ファイルシステムの性能を向上させるため、各 AC はファイルのデータをキャッシュしています。ファイルシステムの一貫性を保証するには、キャッシュの破棄を適切に管理する必要があります。このため、DSS ファイルシステムではファイル排他トークン (以下ではトークンと略します) を使用した管理を行っています。
トークンとは AC がファイルをアクセスできる保証のことです。トークンには、そのトークンがどのファイルに対するどのようなアクセスを保証するかを示す情報が含まれています。各 AC がファイルをアクセスするときは、そのファイルのトークンを保持している必要があります。トークンには、メタデータのアクセスを保証するものと、ファイルデータのアクセスを保証するものとがあります。
メタデータのアクセスとトークン管理
メタデータのトークンは、iノードおよび Vデータをアクセスする場合に必要なトークンです。
ファイルデータのアクセスとトークン管理
通常ファイルのファイルデータにアクセスするためのトークンです。書き込み権/読み込み権の 2種類があり、論理ブロック単位で管理されています。同一ブロックへの同時読み込み操作や、同一ファイルの別ブロックに対しての同時書き込み・読み込み操作が、性能を損なうことなく複数の共用ノードで同時に行えます。ファイルデータのトークンは、通常ファイルをアクセスする場合に必要なトークンです。