Interstage BPM Studio for Systemwalker のプロセス定義エディタを利用して、運用作業の手順を運用フローとして作成します。
運用フローはアクティビティ同士の関係、プロセスの開始や終了の条件、運用操作アクティビティから実行される運用操作部品に対する入出力設定などで構成されています。
(1) 運用フローの作成
[ファイル]メニューより[新規]-[プロセス定義]の順に選択します。
[新規プロセス定義]画面で、[参照]をクリックします。作成したプロジェクトを選択し、[OK]をクリックします。
[名前]に運用フローの名前を、[説明]に運用フローの説明を入力します。この例では運用フローの名前として“修正ファイル適用”と入力しています。
注意
[説明]には必ず値を設定してください。設定がされていない場合、運用フローセットの登録に失敗します。
[終了]をクリックします。
作成した運用フローが[ナビゲーター]ビューに表示されます。プロセス定義エディタが開き、Startノードが自動的に追加されます。
(2) UIアクティビティの配置
[パレットの表示]ボタン(<)をクリックして、パレットを開きます。
[アクティビティ]フォルダにある[Activity]ボタンをクリックします。
プロセス定義エディタで、UIアクティビティを配置する領域をポイントし、クリックしてUIアクティビティを追加します。必要に応じて、名前の変更と説明の追加をしてください。
アクティビティの遷移ルートを設定します。ルートの設定には、アクティビティ同士を矢印でつなぎます
矢印の追加については、“Systemwalker Runbook Automation BPM Studio 利用ガイド”の“矢印の追加と編集”を参照してください。また、矢印を作成する際には、下記の用語の設定や注意事項のルールに従って作成してください。
注意
開始ノード(start)の次のアクティビティには、UIアクティビティを設定してください。
UIアクティビティ名およびオプション名の長さは、32バイト以下にしてください。
UIアクティビティ名は、回覧ルート内で一意な名前にしてください。
UIアクティビティは、30個まで指定可能です。
アクティビティ名には、以下の文字は指定できません。
以下の半角記号
. '
半角空白のみの文字列
半角空白で始まる文字列
半角空白で終わる文字列
全角空白のみの文字列
全角空白と半角空白のみからなる文字列
自動実行アクティビティ名には、英数字および半角記号“_”でのみ指定してください。
自動実行アクティビティのアプリ論理名は、32文字以内で指定してください。
UIアクティビティに設定するアクティビティをマウスで選択します。
プロパティビューで、UIアクティビティの設定を以下のように行います。
項目 | 説明 | 備考 |
---|---|---|
名前 | アクティビティの名前を設定します。 | 必須 |
説明 | アクティビティの説明を設定します。 | 省略可 |
役割 | 役割名を設定します。 | 必須 |
UIアクティビティの矢印のタイトルには、以下の用語を使用してください。
用語 | 意味 |
---|---|
申請 | 新規に伝票を起票する処理です。 |
可決 | 申請を認める承認処理です。 |
確定 | 確定終了の処理です。 |
取戻(申請) | 申請者に処理を戻す処理です。 |
取戻(承認) | 承認者に処理を戻す処理です。 |
差戻 | 1つ前の担当者に伝票を戻す処理です。 |
否決 | 申請を却下する処理です。 |
注意
オプション矢印のタイトルに上記の用語以外を使用した場合、動作は保証されません。
矢印のタイトルには、以下の文字は指定できません。
- 以下の半角記号
「'」
- 半角空白のみの文字列
- 半角空白で始まる文字列
- 半角空白で終わる文字列
- 全角空白のみの文字列
- 全角空白と半角空白のみからなる文字列
- 制御コード(改行コード、タブコード等)
(3) 運用操作アクティビティの追加
[パレットの表示]ボタン(<)をクリックして、パレットを開きます。
[サービス/プロセスの操作]フォルダにある[サービスの停止を確認する]ボタンをクリックします。
プロセス定義エディタで、運用操作アクティビティを配置する領域をポイントし、クリックして運用操作アクティビティを追加します。必要に応じて、名前の変更や説明を追加してください。
(4) 入出力定義の設定
配置した運用操作アクティビティを実行するために必要な入出力定義を設定します。
配置した運用操作アクティビティを選択し、右クリックします。
ポップアップメニューの[入出力定義の設定]を選択すると、[入出力定義の設定]ダイアログが開きます。
[入力情報]-[必須]タブの順に選択し、入力情報の[必須]タブの値を設定します。運用操作アクティビティを実行する場合は、必ず[必須]タブの項目を設定してください。ここでは、運用操作部品[サービスの停止を確認する]の入力情報設定画面ダイアログを例に説明を行います。入力情報の詳細および他の運用操作部品の入力情報については、“Systemwalker Runbook Automation リファレンスガイド”の“運用フローセット開発者向けリファレンス”を参照してください。
