DSS ファイルシステムのダウンリカバリ機能について説明します。
MDS ダウンリカバリ
AC 縮退
DSS ファイルシステムは、DSS サーバの冗長化を選択することができます。冗長化の際には、PRIMECLUSTER がインストールされている必要があります。
DSS サーバを冗長化する運用では、MDS ダウンの場合に、ファイルシステムの運用を継続するために自動的にダウンリカバリを行います。
注意
参照
MDSについての詳細は“付録D DSS ファイルシステムの構造”を参照してください。
ここでは、DSS サーバを冗長化した構成で、プライマリ MDS とセカンダリ MDS のどちらか一方がダウンした場合の動作の概要について説明します。
プライマリ MDS がダウンした場合、待機していたセカンダリ MDS が自動的にプライマリ MDS に切り替わり、運用を継続します。この場合の処理を以下に示します。
1. セカンダリ MDS のプライマリ MDS への切り替え
ダウンしたプライマリ MDS に代わって、セカンダリ MDS がプライマリ MDS として動作します。
2. アップデートログのリプレイ
新しくプライマリとして動作する MDS は、アップデートログをリプレイし、ファイルシステムの整合性を回復します。
3. 切り替え後の処理の再開
AC は新しくプライマリとして動作する MDS に対して処理を要求します。MDS がその要求を受け付けるまで、そのファイルシステムへのアクセスはブロックされます。
4. ダウンした MDS の再起動
通常はセカンダリ MDS として起動します。
ノードダウンの発生により、セカンダリ MDS がダウンした場合は、プライマリ MDS には影響ありません。セカンダリ MDS が存在しない状態で運用を継続します。この場合の処理を以下に示します。
1. ダウンした MDS の再起動
セカンダリ MDS として再起動します。
2. 再起動したセカンダリ MDS の有効化
AC は再起動したセカンダリ MDS を認識するための処理を行います。
プライマリ MDS だけで運用中かつ、プライマリ MDS ダウン時の自動リカバリ
DSS サーバが縮退していてプライマリ MDS だけで運用している状態で、プライマリ MDS がダウンすると、以下の処理を自動的に行います。
1. ダウンした MDS の再起動
再度プライマリ MDS として起動します。
2. アップデートログのリプレイ
新しくプライマリとして動作する MDS は、アップデートログをリプレイし、ファイルシステムの整合性を回復します。
3. MDS 切り替え後の処理の再開
AC は新しくプライマリとして動作する MDS に対して処理を要求します。
DSS ファイルシステムをマウントすると、MDS はその AC の情報を保持します。AC が動作するノードがダウンした場合、MDS はその ACの情報を自動的に破棄し、正常なノードでのファイルシステムの運用継続が自動的に行われます。
参照
ACについての詳細は“付録D DSS ファイルシステムの構造”を参照してください。