下図に、DSS ファイルシステムでのコンポーネント構成を示します。DSS ファイルシステムは、大きく 3つのコンポーネントからなっています。
MDS (メタデータサーバ、sfcfsmg)
DSS ファイルシステムのファイルシステムサーバ機能部分
AC (アクセスクライアント、カーネルコンポーネント)
DSS ファイルシステムのファイルシステムクライアント機能部分
監視デーモン(sfcfrmd、sfcprmd、sfcfsd、sfchnsd、sfcpncd)
DSS ファイルシステムの MDS、構成コンポーネントの制御機能部分
図D.5 コンポーネント構成
MDS とは、DSS ファイルシステムのメタデータを管理するサーバデーモンで、ユーザプロセスとして動作します。
ファイルシステムを共用するノードの中から、あらかじめ DSS サーバを定義し、MDS はこのノードで動作します。
DSS サーバは、冗長化することにより、プライマリ DSS サーバとセカンダリ DSS サーバの 2つを設定することができます。
セカンダリ MDS は待機用で、プライマリ MDS とは異なるDSSサーバで動作します。プライマリ MDS ダウンの場合に、自動的にダウンリカバリを行います。
ただし、DSS サーバが 1つしか起動していなかった場合には、セカンダリ MDS は動作しません。
参照
MDS のダウンリカバリについては、“3.2.2.1 MDS ダウンリカバリ”を参照してください。
AC からの処理要求を並列に実行するため、MDS はマルチスレッドで構成しています。
MDS の主な機能には、以下があります。
トークン管理
メタデータ領域管理
アップデートログ領域管理
ファイルデータ領域管理
ファイルシステムの空き領域管理
AC ノード管理
AC とは、DSS ファイルシステムにアクセスするアプリケーションからの要求を処理するクライアントで、カーネル内で動作します。DSSファイルシステムをマウントするすべてのノードに存在します。AC は、クライアント内でメタデータおよびファイルデータのキャッシュ管理を行います。
コマンド、sfcfsd からの要求を受け付け、コマンド - sfcfsd、コマンド - sfcprmd、ノード間通信を実現するための通信路を提供します。そして、ファイルシステム構成データベースの管理、管理パーティション I/O 機能を提供します。
sfcprmd
DSS ファイルシステムを構成するプロセスの起動・停止・ダウン監視を行います。構成プロセスが他のデーモンやコマンドを起動・実行する場合、sfcprmd に要求を送信し、sfcprmd は要求に応じデーモンやコマンドを実行します。
要求を送信するプロセスをクライアントプロセスと呼び、要求に応じて sfcprmd から起動されるプロセスをターゲットプロセスと呼びます。
ターゲットプロセスは sfcprmd によって監視され、プロセスが正常終了・異常終了した場合、その状況をクライアントプロセスに通知します。
sfcfsd
DSS ファイルシステムの運用開始・運用停止、MDS ダウン時の自動リカバリなど、MDS を制御する機能を提供します。
sfchnsd
ノードダウンイベント受信、ドメインワイドロック、メンバシップ情報取得、ノード状態取得の機能を提供します。
sfcpncd
監視対象である sfcprmd、sfcfrmd の生存監視を行います。監視対象となっているプロセスの状態変化 (プロセスダウン) が発生した場合、ファイルシステムの整合性を維持するためノードをパニックさせます。