設定したい項目を選択し、[編集]ボタンをクリックします。
運用操作部品[サービスの停止を確認する]では、必須入力項目として操作対象のホスト名(hostname)と確認対象のサービス名(service)を設定します。
[入力情報の編集]ダイアログで、[入力元]、[種別]および[名前]の項目を入力します。
[種別]では入力情報の入力方法種別を選択します。[種別]を選択した後、[名前]にそれぞれの入力種別に対応した値を入力します。
種別 | 説明 | 入力値 |
---|---|---|
fixed | [名前]で入力された文字列をそのまま運用操作アクティビティに入力情報として与えます。 | 運用操作アクティビティを実行するために必要な値そのものを入力してください。 例:10.255.255.xxx |
uda | [名前]で指定したユーザ定義属性(UDA)に格納されている文字列を運用操作アクティビティに入力情報として与えます。 | UDAの名前を入力してください。 例:UDA_NAME |
slip | [名前]で入力した値が申請画面(フォーム)に入力項目として表示されます。運用フロー起票時に画面で入力した文字列を運用操作アクティビティに入力情報として与えます。 | 申請画面の項目名を入力してください。 例:SLIP_NAME |
注1)
運用操作部品のオプションの詳細については、“Systemwalker Runbook Automation リファレンスガイド”を参照してください。
注2)
UDA名は、必ず存在する名前を入力してください。詳細については、“Systemwalker Runbook Automation BPM Studio 利用ガイド”を参照してください。
注3)
slipの詳細については、“Systemwalker Runbook Automation BPM Studio 利用ガイド”を参照してください。
注意
[入力情報]-[詳細]タブで設定可能なパスワード情報については、運用フローでの入力情報として指定した値の場合、外部から参照しやすい情報となってしまうため、パスワードを設定する方法としてはセキュリティの面から推奨できません。
パスワードの入力を省略した場合は、あらかじめ運用自動化サーバで設定された情報を安全に利用できるので、運用フローでの入力情報の設定では省略することを推奨します。
なお、本製品では、テスト環境など機密情報を保護する必要がない場合に簡単に設定できるようパスワードの値を指定できるようにしています。
値を入力した後、[OK]ボタンをクリックすると編集した値が反映されます。
残りの[必須]項目について、同様の手順で編集します。
[詳細]タブの入力情報についても必要に応じて編集します。[詳細]タブの項目は、運用操作アクティビティを実行するために任意で設定する項目です。[必須]タブの入力情報と同様の方法で編集してください。詳細については、“Systemwalker Runbook Automation リファレンスガイド”を参照してください。
[入出力情報の設定]で編集した内容を運用フローで活用する方法については、“3.7.2 作成した運用フローセットの実行”を参照してください。
出力情報の値を設定します。[出力情報]タブを選択してください。設定したい項目を選択し、[追加]ボタンをクリックします。[出力情報の編集]ダイアログで、[出力先]、[種別]および[名前]の項目を入力します。
[種別]では出力情報の出力方法種別を選択します。[種別]を選択した後、[名前]にそれぞれの出力種別に対応した値を入力します。[実行結果]では、出力する実行結果の値を以下から選択します。
returnCode:運用操作部品の復帰値
stdout:運用操作部品の標準出力
srderr:運用操作部品の標準エラー出力
運用操作部品の実行結果の詳細については、“Systemwalker Runbook Automation リファレンスガイド”を参照してください。
種別 | 説明 | 入力値 |
---|---|---|
uda | [名前]で指定したUDAに運用操作アクティビティの実行結果の出力値が格納されます。 | 出力先UDAの名前を入力してください。 例:UDA_RESULT |
slip | [名前]で入力した値が申請画面(フォーム)に出力先として表示され、運用操作アクティビティの実行結果の出力値が画面に表示されます。 | 出力先の名前を入力してください。 例:SLIP_RESULT |
UDA名は、必ず存在する名前を入力してください。詳細については、“Systemwalker Runbook Automation BPM Studio 利用ガイド”を参照してください。
slipの詳細については、“Systemwalker Runbook Automation BPM Studio 利用ガイド”を参照してください。
値を入力した後、[OK]ボタンをクリックすると編集した値が反映されます。
