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ETERNUS SF Express V14.2 ユーザーズガイド

6.4.6 リモートコピー(DR構成)の実行

災害対策(Disaster Recovery)システム構成における、リモートコピー(またはエクステンデット・リモート・アドバンスト・コピー)について説明します。

DR構成のリモートコピーは、災害などの障害時に備えて、ローカルサイトのETERNUS DX90とリモートサイトのETERNUS DX90との間でコピーを実行します。障害が発生した場合は、ローカルサイトのETERNUS DX90がリモートサイトのETERNUS DX90に切り替わるので、システムを継続して運用することができます。

リモートコピーには3つの動作モードがあり、運用形態にあわせて動作モードを選択します。動作モードの詳細は「B.7 リモートコピー(REC)」を参照してください。

また、データの転送距離が長い構成や、転送経路にWANを含む構成では、データの転送時間が長くなる場合があります。

同期モードでは、業務サーバの入出力要求の応答時間内に応答を返せないことがあります。
一方、非同期転送方式では、業務サーバの入出力要求の応答時間が短くなります。

このため、DR構成では、非同期転送方式のStackモードでリモートコピーを運用することを推奨します。

図6.9 DRシステム構成の概要図

リモートコピーは、以下の手順で実行してください。


6.4.6.1 アドバンスト・コピーの実行

リモートコピー(REC)を実行します。

リモートコピー(REC)の操作手順は以下のとおりです。
ここでは、非同期転送方式のStackモードで運用する場合の手順を記載します。

  1. コピーを開始します。

    Remote[REC]タブを開きます。
    [アクション]ペインで[アドバンスト・コピー]-[順方向コピーの開始]を選択して、リモートコピー(REC)を実行します。

    リモートコピーの操作モードを指定します。

    • 転送モード

    • Splitモード

    • Recoveryモード

    転送モードは、非同期転送方式である、Stack(Stackモード)またはConsist(Consistencyモード)の指定を推奨します。

    反対方向のコピーを開始する場合は、[アドバンスト・コピー]-[逆方向コピーの開始]を選択してください。

  2. 進捗率が100%になるのを待ちます。

    [進捗率]が"100%"となるのを確認してください。

  3. コピーモードを変更します。

    [アクション]ペインで[アドバンスト・コピー]-[コピーモード変更]を選択して、転送モードをThroughモードに変更します。

  4. 等価状態になるのを待ちます。

    [状況]が"Paired"、かつ[進捗率]が"100%"になるのを確認してください。

  5. コピーを一時中断します。

    [アクション]ペインで[アドバンスト・コピー]-[一時中断]を選択して、コピーを一時中断します。

    コンカレントサスペンドを実行する場合は、[コンカレントサスペンドを実行します。]にチェックを入れてください。

  6. コピーモードを変更します。

    [アクション]ペインで[アドバンスト・コピー]-[コピーモード変更]を選択して、転送モードをStack(Stackモード)またはConsist(Consistencyモード)に戻します。

  7. コピーを再開します。

    [アクション]ペインで[アドバンスト・コピー]-[再開]を選択し、コピーを再開します。

    必要に応じて、手順2から手順7を繰り返してください。


6.4.6.2 コピーグループ定義の取り出しと取り込み

ローカルサイトが被災した場合、リモートサイトで運用を継続します。ローカルサイトのコピーグループの定義をあらかじめ取り出しておき、リモートサイトに設置したExpressマネージャーに取り込むことができます。

6.4.6.2.1 コピーグループ定義の取り出し

以下の手順でコピーグループの定義を取り出します。この操作はローカルサイトで実施します。

注意

取り出せるコピーグループは、ETERNUS ディスクアレイがETERNUS DX90、かつコピーグループのタイプがRemote[REC]のコピーグループです。

  1. Express Web GUIの[監視]ペインで[サーバ]タブを選択して、コピーグループの一覧を表示します。

  2. コピーグループを取り出すETERNUS ディスクアレイを選択します。
    [アクション]ペインで[ディスクアレイ]-[コピーグループの取り出し]を選択します。

  3. コピーグループの一覧から、コピーグループ定義を取り出すコピーグループを選択します。

    [取り出し]ボタンをクリックします。ファイル選択ダイアログが表示されますので、ダウンロード先を指定してください。

    注意

    Internet Explorerを使用していてファイル選択ダイアログが表示されない場合は、以下の手順で設定します。

    1. [インターネットオプション]を選択して、"インターネットオプション"画面を表示します。

    2. [セキュリティ]タブを選択します。

    3. 管理サーバが存在するゾーンの[レベルのカスタマイズ]を選択して、"セキュリティ設定"画面を表示します。

    4. [ダウンロード]セクションの[ファイルのダウンロード]と[ファイルのダウンロード時に自動的にダイアログを表示]を有効にします。


6.4.6.2.2 コピーグループ定義の取り込み

以下の手順で「6.4.6.2.1 コピーグループ定義の取り出し」で取り出したコピーグループの定義を取り込みます。

この操作はリモートサイトで実施します。

注意

  • コピーグループ定義の取り込みは、リモートサイトに登録されているETERNUS DX90ディスクアレイに対して実施します。コピーグループ定義を取り込めるディスクアレイは、コピーグループを取り出したディスクアレイです。

  • リモートサイトのExpressマネージャーに同じ名前のコピーグループが存在している場合、コピーグループ一覧に表示されません。

  1. Express Web GUIの[監視]ペインで[サーバ]タブを選択して、コピーグループの一覧を表示します。

  2. 取り出したETERNUS ディスクアレイを選択します。
    [アクション]ペインで[ディスクアレイ]-[コピーグループの取り込み]を選択します。

  3. 6.4.6.2.1 コピーグループ定義の取り出し」でダウンロードしたファイル名を指定します。

  4. コピーグループの一覧から、コピーグループ定義を取り込むコピーグループを選択します。

    [取り込み]ボタンをクリックします。


6.4.6.3 ETERNUS ディスクアレイで異常が発生した場合の操作手順

ETERNUS ディスクアレイは、ハードウェア障害によりアドバンスト・コピーを継続できない状態になると、自動的にアドバンスト・コピーを中断します。

また、リモートコピーセションは自動的に“Error Suspend”、または“Hardware Suspend”になります。