CORBAワークユニットを使用するために必要な環境設定手順について説明します。
ここでは、Interstage管理コンソールを使用した設定手順について説明します。
作成したアプリケーションモジュールをクライアント環境およびサーバ環境に配備します。
■CORBAクライアントアプリケーションの格納
作成したCORBAクライアントアプリケーションモジュールを、動作させるクライアント環境上の任意のディレクトリ上に格納します。
■CORBAサーバアプリケーションの格納
作成したCORBAサーバアプリケーションモジュールを、動作させるサーバ環境上の任意のディレクトリ上に格納します。
格納したディレクトリは後述のワークユニットの作成で指定します。
Interstage管理コンソールを使用してCORBAワークユニットを作成する場合、以下の手順で作成してください。
Interstage管理コンソールにログインします。
[Interstage管理コンソール] > [Interstage Application Server] > [システム] > [ワークユニット]の[新規作成]タブより、CORBAワークユニットを新規に作成します。
■CORBAワークユニットの新規作成
Interstage管理コンソールにログインし、[Interstage管理コンソール] > [Interstage Application Server] > [システム] > [ワークユニット]の[新規作成]タブより、以下の情報を設定して[作成]ボタンをクリックすることによって、ワークユニットが作成されます。
ワークユニット名
ワークユニットタイプ
なお、必ず、[詳細設定]を表示して、以下の項目を入力してください。
アプリケーション格納フォルダ
アプリケーション動作カレントディレクトリ
また、必要に応じて、その他の[詳細設定]を行うことができます。項目名の詳細とその内容について、以下に説明します。
また、[Interstage管理コンソール] > [Interstage Application Server] > [システム] > [ワークユニット] > [ワークユニット名]の[環境設定]タブにて設定値を確認/変更することが可能です。
Interstage管理コンソール項目名 | 必須項目 | 設定内容 |
---|---|---|
ワークユニット名 | ◎ | ワークユニット(CORBA)を識別する名前を指定します。 |
ワークユニットタイプ | ◎ | “CORBA”を選択します。 |
アプリケーション格納フォルダ | ◎ | CORBAサーバアプリケーションの配備で、アプリケーションモジュールを格納したディレクトリを指定します。 |
アプリケーション動作カレントディレクトリ | ◎ | アプリケーションが動作する作業ディレクトリを指定します。 |
退避するカレントディレクトリの世代数 | △ | ワークユニットのカレントディレクトリのバックアップ世代数を指定することができます。 |
リトライカウント | △ | ワークユニットの異常終了となるまでのアプリケーションプロセスの異常終了回数を指定します。 |
パス | ○ | アプリケーションが動作時に使用するパス(環境変数“PATH”)を設定します。 |
| ○ | アプリケーションが動作時に使用するライブラリパス(環境変数“LD_LIBRARY_PATH”)を設定します。 |
環境変数 | ○ | アプリケーションの動作に環境変数設定が必要な場合は、必ず設定してください。 |
ワークユニット出口プログラム名 | △ | ワークユニット起動時と終了時に、1回ずつ発行される出口プログラムの名前を指定します。 |
出口プログラム最大処理時間 | △ | 出口プログラムの最大処理時間の監視時間を指定します。 |
出口プログラム実行モジュール名 | △ | ワークユニット出口プログラム、プロセス回収出口プログラムの実行ファイル名を設定します。 |
要求のディスパッチ方式 | △ | クライアントからの要求メッセージを、要求待ちのサーバアプリケーションプロセスに振り分ける方式を指定します。 |
ワークユニット自動起動 | ○ | Interstage起動時にWUを起動するかどうかを指定します。 デフォルトでは、“自動起動する”が設定されています。 |
| ○ | アプリケーションおよび各種出口プログラムにおいて、タイムアウト(最大処理時間オーバ)を検出した場合にプロセスのスタックトレースを出力するか否かを設定します。 |
ワークユニット起動待ち時間 | △ | ワークユニットの起動が完了するまでの監視時間を指定します。 |
プロセス強制停止時間 | △ | ワークユニットの停止が完了するまでの監視時間を指定します。 |
CORBAワークユニットのプロセス起動ログ | △ | CORBAワークユニットのプロセス起動時のログを採取します。 |
IPCOMによるワークユニットの稼動状態監視 (Traffic Director Monitor Mode) | △ | IPCOM連携時に、本ワークユニットをダウン監視対象とするか否かを設定します。 |
