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Interstage Information StorageV10.0.0 運用ガイド

2.5.3 資源管理のバックアップ

バックアップの流れは次の通りです。

図2.2 資源管理のバックアップの流れ


以下に各作業の内容を説明します。


2.5.3.1 カテゴリIDの調査

資源管理のバックアップにあたり、カテゴリごとに付与されているカテゴリIDが必要です。

カテゴリIDはdcccatコマンドで確認します。

カテゴリ名CATのカテゴリIDを調査する

# dcccat cat_name=CAT
プログラムを開始します。(dcccat)

動作条件情報                                                 2009/10/27 14:08:07

  カテゴリ名: CAT
  カテゴリID: 2              ・・・カテゴリに付与されたカテゴリID

~以下略~

参照

dcccatコマンドの詳細については“コマンドリファレンス”を参照してください。

ポイント

カテゴリIDの調査は、カテゴリの追加が発生した場合に実施してください。


2.5.3.2 バックアップ用リストファイルの作成

資源管理の管理用領域とバックアップ先を記述したバックアップ用リストファイルと、リカバリ時に使用するアクセス禁止リストファイルを作成します。

バックアップ用リストファイルは、資源管理のリカバリでも使用します。

バックアップ用リストファイルの書式を以下に示します。

#全システム共通
INFOSTORAGEDB.CATEGORY_TDSI [バックアップファイル名1]@[バックアップ先ディレクトリ(絶対パス)]
INFOSTORAGEDB.CATEGORYEXCLUSIVE_TDSI [バックアップファイル名2]
INFOSTORAGEDB.AREAPATH_TDSI [バックアップファイル名3]
INFOSTORAGEDB.CSVHEADERINFO_TDSI [バックアップファイル名4]
INFOSTORAGEDB.DDVERSION_TDSI [バックアップファイル名5]
INFOSTORAGEDB.DIVIDEAREARANGE_TDSI [バックアップファイル名6] 
INFOSTORAGEDB.DIVIDEFILECONDITION_TDSI [バックアップファイル名7]
INFOSTORAGEDB.DIVISIONKEY_TDSI [バックアップファイル名8]
INFOSTORAGEDB.DIVISIONKEYPOSITION_TDSI [バックアップファイル名9]
INFOSTORAGEDB.FILENAMESTRUCTELEM_TDSI [バックアップファイル名10]
INFOSTORAGEDB.GENERATIONINFO_TDSI [バックアップファイル名11]
INFOSTORAGEDB.WORKFILEAREA_TDSI [バックアップファイル名12]
#以下はカテゴリ分繰り返し
INFOSTORAGEDB.DDT_DETF_CAT[0詰め5桁のカテゴリID]_TDSI [バックアップファイル名13]

先頭に"#"を付けると、その行はコメントとして扱われます。

バックアップファイル名にはすべて異なる名前をつけてください。


アクセス禁止リストファイルの書式を以下に示します。

アクセス禁止リストファイルには、バックアップ用リストファイルからバックアップファイル名とバックアップ先ディレクトリの記述を削除したものを使用してください。

#全システム共通
INFOSTORAGEDB.CATEGORY_TDSI
INFOSTORAGEDB.CATEGORYEXCLUSIVE_TDSI
INFOSTORAGEDB.AREAPATH_TDSI
INFOSTORAGEDB.CSVHEADERINFO_TDSI
INFOSTORAGEDB.DDVERSION_TDSI
INFOSTORAGEDB.DIVIDEAREARANGE_TDSI
INFOSTORAGEDB.DIVIDEFILECONDITION_TDSI
INFOSTORAGEDB.DIVISIONKEY_TDSI
INFOSTORAGEDB.DIVISIONKEYPOSITION_TDSI
INFOSTORAGEDB.FILENAMESTRUCTELEM_TDSI
INFOSTORAGEDB.GENERATIONINFO_TDSI
INFOSTORAGEDB.WORKFILEAREA_TDSI
#以下はカテゴリ分繰り返し
INFOSTORAGEDB.DDT_DETF_CAT[0詰め5桁のカテゴリID]_TDSI

