MQDをクラスタシステムで動作させるための環境を設定する手順について、以下の順番で説明します。
リソースグループのプロパティを設定する
リソースを登録する
リソースのプロパティを設定する
MQDをMSCSで動作させるために、MQD関連のリソースをすべてMQD用のリソースグループに登録します。登録は、クラスタアドミニストレータを使用して行います。リソースの登録内容は、MQDの運用方法によって異なります。表15.4 MQDのリソース一覧(単独使用)に、MQDを単独で使用する場合に登録するリソースの一覧を示します。表15.5 MQDのリソース一覧(XA連携)に、Interstageを使用してXA連携する場合に登録するリソースの一覧を示します。
なお、アプリケーションについては一覧に記載していません。必要に応じてアプリケーションも登録してください。
リソース資源(MSCS登録名) | リソースの種類 | 依存関係(依存先) |
---|---|---|
ドライブ名 | 物理ディスク | なし |
IPアドレス(注1) | IPアドレス(注1) | ドライブ名 |
ネットワーク名(注1) | ネットワーク名(注1) | IPアドレス(注1) |
IDCMサービス (注2)(注3)(注4) | 汎用サービス | ネットワーク名(注1) |
MQDサービス (注2)(注5) | 汎用サービス | IDCMサービス |
注1) Microsoft(R) Windows Server(R) 2008のフェールオーバー クラスタリング機能の場合、“IPアドレス”、“ネットワーク名”のかわりに、“クライアントアクセスポイント”をリソースとして登録してください。
注2) 汎用サービス登録時は、括弧内の文字列で登録します。
注3) IDCMのDPCF通信パスを確立するアプリケーションを使用する場合は、業務形態に合わせてIDCMサービスより後の任意の位置に登録してください。
注4) リソース資源のプロパティのパラメータタブで“ネットワーク名をコンピュータ名として使用する”に必ずチェックマークを指定してください。
注5) MQDサービスの場合の登録名は、括弧内の文字列に含まれる“MQD001”の部分がmqdsetupの-sオプションで指定したMQDシステム名となります。
リソース資源(MSCS登録名) | リソースの種類 | 依存関係(依存先) |
---|---|---|
ドライブ名 | 物理ディスク | なし |
IPアドレス(注1) | IPアドレス(注1) | ドライブ名 |
ネットワーク名(注1) | ネットワーク名(注1) | IPアドレス(注1) |
IDCMサービス (注2)(注3)(注4) | 汎用サービス | ネットワーク名(注1) |
コンポーネントトランザクションサービス (注1) | 汎用サービス | CORBAサービス |
MQDサービス (注2)(注5) | 汎用サービス | IDCMサービス |
データベース連携サービス起動 | 汎用アプリケーション | コンポーネントトランザクションサービス |
MQD拡張機能の起動 (注7) | 汎用アプリケーション | MQDサービス |
注1) Microsoft(R) Windows Server(R) 2008のフェールオーバー クラスタリング機能の場合、“IPアドレス”、“ネットワーク名”のかわりに、“クライアントアクセスポイント”をリソースとして登録してください。
注2) 汎用サービス登録時は、括弧内の文字列で登録します。
注3) IDCMのDPCF通信パスを確立するアプリケーションを使用する場合は、業務形態に合わせてIDCMサービスより後の任意の位置に登録してください。
注4) リソース資源のプロパティのパラメータタブで“ネットワーク名をコンピュータ名として使用する”に必ずチェックマークを指定してください。
注5) MQDサービスの場合の登録名は、括弧内の文字列の“MQD001”の部分をmqdsetupの-sオプションで指定したMQDシステム名にしたものとなります。
注6) データベース連携サービスを起動する汎用アプリケーションとして登録できるバッチファイルが、Interstageから提供されています。
注7) MQDの拡張機能を起動する汎用アプリケーションとして登録できるバッチファイルは、以下のファイルで提供しています。
[MQDインストール先フォルダ]\sample\mqdstrsvc.bat
このバッチファイルは、同報配信サービス、ACM連携サービス、イベントチャネル連携サービスを起動するコマンド行をコメントにしてあります。使用するサービスを起動する行を実行するように変更してください。バッチファイルの修正内容の例を以下に示します。
同報配信サービスを使用する場合
rem mqdstrsvc mcas ↓ mqdstrsvc mcas |
ACM連携サービスを使用する場合
rem mqdstrsvc acom ↓ mqdstrsvc acom |
イベントチャネル連携サービスを使用する場合
rem mqdstrsvc nsgw ↓ mqdstrsvc nsgw |
また、以下の行のMQDシステム名も修正してください。
rem set MQDSYSNAME=-s MQD001 |
登録したリソースのプロパティを設定します。設定値は、業務アプリケーションの異常時の動作(再起動するのかフェイルオーバするのかなど)も考慮する必要があります。ここでは、ソフトウェアの障害などが発生した場合でも、グループ全体を別ノードに即座にフェイルオーバすることで、業務のダウン時間を極力短くする設定値で説明します。特に問題がなければ、この値に設定することをお勧めします。なお、ここで説明していない値については、リソース登録時の値をそのまま使用してください。
全般
実行可能な所有者: 両方のノードを設定します
依存関係
依存関係: 表15.4 MQDのリソース一覧(単独使用)または表15.5 MQDのリソース一覧(XA連携)の依存関係のとおりに設定します
詳細設定
再起動する: チェックします (注1)
グループに適用する: チェックします
しきい値: 0を設定します
注1) 起動の確認を実施した後にこの設定にしてください。リソースの登録時点では、再起動しない設定にしておいてください。
パラメータ
MQDサービスのパラメータに“-r”を設定します。この設定により、フェイルオーバ時に資源が残った状態であっても、起動前に無条件に資源を回収することで確実にMQDを起動することが可能となります。
MQDの拡張機能またはXA連携を使用する場合、MQDサービスのパラメータに“-r -p”を設定します。
Windows Server(R) 2008 で使用する場合は、コマンドプロンプトで以下のコマンドを実行し、セットアップパラメタを設定してください。
通常
Cluster Resource "リソース名" /priv StartupParameters="-r" |
MQDの拡張機能またはXA連携を使用する場合
Cluster Resource "リソース名" /priv StartupParameters="-r -p" |