アプリケーション自動再起動失敗時の制御 | ○ | ワークユニットのプロセス自動再起動に失敗した場合、プロセス数が1つ少ない状態で運用を継続(縮退運用)します。 |
[◎:必須 ○:推奨 △:省略可]
isdelwudefコマンドを使用して起動中のワークユニットの定義を削除した場合、そのワークユニットを停止しなければ、Interstage管理コンソールより同名のCORBAワークユニットを作成できません。このような場合は、起動中のワークユニットを停止した後、再度、操作を行ってください。
Interstage管理コンソールを使用してCORBAアプリケーションを配備する場合、以下の手順で作成してください。
Interstage管理コンソールにログインします。
[Interstage管理コンソール] > [Interstage Application Server] > [システム] > [ワークユニット] > [ワークユニット名]の[配備]タブより、ワークユニットに対してCORBAアプリケーションを配備します。
この時、インプリメンテーションリポジトリの登録およびオブジェクトリファレンスの登録も同時に行います。
■CORBAアプリケーションの配備作成
[Interstage管理コンソール] > [Interstage Application Server] > [システム] > [ワークユニット] > [ワークユニット名]の[配備]タブより、以下の情報を設定して[配備]ボタンをクリックすることによって、CORBAアプリケーションをワークユニット上に配備し、ワークユニット上で動作させることができるようになります。
インプリメンテーションリポジトリID
実行プログラムファイル
起動指定
また、必要に応じて詳細な設定をすることができます。[詳細設定]には、CORBAアプリケーション単位の設定項目と各CORBAアプリケーション内のインタフェース定義の設定項目があります。これらの詳細な設定項目とその内容について以下に説明します。
CORBAワークユニットでは、配備対象のアプリケーションの実行プログラムファイル、および、実行プログラムファイルから動的に参照されるライブラリなどのファイルは、ワークユニットが動作するサーバに格納しておく必要があります。
配備操作では、ファイル転送は行われません。実行プログラムファイルは、ワークユニット設定の“アプリケーション格納フォルダ”で指定したディレクトリに格納してください。
OD_impl_instコマンドを使用してCORBAアプリケーション定義情報を削除・変更した場合、 その内容はInterstage管理コンソール上に反映されません。 この場合は配備解除を行った後、再度正しい定義で配備を行う必要があります。
OD_or_admコマンドを使用してネーミングサービス登録名を削除・変更した場合、 その内容はInterstage管理コンソール上に反映されません。 この場合は配備解除を行った後、再度正しい定義で配備を行う必要があります。
Interstage管理コンソールで作成したCORBAアプリケーション定義情報と同様の情報を、OD_impl_instコマンド、OD_or_admコマンドで登録することはできません。
Interstage管理コンソールで作成されたCORBAタイプのワークユニットを、isdelwudefコマンドを使用して削除、もしくは、isaddwudefコマンドで変更した場合、ワークユニットに配備されているCORBAアプリケーション情報が 正しく反映されない場合があります。この場合はOD_impl_instコマンドでCORBAアプリケーション定義情報を削除し、OD_or_admコマンドを使用してネーミングサービス登録名を削除する必要があります。
CORBAアプリケーション単位の設定項目
[配備設定]の[インプリメンテーションリポジトリID]と[実行プログラムファイル]を設定してください。この2つの項目は、必須項目です。
また、[詳細情報]の[表示]をクリックし、さらに、[CORBAアプリケーション]の[表示]をクリックするとCORBAアプリケーションの詳細情報を設定することができます。
必要に応じて情報を設定してください。
Interstage管理コンソール定義項目名 | 必須項目 | 設定内容 |
---|---|---|
インプリメンテーションリポジトリID | ◎ | CORBAアプリケーションを特定するインプリメンテーションリポジトリIDを指定します。 |
実行プログラムファイル | ◎ | アプリケーションのモジュール名を設定します Java言語のアプリケーションを使用する場合は、Java実行体名(Windowsはjava.exe等、Solaris/Linuxはjava等)を指定します。Java実行体で実行するclassファイルは、“起動パラメタ”で指定してください。 |
起動指定 | ◎ | アプリケーションの配備後にワークユニットを起動する場合にチェックします。 |
ロケール | △ | アプリケーションのコード系を指定するオブジェクトリファレンスのコード系を指定します。 |
プロセス多重度 | ○ | アプリケーションのプロセス多重度を指定します。 |
処理スレッド数 | △ | プロセスごとのアプリケーションの処理スレッド数を指定します。負荷に応じて自動的に増減するため、初期値と最大値を指定します。 |
