テープバックアップ運用を行う場合の全般的な注意事項について説明します。
ドライブの暗号化にWORM(Write-Once, Read-Many)メディアを使用することはできません。
(TSMの“define devclass”コマンド、および“update devclass”コマンドにおいて、worm=yes とdriveencryption=on を同時に設定する指定はサポートされていません。)
ライブラリ内のドライブはすべて、新しい暗号化フォーマットをサポートしなければなりません。さらに、論理ライブラリ内のドライブはすべて、同じ暗号化方式を使用しなければなりません。
ACMテープバックアップ機能では、一部のドライブがアプリケーション方式の暗号化を使用し、他のドライブはライブラリ方式またはシステム方式の暗号化を使用するような環境はサポートしません。
G4ドライブ暗号化機能では、暗号化できるメディアは、LTO Ultrium4 の媒体のみです。将来、テープライブラリ内のボリュームを暗号化する予定がある場合は、テープライブラリのメディアの世代を混合させないようにしてください。
デバイス・クラス設定時に driveencryption をon に設定し、ハードウェアが別の方式で暗号化されるように構成されていると、バックアップ操作は失敗します。
データの暗号化および暗号化解除(復号)に使用される暗号鍵はTSMデータベースに保管されるため、TSMデータベースのバックアップ保護には特に細心の注意が必要です。データをリストアするためには、正しいTSMデータベースのバックアップと、情報にアクセスするための対応する暗号鍵が必要です。
暗号化ドライブと非暗号化ドライブが混合したテープバックアップ運用は行わないでください。
G4暗号化データをテープ・ボリュームに書き出す際は新規フォーマットが使用されます。一度新規フォーマットでデータが書き込まれた後、スクラッチに返されたボリュームは、暗号化対応ドライブでしか読み取れないラベルが含まれるようになります。
G4暗号化に対応していないドライブを使用して、G4暗号化で使用されていたスクラッチ・ボリュームを再使用するには、checkout libvolumeコマンドでTSMデータベースから該当テープボリュームを削除し、ラベルを付け直す必要があります。
新規にラベルを付け直す場合は、「4.2.2.1 新規テープをチェックインする場合」を参照してください。