先頭に"#"を付けると、その行はコメントとして扱われます。


ポイント

カテゴリの追加・削除が発生した際はバックアップ用リストファイルとアクセス禁止リストファイルの見直しを実施してください。

同じ名前でカテゴリを再作成した場合であっても、カテゴリに割り当てられるカテゴリIDが変更されるため、以前のバックアップ用リストファイルは使用できなくなります。


2.5.3.3 アーカイブログの状態表示

アーカイブログファイルの使用状況を把握し、強制切替えまたはバックアップのタイミングを調整してください。

"2.5.3.4 アーカイブログの強制切替"は、未使用状態(empty)のアーカイブログファイルが1つ以上存在する場合に行うことができます。

未使用状態のアーカイブログファイルが1つ以上存在しない場合は、"2.5.4 アーカイブログの退避"の手順に従い、アーカイブログを退避してください。

アーカイブログファイルの使用状況は、rdblogコマンドのVオプションおよびaオプションで表示できます。

アーカイブログファイルに関する情報を表示した例を以下に示します。

アーカイブログの状態を表示する

$ rdblog -V -a

  (1)     (2)     (3)   (4)   (5)     (6)                  (7)
serial#  status  total  used  avail capacity  backup-date  path
   1      full    10M    10M   0    100%         -----     /dev/raw/raw2
   2      using   10M     5M   5M    50%         -----     /dev/raw/raw3
   0      empty   10M     0   10M     0%         -----     /dev/raw/raw4
(1)アーカイブログ通番
(2)アーカイブログファイルの状態
     using : 使用中 
     full : バックアップ待ち状態 
     empty : 未使用状態
     inh : 異常(rdblogコマンドのHオプションにより閉塞した場合、inhの後ろに
         “(CMD)”が表示されます。)
     switch : 強制切替え(rdblogコマンドのSオプションでログを強制切替えした状態) 
(3)アーカイブログ域サイズ
     単位がない場合 : バイト
     単位がKの場合 : キロバイト
     単位がMの場合 : メガバイト
     単位がGの場合 : ギガバイト
(4)アーカイブログ域の使用量
     単位がない場合 : バイト
     単位がKの場合 : キロバイト
     単位がMの場合 : メガバイト
     単位がGの場合 : ギガバイト
(5)アーカイブログ域の空き容量
     単位がない場合 : バイト
     単位がKの場合 : キロバイト
     単位がMの場合 : メガバイト
     単位がGの場合 : ギガバイト
(6)アーカイブログ域の使用率(単位は%)
(7)アーカイブログ域パス名

参照

rdblogコマンドの詳細については、“コマンドリファレンス”を参照してください。


2.5.3.4 アーカイブログの強制切替

資源管理をバックアップする前に、アーカイブログファイルの強制切替を行ってください。強制切替を行うことにより、強制切替を行うまでのアーカイブログをすべてバックアップすることができます。

現在使用中のアーカイブログファイルから強制的に未使用状態のアーカイブログファイルへと切り替えるのは、rdblogコマンドのSオプションおよびaオプションで行います。

アーカイブログを強制切替する

$ rdblog -S -a

ポイント

アーカイブログファイルが満杯になると、資源管理が自動的にアーカイブログファイルを切り替えますが、すべてのアーカイブログファイルが満杯の場合は、空きができるまで資源管理の操作は停止されます。よって、アーカイブログファイルの切替えは、自動切替えではなく、満杯になる前に計画的に強制切替えを行う運用をお勧めします。


2.5.3.5 アーカイブログの退避

強制切替を行ったアーカイブログを、"2.5.4 アーカイブログの退避"の手順に従い退避してください。強制切替前にバックアップ待ち状態のアーカイブログが存在していた場合は、合わせて退避してください。

退避したアーカイブログは、バックアップ中に障害が発生した場合のリカバリで使用します。

2.5.3.6 資源管理の管理領域のバックアップ

rdbdmpコマンドを実行して、資源管理の管理領域をバックアップします。


退避データ取得時の実行条件

退避データ取得時には、以下の条件を満たしていなければなりません。

rdbdmpコマンドを実行する

$ rdbdmp -t [バックアップ用リストファイル] -e -y
rdb: INFO: qdg02654i:rdbdmpコマンドの処理を開始します
rdb: INFO: qdg12578i:DSI ' INFOSTORAGEDB.CATEGORY_TDSI'をバックアップします
~中略~
rdb: INFO: qdg02655i:rdbdmpコマンドの処理が正常終了しました

参照

rdbdmpコマンドの詳細については、“コマンドリファレンス”を参照してください。


注意

  • rdbdmpコマンドのeオプションは、退避先がすでに存在した場合に処理を続行するかの確認を行います。

  • rdbdmpコマンドのyオプションは、退避先が磁気テープの場合、入力要求のメッセージを出力せずにセットされている磁気テープを処理対象として処理を行います。そのため、yオプションを使用する場合には、コマンド実行前に、正しい磁気テープがセットされているか確認してください。

  • rdbdmpコマンドのyオプションとeオプションを同時に指定した場合、退避先がファイルのとき、書込みの確認要求は行わず無条件に退避ファイルを作成します。そのため、yオプションを使用する場合には、コマンド実行前に、退避先が正しいか確認してください。

  • rdbdmpコマンドの実行中に切り替えたアーカイブログファイルは、rdbdmpコマンド実行中には、rdblogコマンドによって破棄またはバックアップすることはできません。


2.5.3.7 RDBディクショナリのバックアップ

rdbdmpdicコマンドを実行してRDBディクショナリをバックアップします。

# rdbdmpdic -f [バックアップファイル名]@[バックアップ先ディレクトリ] -e -y
rdb: INFO: qdg02654i:rdbdmpdicコマンドの処理を開始します
rdb: INFO: qdg02655i:rdbdmpdicコマンドの処理が正常終了しました

参照

rdbdmpdicコマンドの詳細については、“コマンドリファレンス”を参照してください。

注意

  • rdbdmpdicコマンドのeオプションは、退避先がすでに存在した場合に処理を実行するかの確認を行います。

  • rdbdmpdicコマンドのyオプションは、退避先が磁気テープの場合、入力要求のメッセージを出力せずに、セットされている磁気テープを処理対象として処理を行います。そのため、yオプションを使用する場合には、コマンド実行前に、正しい磁気テープがセットされているか確認してください。

  • rdbdmpdicコマンドのyオプションとeオプションを同時に指定した場合、退避先がファイルのとき、書込みの確認要求は行わず無条件に退避ファイルを作成します。そのため、yオプションを使用する場合には、コマンド実行前に、退避先が正しいか確認してください。

  • rdbdmpdicコマンドの実行中に切り替えたアーカイブログファイルは、rdbdmpdicコマンド実行中には、rdblogコマンドによってバックアップすることはできません。