CREATE USER文またはALTER USER文で行います。

利用者の認証識別のチューニング

利用者の認証識別のチューニング指針を以下に示します。

パスワードの期限の設定

パスワードは、システムのセキュリティ強度に合わせて、適切なパスワード期限を設定する必要があります。

パスワードの期限は、以下の項目を考慮して決定します。

  • パスワードに使用できる文字種

  • パスワードに最低限必要なバイト数

  • パスワードの誤り時の待ち時間

参照

パスワードに使用できる文字種の詳細については、“SQLリファレンス”の“CREATE USER文(利用者定義文)”を参照してください。

パスワードに最低限必要なバイト数をチューニングするには、MIN_PASSWORD_SIZEを使用します。

パスワードの誤り時の待ち時間をチューニングするには、INVALID_PASSWORD_WAIT_TIMEを使用します。

これらを組み合わせてパスワードが見破られる確率を導き出した上で、パスワードの期限を決めます。パスワードの期限をチューニングするには、PASSWORD_LIMIT_TIMEを使用します。

連続失敗回数の設定

パスワードを連続して誤った際にパスワードロックされるまでの猶予の回数を設定します。

データベース専用利用者が、この回数を超えてパスワードを誤った場合、そのパスワードは自動的にシステムがロックします。

パスワードのロックは、システムまたは管理者が不当な利用者を発見した場合に、その利用者を制限する目的で行います。

パスワードのロックの対象となる利用者は、データベース専用利用者のみで、以下の場合に行います。

  • 利用者がパスワードの連続失敗回数を超えたため、システムが自動的にパスワードをロックする場合

  • 管理者がALTER USER文を実行して、利用者のパスワードをロックする場合

パスワードがロックされた利用者は、サーバシステムへの接続ができなくなります。

いずれの場合も、管理者がALTER USER文を実行して、利用者のパスワードを再設定することで、パスワードのロックは解除され、利用者名を再利用することができます。

参照

ALTER USER文については、“SQLリファレンス”を参照してください。


パスワードの連続失敗回数は、システムのセキュリティ強度に合わせて、適切な回数を設定する必要があります。この回数を設定することにより、不正な利用者から攻撃を受けた場合にも、システムを防御することができます。

これをチューニングするには、INVALID_PASSWORD_TIMEを使用します。

変更催促期間の設定

パスワードを変更してからある程度の時間が過ぎると、パスワードの変更催促期間に入り、利用者にパスワードの変更を促します。変更催促期間とは、パスワードの期限の数日前から期限当日までの間で、パスワード変更の催促する警告メッセージを表示する期間のことです。

パスワードの有効期限までにパスワードが変更されない場合は、利用者のパスワードは無効になります。

無効になったパスワードは、管理者がALTER USER文を実行して、利用者のパスワードを再設定することで、利用者名を再利用することができます。

参照

ALTER USER文については、“SQLリファレンス”を参照してください。

変更催促期間をチューニングするには、PASSWORD_CHANGE_TIMEを使用します。

デフォルトロールの設定

デフォルトロールとは、アプリケーション中でSET ROLE文を実行せずに有効となるロールを、環境構築時にあらかじめ設定しておくことです。

デフォルトロールは、インストール時にユーザパラメタの省略値が設定されません。環境構築時に、権限情報の定義でロールを作成した場合に有効となります。

参照

デフォルトロールの設定については、“RDB運用ガイド(データベース定義編)”の“権限情報定義”を参照してください。

3.16.2.3 ユーザパラメタのチューニング

Symfoware/RDBシステムごとにユーザパラメタの省略値をチューニングできます。

ユーザパラメタのチューニングは、rdbddlexコマンドのSET SYSTEM PARAMETER文で行います。

すべての利用者がパスワードの期限を30日に、パスワードの連続失敗回数を4回に、変更催促期間を3日にチューニングする例を以下に示します。

> rdbddlex  D:\USERS\RDB1\DDL\SYSPARA2.DAT

定義ファイル(SYSPARA2.DAT)の内容を以下に示します。

SET SYSTEM PARAMETER
    PASSWORD_LIMIT_TIME=30,
    INVALID_PASSWORD_TIME=4,
    PASSWORD_CHANGE_TIME=3 ;

参照

SET SYSTEM PARAMETER文の詳細については、“SQLリファレンス”を参照してください。

ユーザパラメタには、利用者ごとにチューニングできるパラメタもあります。利用者ごとのチューニングを行う場合は、CREATE USER文で指定します。

チューニングしたユーザパラメタは、rdbprtコマンドで参照することができます。

参照

rdbprtコマンドの詳細については、“コマンドリファレンス”を参照してください。