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ETERNUS SF AdvancedCopy Manager 14.2 運用手引書

9.1.1 データベースを個別にバックアップする場合

9.1.1.1 バックアップ管理簿の保守方法

バックアップ管理簿の保守方法について説明します。バックアップ運用を実施しているサーバで実行します。

9.1.1.1.1 バックアップ管理簿とリカバリ制御ファイルのバックアップ

バックアップ管理簿とSymfowareのデータベーススペースをバックアップしたときに作成されるリカバリ制御ファイルをバックアップします。

詳細については、「10.2.3.2 swstresback(資源バックアップコマンド)」を参照してください。

バックアップ管理簿のバックアップデータの容量

以下のディレクトリ配下のサイズを確認してください。

/etc/opt/FJSVswsts/data

クラスタ運用している場合は、以下のディレクトリ配下のサイズを確認してください。

/etc/opt/FJSVswsts/<論理ノード名>/data

Symfowareのデータベースをバックアップしている場合は、以下のディレクトリ配下のサイズも確認してください。

リカバリ制御ファイル出力先ディレクトリ

ポイント

退避先として以前に退避したディレクトリを使用する場合は、上記サイズの3倍の容量が必要になります。

9.1.1.1.2 バックアップ管理簿とリカバリ制御ファイルのリストア

バックアップ管理簿とSymfowareのデータベーススペースをバックアップしたときに作成されるリカバリ制御ファイルをリストアします。

詳細については、「10.2.3.3 swstresrst(資源リストアコマンド)」を参照してください。

9.1.1.2 レプリケーション管理簿の保守方法

レプリケーション管理簿の保守方法について説明します。

9.1.1.2.1 レプリケーション管理簿のバックアップ

レプリケーション管理簿のバックアップは、Storage管理サーバのリポジトリをバックアップすることによって実施します。リポジトリのバックアップ方法については、「9.1.1.3.1 データベースの退避方法」を参照してください。

ポイント

レプリケーション管理の運用情報は、リポジトリに格納されています。

レプリケーション管理簿のバックアップは、10.4.1.1 swsrpsetvol(複製ボリューム情報設定コマンド)10.4.1.3 swsrpdelvol(複製ボリューム情報削除コマンド)によってレプリケーション管理の運用情報が変更された場合に実行することをお勧めします。

9.1.1.2.2 レプリケーション管理簿のリストア

レプリケーション管理簿のリストアは以下の手順で実施します。

  1. Storage管理サーバのリポジトリをリストアします。リポジトリのリストア方法については、Storage管理サーバのOSに対応した『ETERNUS SF AdvancedCopy Manager 運用手引書』の「9.1.1.3.3 データベースの復旧方法」を参照してください。

    • Storage管理サーバがLinux版/Solaris版の場合

      復旧方法では、stgdbrcvコマンドの -mオプション(復旧モード)に0を指定してください。

    • Storage管理サーバがWindows版の場合

      復旧方法では、"RDBディクショナリおよびDSIの復旧(LOADモード)"を選択してください。

  2. Storageサーバで10.4.3.1 swsrprecoverres(資源整合コマンド)を-rオプションを指定して実行します。資源整合コマンドの詳細については、「10.4.3.1 swsrprecoverres(資源整合コマンド)」を参照してください。

ポイント

上記の手順によって、リポジトリのレプリケーション管理の運用情報がStorageサーバへコピーされ、運用可能な状態になります。

リポジトリに存在するレプリケーション管理の運用情報に変更がなく、Storageサーバに存在するレプリケーション管理の運用情報のみが何らかの理由によって不正な状態になってしまった場合は、上記の手順を実行してください。

9.1.1.3 データベースの保守方法

Storage管理サーバで使用しているデータベースの保守方法について説明します。

9.1.1.3.1 データベースの退避方法

データベース領域の退避を行うには、データベース退避コマンドを使用します。

本コマンドは、Storage管理サーバ上で実行します。

コマンドの操作方法は、「10.3.19 stgdbdmp(データベース退避コマンド)」を参照してください。

ポイント

  • 主にStorageサーバの追加やデバイス情報の取り込みなど構成情報に変化が生じた際に使用しますが、それ以外に一日一回など定期的に実行することをお勧めします。

  • 退避データ取得中の外部ファイルの入出力障害に備えるために、退避データは最低でも2世代管理しておくことをお勧めします。

データベースのバックアップデータの容量

以下の計算式で算出します。

60+(管理するデバイス数×0.001)メガバイト
9.1.1.3.2 データベースの障害箇所の把握

以下のファイルを最終行から順に参照し、「rdb:ERROR:qdgXXXXX~」と記述されたメッセージ(同時刻に出力されているメッセージも確認してください)を検索して「qdgXXXXX」を取得し、復旧モードを決定します。

