段階的な価格を設定すると、何らかの数値に連動して単価を変更できるようになります。数値に連動するとは、例えば以下のようなことを意味します。
サービスにアクセスするユーザー数。たとえば、ユーザー数が1から10の場合はユーザー単価1000円、11から100の場合はユーザー単価800円、100以上の場合はユーザー単価600円、などのように設定します。
サービスを使用中に発生するイベント数。たとえば、10ファイルをダウンロードした場合はダウンロードの単価を100円、11ファイル以上のダウンロードはイベント単価を50円、と設定します。
パラメーター値。たとえばデータベースへファイルをアップロードする場合、100ファイルまでは1ファイルあたり100円、100ファイルを越えたときは1ファイルあたり各50円、と設定します。
段階的な価格設定は、サプライヤーが以下のような価格設定を提供したいときに便利です。
ユーザー数に応じてユーザー単価を変える場合。
イベントの発生回数に応じてイベント単価を変える場合。
パラメーターの値に応じてパラメーター単価を変える場合。なお、この価格設定を設定できるのは整数(int)型または長整数(long)型のパラメーターのみとなります。
段階的な価格設定は、その他の価格モデル要素には左右されません。
例:ユーザー数に応じて段階的な価格を設定する方法
ここでは、サービスに割り当てられたユーザー数に応じて段階的な価格を設定した場合の例を示します。2ユーザーまでのユーザー単価は700円。3~5番目のユーザーの単価は600円、それ以上の場合はユーザー単価が500円です。このような価格設定に対してカスタマーが4ユーザーをサービスに割り当てています。
課金は時間ごとに発生します。請求の対象になるのは1カ月の期間全体です。このような場合、サービスの請求金額は以下のとおりです。
(2 * 700円) + (2 * 6.00円) = 2600円
サービスを利用する時間がユーザーによって異なる場合が多いため、実際の料金計算はさらに複雑になります。
サービス単価を時間単位で課金する場合の例を以下に示します。
3ユーザーをサービスに30分ずつ割り当てる(=1時間当たり1.5ユーザー)
2ユーザーをサービスに3.5時間ずつ割り当てる(=1時間当たり7ユーザー)
3ユーザーをサービスに2時間ずつ割り当てる(=1時間当たり6ユーザー)
サービスに割り当てられたユーザーの合計である1.5 + 7 + 6 = 14.5が計算の基準になります。
前述の例で使用した段階的な価格設定を利用すると、アプリケーションサービス機能は料金を次のように計算します。
(2 * 700円) + (3 * 600円) + (9.5 * 500円) = 7950円
ユーザー時間は実際のユーザーにマッピングされます。最初の例で定義されているように、2ユーザーに700円の料金がかかり、次の3ユーザーには600円、それ以上のユーザーには500円がかかります。
例:イベント数に応じて段階的な価格を設定する方法
ここでは、以下のイベントに対して段階的な価格を設定した場合の例を示します。
ユーザーによるサービスへのログイン
ファイルのダウンロード
ファイルのアップロード
サービスからのログアウトと新規フォルダーの作成は無料です。
1ヶ月の請求期間全体に対して、この料金設定を利用します。この期間中に以下のイベントが発生したとします。
ユーザーがサービスに500回ログインする
300ファイルをダウンロード
200ファイルをアップロード
これらのイベントの料金計算は次のようになります。
ログイン:(100 * 100円) + (100 * 50円) + (100 * 25円) + (200 * 20円) = 21500円 ダウンロード:(100 * 25円) + (200 *20円) = 6500円 アップロード:(100 * 100円) + (100 * 80円) = 18000円 合計額:46000円
例:パラメーターの値に応じて段階的な価格を設定する方法
ここでは「作成可能なフォルダー数」パラメーターに対して段階的な価格を設定した場合の例を示します。最初の40フォルダーの単価は400円、次の10フォルダーの単価は350円、それを越えた場合のフォルダー単価は300円です。カスタマーは利用申請時に作成できるフォルダー数を45に制限するよう指定しています。
請求期間全体に対してこの料金設定を利用します。作成フォルダー数が45までの場合の料金計算は以下のとおりです。
(40 * 400円) + (5 * 350円) = 17750円