スレッドの縮退 (thr_decrease(*)) | △ | スレッドの自動拡張機能を使用する際に、スレッドの縮退を行うか否かを指定します。 [行う]を指定した場合、サーバアプリケーションの負荷が低くなった際にスレッドの縮退を行います。 |
アプリケーション格納フォルダ (Path) | △ | アプリケーションプログラムが配置されたディレクトリを指定します。 本項目がCORBAワークユニット環境設定とCORBAアプリケーション環境設定の両方に設定された場合は、CORBAアプリケーション環境設定で設定されたフォルダより実行プログラムファイルを検索します。 |
アプリケーション最大処理時間 | ○ | アプリケーションの最大処理時間の監視値(秒)を設定します。 |
アプリケーション最大処理時間超過時の制御 | △ | アプリケーションの最大処理時間超過時に、当該アプリケーションが動作しているプロセスに対する処理を指定します。 |
最大キューイングメッセージ数 | △ | キューに滞留できる最大キュー数を設定します。監視キューイングメッセージ数が設定されており、かつ、滞留メッセージ数が、この値を超過するとアラーム通知します。 |
監視キューイングメッセージ数 | △ | アラーム通知を行う滞留メッセージ数を設定します。滞留メッセージ数が、この値になるとアラーム通知します。 |
監視再開キューイングメッセージ数 | △ | アラーム通知の監視を再開する滞留メッセージ数を設定します。滞留メッセージ数が監視キューイングメッセージ数を超えた後、本設定値と同じになった時に、滞留メッセージ数の監視を再開します。 |
クラスパス | ○ | CORBAアプリケーション(Java)が動作時に使用するクラスパスを設定します。 |
環境変数 | ○ | アプリケーションおよび出口プログラムが動作時に使用する環境変数を設定します。“環境変数=値”の形式で指定します。PATH、LD_LIBRARY_PATHは指定できません。 |
プロセス回収出口プログラム名 | △ | プロセス回収出口プログラムの名前を設定します。ただし、C言語のプログラム名しか指定できません。 |
出口プログラム実行モジュール名 | △ | プロセス回収出口プログラムの実行ファイル名を設定します。 |
起動パラメタ | ○ | アプリケーションに設定する起動パラメータを指定します。 |
要求のディスパッチ方式 | △ | クライアントからの要求メッセージを、要求待ちのサーバアプリケーションプロセスに振り分ける方式を指定します。 |
通信バッファ数 | △ | キューのバッファ数を設定します。 |
通信バッファ長 | △ | 1要求に対してキュー操作を行う1データ長を設定します。 |
インスタンス保持機能 | △ | アプリケーションがクライアントアプリケーションごとにインスタンスデータを保持するか否かを、指定します。アプリケーションの言語が、C++、Java、OOCOBOLの場合に有効です。 |
セションタイムアウト時間 | △ | セションタイムアウトの時間を指定します。「インスタンス保持機能」で「使用する(オブジェクト単位)」を選択した場合に指定します。 |
オブジェクトリファレンスへのSSL情報付加 | △ | サーバアプリケーションのオブジェクトリファレンス作成時、SSL情報付加のルールを指定します。 |
動作モード | △ | アプリケーションの活性化後の動作モードを指定します。 |
IPCOMのメソッド負荷分散 | △ | IPCOMによる負荷分散を行う場合に、負荷分散の方式を指定します。 |
[◎:必須 ○:推奨 △:省略可 *:インプリメンテーションリポジトリ定義項目]
インタフェース定義項目
CORBAアプリケーションのオブジェクトのインタフェース定義の設定を行います。
[追加]ボタンをクリックすると、インタフェース定義の追加が行えます。以下の入力項目を設定して、[適用]ボタンをクリックすると、インタフェース定義が追加されます。
一覧表示された定義済みのインタフェース定義をチェックして、[編集]ボタンをクリックすると、インタフェース定義の編集が行えます。
同様に、インタフェースをチェックして[削除]ボタンをクリックすると、インタフェース定義を削除できます。
インタフェース定義の追加・変更・削除は、[配備]ボタンで適用されます。
定義項目名 | 必須項目 | 設定内容 |
---|---|---|
インタフェースリポジトリID | △ | オブジェクトのインタフェースリポジトリIDを設定します。 |
ネーミングサービスへの登録 | △ | オブジェクトをネーミングサービスに登録するかを指定します。 |
ネーミングサービス登録名 | △ | ネーミングサービスに登録する場合に、オブジェクトの名前を指定します。 |
優先度 | △ | オブジェクトの優先度を指定します。 |
ライブラリパス名 | △ | ライブラリのパス名を指定します。 |
COBOLの動的スケルトンインタフェース | △ | オブジェクトのインタフェースリポジトリIDを設定します。 |
[◎:必須 ○:推奨 △:省略可]