(クラスタ運用しない場合)/var/opt/FJSVswstf/log/RDBSWSTF.log

(クラスタ運用する場合)/var/opt/FJSVswstf/論理ノード名/log/RDBSWSTF.log

表9.4 qdgメッセージと復旧モードの関係

qdgメッセージ

障害内容

確認対象

復旧モード

qdg13039u

入出力障害、破壊検出

リポジトリデータ格納DBスペース用ディレクトリ/hdrdb_rep1

1

qdg12079e

ファイル削除

qdg03400u

ロールバック不可

qdg03401u

qdg03121u

入出力障害

RDBディクショナリ用ディレクトリ/hdrdic

2

qdg12078u

ファイル削除

qdg03420u

入出力障害、破壊検出等

DBファイル用ディレクトリ/SWSTFDB/rdbdir/DIR_FILE1

DBファイル用ディレクトリ/SWSTFDB/rdbdir/DIR_FILE2

qdg12150u

ファイルオープンエラー

qdg12151u

qdg12251e

入出力障害

DBファイル用ディレクトリ/SWSTFDB/rdbdir/rdblogmanage

3

qdg12443u

qdg12434u

ファイル異常

qdg02290u

ファイル削除

qdg12111u

入出力障害

RDBログファイル用ディレクトリ/hdrlog

4

qdg12440u

qdg12441u

qdg12442u

qdg02296u

ファイル削除

qdg03815u

システムコールエラー

DBファイル用ディレクトリ/SWSTFDB/rdbdir/archive1

DBファイル用ディレクトリ/SWSTFDB/rdbdir/archive2

5

qdg12275W

qdg12250u

破壊検出

qdg12483u

ファイル読み込みエラー

注意

  • 複数の障害が同時に発生した場合は、復旧モード1~5を使用しても復旧できない場合があります。その際は、データベースを再作成した後、復旧モード0を使用することにより、データベース退避コマンドを実行して退避した時点の状態まで復旧することができます。詳細については、「9.1.1.3.1 データベースの退避方法」を参照してください。(退避後に反映されたデータは復旧できません。)

  • その際、バックアップ運用を行っているすべてのStorageサーバ上で資源整合コマンド(10.2.3.1 swstsrsemtch(資源整合コマンド)」を参照)にオプション-xを付けて実行してください。また、レプリケーション運用を行っているすべてのStorageサーバ上で資源整合コマンド(「10.4.3.1 swsrprecoverres(資源整合コマンド)」を参照)にオプション-rを付けて実行してください。

9.1.1.3.3 データベースの復旧方法

データベース領域に入出力障害等の障害が発生した場合、復旧を行うためには、データベース復旧コマンドを使用します。

本コマンドは、Storage管理サーバ上で実行します。

コマンドの操作方法は、「10.3.20 stgdbrcv(データベース復旧コマンド)」を参照してください。

9.1.1.4 認証管理簿の保守方法

認証機構の保守方法について説明します。認証機構を実施しているサーバ(Storage管理サーバ)で実行します。

9.1.1.4.1 認証管理簿のバックアップ

Storage管理サーバにおいて、/opt/FJSVswssc/bin/smmkbatコマンドを実行して認証管理情報を抽出します。本コマンドはrootユーザーで行う必要があります。

# /opt/FJSVswssc/bin/smmkbat -f 定義情報出力シェルスクリプト名 (例:/opt/FJSVswssc/bin/smmkbat -f acldata.sh)

定義情報出力シェルスクリプトは、定義情報を反映するコマンド例を記述したシェルスクリプトとして抽出されます。

認証管理簿のバックアップデータの容量

以下の計算式で算出します。

400+アクセス権を設定したアカウント数×60バイト
9.1.1.4.2 認証管理簿のリストア

定義情報出力シェルスクリプトを実行します。この場合、rootユーザーで行う必要があります。

9.1.1.5 レジストリの保守方法

レジストリの保守方法について説明します。Storage管理サーバおよびStorageサーバで実施します。

9.1.1.5.1 レジストリのバックアップ

以下のファイルを、cpコマンド等を使用してバックアップします。

  1. ファイル名

    • 非クラスタの場合

      /etc/opt/swstorage/swnode.ini
    • クラスタの場合

      /etc/opt/swstorage/論理ノード名/swnode.ini
  2. 実施例

    /backupディレクトリに退避します。

    # cp /etc/opt/swstorage/swnode.ini /backup

レジストリのバックアップデータの容量

バックアップするファイルのサイズを確認してください。

9.1.1.5.2 レジストリのリストア

以下のファイルを、cpコマンド等を使用して復元します。

  1. ファイル名

    • 非クラスタの場合

      /etc/opt/swstorage/swnode.ini
    • クラスタの場合

      /etc/opt/swstorage/論理ノード名/swnode.ini
  2. 実施例

    /backupディレクトリに退避したファイルを復元します。

    # cp /backup/swnode.ini /etc/opt/swstorage