(3)~(4)と同様の手順で、必要に応じてアクティビティを追加し、入出力項目の編集を行ってください。
(5) 運用フローのルートの分岐
運用操作アクティビティの実行結果の違いによって、運用フローのルートが分岐するようにします。
運用フローのルートを分岐させるには、Conditionalノードを使用します。[ルート]フォルダにある[Conditional]ボタンをクリックします。プロセス定義エディタで、Conditionalノードを配置する領域をポイントし、クリックしてConditionalノードを追加します。
[プロパティ]ビューの[決定ルール]で、Conditionalノードを編集します。
[評価する変数]の[変数]では、条件分岐の評価対象となるUDAを選択します。ここでは、評価対象のUDAに“File_Tran”を選択しています。“File_Tran”は運用フロー“修正ファイル適用”で独自に追加したUDAで、運用操作アクティビティ“ファイル転送“の出力結果(復帰値)を格納するUDAです。
[すべての分岐条件]では、分岐条件を設定します。ここでは、“File_Tran”の値が0と等しい場合には“作業成功”の矢印に、0と等しくない場合には“作業失敗”の矢印に運用フローが遷移するように設定しています。
Conditionalノード以外のノードについても、必要に応じて追加してください。
Conditionalノードおよびその他のノードの詳細については、“Systemwalker Runbook Automation BPM Studio 利用ガイド”を参照してください。
注意
ANDノードとORノードを使用して、以下のように矢印の遷移先に運用操作アクティビティを複数指定した運用フローを設計した場合、運用操作アクティビティは並列処理で実行されますが、UDAに格納される実行結果の値に不整合が生じる可能性があります。
以下のような運用フローの設計は推奨できません。
(6) Exitノードの追加
運用フローの最後にExitノードを追加します。
[イベント]フォルダにある[Exit]ボタンをクリックし、プロセス定義エディタ上にExitノードを追加します。
参考
運用フローの終了地点には、必ずExitノードを1つ以上配置してください。
2つ以上のExitノードを配置することで、運用フローが正常ルートで終了したのか、異常ルートで終了したのかが分かるようにすることができます。なお、本章記載の運用フローのように、メール送信の運用操作アクティビティを使うことで正常と異常の判断を行うこともできます。
(7) 電子フォームの作成
[ウィンドウ]メニューから[パースペクティブを開く]を選択し、[電子フォーム開発]パースペクティブを開きます。
[電子フォーム管理]ビューで電子フォームを作成します。電子フォームの作成については、“Systemwalker Runbook Automation BPM Studio 利用ガイド”の“電子フォームの管理”を参照してください。
電子フォームの作成が完了すると、[電子フォーム管理]ビューに作成された電子フォームが表示されます。ここでは、電子フォームの名称を“sampleform”としています。
(8) ユーザ定義属性の設定
[Power User]パースペクティブで、ユーザ定義属性の初期値を設定します。
作成された電子フォームと運用フローを紐付けるために、[プロパティビュー]の[ユーザ定義属性]で、以下のユーザ定義属性の初期値に値を設定します。
UDA名 | 設定する値 |
---|---|
Apl_FormName | [電子フォームの名称]_Input 設定例:sampleform_Input |
Approve_FormName | [電子フォームの名称]_Check 設定例:sampleform_Check |
Print_FormName | [電子フォームの名称]_Check 設定例:sampleform_Check |
Apl_ref_FormName | [電子フォームの名称]_Check 設定例:sampleform_Check |
注意
UDAには必ず値を設定してください。
設定されていない場合、運用フローセットの登録に失敗します。また、設定した値が誤っていた場合、正常に運用フローが動作しなくなる場合があります。
必要に応じて、UDAを追加します。UDAの追加の詳細については、“Systemwalker Runbook Automation BPM Studio 利用ガイド”の“ユーザ定義属性の指定”を参照してください。
UDAが正しく設定されたことを確認します。運用操作アクティビティの入出力情報として独自のUDAを設定している場合は、必要なUDAが追加されていることを確認してください。
注意
UDAは運用操作アクティビティで設定した値と整合性を取るように設定してください。
例えば、運用操作アクティビティの入出力情報として独自のUDAを使用するように設定している場合、設定したUDAが存在しなければ運用フローが正常に動作しなくなります。独自のUDAを追加して使用する際には、名称の誤りなどにも注意してください。
これで、運用フローの作成は完了です。